不思議なおまじない
昔 読んだ本の中 不思議なまじないがあった。
それはとても簡単で、心休まるおまじない。
その本の題名は 何だったか?蔵書を探せば 有るのだけれど もしかしたら 漫画の雑誌だったかもしれない
ならば それは無い!さすがにそこまで 置いたら 本の重さで 床が抜ける。
確か、樹には精霊が宿るという、そんな設定から始まる。内容は、不思議なファンタジーだったと覚えているだけ。
読む冊数がうおー、な私、印象的なセリフ、知識は取り敢えず、頭の中に入れておく。
そうでないと、気になった時に、興味対象の本を 蔵書からを探すのが大仕事となる。
思い出した。やはり雑誌だった。それも読んだの 大昔だな。今は廃刊になってるからね、その雑誌。
そのおまじない 何気に気に入り 今でも使う
少し表現してみよう。
――樹には精霊が宿る。精霊は悪いモノを浄化する、この世界、人々は何処かでそれを信じている。
彼女は、恋人と喧嘩をし苛立ってルームメイトのいる、自宅へと帰ってきた。
「おかえりなさい、どうしたの、苛立って」
ルームメイトは機嫌の悪い友を心配し、声をかけた。
酷い事を言われたのか、彼女は恋人を酷く罵る。罵倒する。
そして『彼なんか、死んでしまえばいいのに』と言うと、はっと口を手で抑えた。
その世界では、他者に『死んでしまえば』と言うと、己やその者に良くないものが、とりつくとされていた。
流石に言い過ぎた、彼女は顔を赤らめ木製のドアを、三回ノックする、コンコンコン、そしておまじない
「ごめん、今のは無しよ」
精霊はそれを浄化する。製品となっていても、樹には力が宿る。そんな世界のおまじない
――コンコンコンと、何でもいい、机でも、椅子でも、柱でも、三回ノック、コンコンコン
酷く人を心で罵り、嫌な気分になったとき、
「ごめん、今のは無しよ」
何か 心が軽くなるよな おまじない
死んでしまえばいいのに 思った事もある
それを呪いの様に、一人の時に言った事もある
そして、言ってしまって 本当に死んだらどうしよう と思った事もある
その時 コンコンコンのおまじない 他愛の無い おまじない
きっと 自分の心を 静めるための 言葉と思う
「ごめん、今のは無しよ」
不思議な おまじない。本当は そんな事を思わないのが 一番なのだけど……