第5話 なぜ、両親と姉は知ってる?
親友が知らない間に女の子なっちゃった。っていうお話、早くも5話目です。主人公としては混乱しつつも、その親友が可愛ければ、ちょっとうれしくなっちゃいますよね。でも、恋愛対象になるかというと、それは複雑です。冷静に考えれば、普通の女の子と恋をしたいでしょうから。その辺の葛藤を追っていきたいと思います。
来週も1話はアップしたいと思っています。
18才を超えている方に、お知らせします。ノクターンノベルスでもTS女子高生シリーズやっています。
食事のあと、智花は、どうしていいかわかんないという状況に陥っていた俊樹に
声をかけた。
「俊樹っ。久々に俊樹の部屋に行きたいっ。
話をしようよっ。」
「えっ?そ、そうだな。
(とにかく、話をしよう。
聴きたいことが山ほどある。
こんなに可愛い女の子を自分の部屋に入れるのはちょっと抵抗あるけど...)」
俊樹の部屋で向かい合う智花と俊樹。
智花は俊樹のベッドにちょこんと座った。
俊樹は勉強机についている椅子に座った。
智花の長い髪の毛は少しカラーが入っていて、ゆるくパーマがかかっていた。
服装は、ピンクのアンサンブルに白いひらひらのミニスカート。
細身の体によく似合っていた。
上から下まで、俊樹の好みの女の子そのものだった。
しかも、いい匂いがする。香水だろうか?
(可愛いっ、本当にトモなのか?
変な気持ちにならないように気をつけないとっ。)
俊樹は声を出した。
やや、冷たい口調である。
「えっと、まだ君がトモだって信じられない。俺はトモと何日か前に電話で話したけど、
そんな可愛い声じゃなかった。トモの声を出してくれ。」
「そう言われると思った・・・
私、・・・普段は男時代の声を出してないんだ。
俊樹と電話で話すときだけ、無理して昔の声を出していたの。
でも、もうカミングアウトしたから、男の声はもう出さない。
この姿には合わないもの。」
「・・・・・・(確かにこの可愛い女の子が男の声を出したら引くな)」
「その代わり、俊樹のことはなんでも知っているから、私が元友也だってこと
証明してあげる。
まずは・・・」
すくっと立ち上がった、智花は本棚のハードケースのついた分厚い図鑑を引き抜いた。
「あっ!」
智花はニコッと笑い、ハードケースの中からDVD数枚を取り出した。図鑑は入っていなかった。カモフラージュである。
「相変わらず、ここに隠していたんだ♪」
ハードケースの背表紙には確かに図鑑の名称が書かれていたが、DVDは俊樹の大好きなミニスカフェチ、制服フェチ関係のものだった。
俊樹は大きく口をあけてあっけにとられた。
「次に、俊樹が好きになった女の子の名前を小学校1年生から行ってみるね。
毎年のように好きな女の子変わったんだよね。
私も記憶がうろ覚えだけど、
1年のときは、みさきちゃん、
2年のときは、たまきちゃん、
3年のときは、ゆうなちゃん、
4年のときは・・・」
「わかった!やめてくれっ!勘弁してくれ!
信じられないんだけど、
わかった。
・・・トモなんだな。」
「よかった♡
信じてくれて♪」
智花は嬉しそうな顔になって、DVDを元に戻し、再びベッドにすわった。
「それにしても、なぜ俺に黙ってたんだ。俺、全然知らなかった。
内緒にされたことがショックだ。
ずっと、親友だっただろう。
それで、なぜうちの両親と姉貴が知っているんだ?
それも納得できない。
俺より早く知っているなんて・・・」
智花は下を向いてしゅんとなった。
「ごめんなさい。実は私、小学校の頃から女の子になりたい人間だったの。
でも、親友でも俊樹には言えなかった。
気持ち悪いって思われるのが怖かったから。
私、女の子になっても、男性のトモとして、できるだけ長く親友をやっていたかったんだ。
女の子になって、俊樹に距離を置かれたらどうしようって考えたの。
うっうっ うっ くすんっ くすんっ
うっ、うっ、うあーんっ!」
「おい!
泣かないでくれ!
俺が悪いような気がするじゃないか。
(そういえば
ニューハーフってホルモン投与のせいで
感情が不安定になるって
聴いたことがある!)
わかった、わかった、勘弁してくれ!
もう責めたりしないから!
で、何故うちの家族が知ってるんだ?
あと、女になりたくなった理由もわからん。
そこは教えてくれっ!」
「うっ、うっ、泣いてごめんね。
私のこと責めないなら、話すね。
実は私、小学校のときに女の子になりたいって、両親と姉に
カミングアウトした後、
うちの両親、そちらの両親に相談したんだ。」
「えっ、そうなのか?」
「もちろん俊樹には内緒ってことで・・・
あまりにも衝撃的だからっていうことで・・・
相談したのは、うちの両親の親友ってこともあったし、
俊樹のお父さん、大学病院の偉い先生を知ってたみたいで、
それで、力になってもらおうとしたんんだ。」
「そういえば、オレの父親の知り合いに
医大の教授がいるっ!確かに有名な医者だ。
そういうことか。
でも、姉貴は?」
「なんか、話を立ち聞きしちゃったみたいだよ。
なし崩し的に、教えることになっちゃったみたい。」
「そうなのか。
それで、俺だけ知らなかったんだ。
姉貴も教えてくれればよかったのに・・・」
「それから、昨年の夏に、俊樹の両親、九州に遊びにきたじゃない?」
「ああっ。覚えている。」
「そのときに、性転換したあとの私に会っているんだ。」
「それで、女になった友也に馴染んでいたのかっ。」
「あと、みずほさんだけど、
やっぱり去年、大阪で私の姉に会ったでしょ?」
「おおっ。」
「実は、私も大阪旅行に行ってて、みずほさんに会ってるんだ。」
「それで、姉貴も驚かないんだ。なるほどな。
やっと、謎が解けたっ。」
「次に女の子になろうとした理由だね。」
「おおっ。それが知りたかった。」
次々と明かされる智花の真実と事情。俊樹は前のめりになっていった。
現実世界で、女装した男の子が本物の女性に見えたりすることがあるのか?また、どんなタイプの男の子が性転換したら、普通の可愛い女の子に見えるようになるか?という疑問があります。漫画じゃあるまいし!という意見もありますよね。
私が、過去に経験した限りでは、
まず、体格です。できるだけ小柄で、華奢なタイプは有利です。本物の女の子に見える可能性が高い。
身長は160センチ以下が望ましいでしょう。身長が165センチ以上あると、
やはり、いろいろ難しい面がでてきます。
私の知っているMtF(男性から女性になろうとする人)で、可愛いなって思った人が二人ほどいるんですが、身長155センチくらいで、華奢でした。女性の服がぴったりなんですよね。それに、やはりちっちゃいと可愛い。
あと、顔は卵に目鼻という、特徴のない顔がいいんです。お化粧映えします。いわゆる彫りの深いイケメンは女性化に向いていません。鼻が高かったりすると、典型的な可愛い日本人の女の子にはならないんですよね。
あと、若さでしょうか。理想は10代。それも第2次性徴期の前なら、可愛くなれます。性同一性障害の治療ガイドラインでは、確か15歳からホルモン投与ができるそうですが、可愛さを維持するなら、また、可愛い女子を目指すのなら、中学のときは
なるべく、筋肉や骨格が大きくならないように、食事や運動に気をつけて、15歳になって、すぐホルモン治療開始がいいんでしょうね。体毛はレーザー治療でなんとかする。声は訓練である程度矯正できるみたいですが、必要に応じて、声帯を手術できます。でも、リスクがあるみたいなんですが。
男性から女性になるにしろ、女性から男性になるにしろ、やはり、素質が大事かなあって思います。素質は関係ない、自分の意思が一番大事って言う人もいるでしょうけど。素質を備えていた方が、いろいろスムーズです。