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限りなく水色に近い緋色【Revise Edition】  作者: 尾岡れき
第2章「使い捨てられる廃材たち」
57/68

54「命令はかくして実行された」


 臓器が崩れ落ち、廃材達が苦悶の声をあげる中でそれは、ぴちゃぴちゃと音をたてながら這いずった。一瞥、特化型サンプル達を見やる。蛇の姿をした彼は憎悪をその目に宿しながら。


 蛇は排水口めがけて、飛び込む。悪臭と屈辱にまみれながら、下水管を進む。

 コレデオワッタト、オモウナ。

 殺意をたぎらせて。それを遺伝子研究監視型サンプル【弁護なき裁判団】No.Tは監視を続けていた。



【遺伝子照合しました。対象を確認。No.Kの指示を仰ぎます】


【シリンジはスピッツの研究まで盗み、変容体試験のサンプルとして自身の体を使ったか。まぁ、実験室の研究者であれば特段驚くこともない。監視を継続。施設破棄に向けて計画を稼働する。特化型サンプル達の安全を確認した上で計画実行。シリンジが施設外に逃亡した場合、速やかに処分せよ】


【了解しました、Enter】


【実行。Enter】


 No.Tは特化型サンプルたちを見やり、計画を再考する。No.Kの指示にはバグがあるのではないか、と思う。No.Eがエラーが出たのはつい最近の事だ。


 No.KはNo.Eから急遽、命令権を移譲された。バグがあって当然だと思う。本来ならば、特化型サンプルとともに施設を破棄すべきではないか?

 No.SとNo.Tは思考を繋ぎ、それに同意をした。 これはNo.Zの言う所の非常時の緊急判断事項に該当するのではないか。


  それならば――。


【プログラムを一部変更し実行する。Enter】


【非常時緊急案件に該当。No.Zにログを送信。計画を実行する。Enter】


【了解した。実行する。Enter】


 命令はかくして実行された。

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