3/5
ときにハジメは立ち向かう
少女が彼女に瓜二つだった衝撃は拭いきれないが、
このまま立ち尽くしていていい場面では無いことは、混乱している頭でも分かっていた。
そしてもう一つ分かったことがある。
彼女に似た少女を誘拐しようとしているあの男がとてつもなく不愉快だということだ。
そして俺は考えることを辞めた。
「…その手をっ、はなせえぇぇぇぇえ!!!」
「なんなんだお前は!」
「おらぁぁぁぁぁあ!!!」
バゴオォォォォォォォオン!!
怒号にも似た爆音が路地裏に響きわたる。
俺が殴った男は、男の背後にそびえる壁に激しくぶつかり気絶してしまった。
毎日同じような生活をして、変化を嫌っていたはずなのに、どうしてこんなことをしてしまったのか。
少女があまりにも彼女に似ていたせいで冷静さを失ってしまっていたのか…?
そんなことを考えていると、周りに野次馬が集まってしまった。
とりあえずこの場から抜け出さなければならない。そう悟った俺は、乱れた呼吸を整え、呆然と座っている少女を抱き抱えると、急いで路地裏を去った……