誰と付き合っても絶対に婚約破棄!?悪役令嬢の本当の思いとは?
どうやら私はどこかの豪邸に住んでいるらしい。
いや、「どうやら」も「どこか」も「らしい」も全て口の虚ろ。私はここがどこか、なぜここにいるのか、そういった私を取り巻く全ての環境を確かに分かっている。というか認識している。
ここはどこか。『Where』
ここは裕福な人間の住む豪邸街。貴族、或いは権力者、成功者の住む町「ポート・ペル」
名前どおり、港が近い。
私は誰か。『Who』
私はこの辺りの知事の娘、三人娘の2番目。だけどこの三人のうち、私だけがひねくれ者。人に迷惑はかけないがどうにも人に冷たく当たりがち、極端に合理を求めてしまう。
でも治らない。
何故ここにいるか。『Why』
ここの娘だから。
でも何故でしょう。お父様もお母様もお姉様も、妹も嫌いではない。けれど、周りには私がまるで「人嫌い」であるかのように見えるらしい。私もそう。人は私を「悪役令嬢」とよぶ。「令嬢」なんだか「悪役」なんだか、どっちなの?こんなのは本当の私じゃない。
恋も常に失敗している。
俗に言うツンデレとかいうものではなく、本格的に態度は「嫌悪」である。想い人なんだから嫌いではない。むしろ好き。だけど、どうしてもこういう態度になってしまう。ただの「ツン」である。それも極度の。そして「デレ」ることなど一切ない。
なんで?『Why?』
体と心が分離して、思いも寄らないことを口走り、実行する。
やめて。
こんなこと言いたくない。人を貶したりなんてしたくない。苦痛なのに、でも、どうしても、そうなってしまう。
誰も私を分かってくれない。いや、分からせたいのに、まるで誰かが私を操るように、口はやっぱり虚ろを喋る。
心と体が分離して、まるで、それは、映像の如く。私の意図しない、行動で、私の口は「愛しくない」と言う。好きな人でさえ、愛する者でも。
私は私は悪役令嬢。
誰かに操られた悪役令嬢。
そう世界が定めたのだ。
まさかこれ程見てくれる人がいるとは。
多い所に比べれば少ないかもしれませんが、僕はこれほどのポイントを貰ったことがないのでとてもうれしい限りです。感謝です。
因みにここからはきっと蛇足なので評価に含めないで頂けると幸いです。
令嬢というのは他人の娘を敬って言う言葉です。あんまり自分に向けて使う言葉じゃない気がします。まあ、伝わればなんでもいいんですけどね。
つまり、悪役令嬢とは「あそこの娘さん、ちょっと悪い子よね。」ということ…?