第3話 再会。いったい誰だ?
なんとか1日で3話発表しました。
友也が飛行機で到着する日がやってきた。
友也は朝一番の飛行機で福岡空港を出発、朝のうちに羽田空港に着く予定であった。
父親の正樹が、友也を一人で車で迎えに行った。
単に迎えに行くだけでなく、そのあと、転校先での手続きや、指定の店舗での制服の受け取りや
教科書の受け取り、
そして、友也のアパートの鍵を不動産屋から受け取る手続き等、さまざまな用事に友也の両親の
代理として付きそうことになっていた。家に到着するのは夕方になる見込みだった。
俊樹は自分の父親が友也の転校先を知っているのに教えてくれないのは何故なんだと
ちょっとイライラしたが
もうすぐ本人に聴けると思い我慢した。
当初、俊樹も付いていくと言っていたのだが、
父親から、それより、家の掃除や母親の買い物、食事の準備の手伝いをしなさいと指示され、
しかたなく付いていくことを諦めたという経緯があった。
父親から聴きだすのは面倒くさかった。
さて、自分の部屋だけの掃除でいいと思っていた俊樹は、家全部の掃除を手伝わされ、
食材の買い物もすることになり、けっこう大変な1日となった。
「俺の友達が来るっていっても、家族ぐるみの付き合いだもんな、ちょっとしたイベントだな。」
ため息をつく俊樹だった。
ちなみに、食事の手伝いは器用な姉のみずほが引き受けてくれて、その間俊樹は休むことができたのだが。
そして、午後5時過ぎ、玄関横のガレージに父親の車のエンジン音が響き、
家の中からも父親とお客さんである友也が
到着したことがわかった。
「あ、トモが来た。
俺、玄関に行くっ。鍵を開けるよ。」
(やっと、トモに会えるっ!いっぱい話がしたいっ!)
「あら、俊樹ったらトモちゃんに一刻も早くl会いたいのねっ。」と母親の美園が言うと、
「トモちゃんと感動の再会ね。おもしろそうっ。」と姉のみずほ。
なぜか、母親と姉も俊樹のあとに続いて、玄関に向かった。
俊樹は、(またトモちゃんだ。なぜ「ちゃん」なんだ。以前は「君」だったのに。
それにしても、全員で玄関に迎えに行くなんて、大袈裟な。
それに、なんか気になる冷やかし方をされたような気がする!)
と思った。
俊樹は玄関におりて、扉を開けて外に足をふみだす。
友也がいると思ったら目の前には迎えに行った父親が立っていた。
「おかえりっ。友也は?」と尋ねると、父親の正樹が自分の後ろを指差す。
そして、俊樹が父親の後ろに視線を移すと、
そこには、建物の陰から出てきた人影があった。
「えっ、友也・・・じゃないっ。」
視界に入った人物は、
ロングヘア、ミニスカのとても可愛い少女だった!
(あれっ、女の子だ!可愛いっ。
えっ、友也はどこだ?なぜ女の子がいるんだ?)
戸惑う俊樹は、呆然とそこに立ち尽くす。
そこで、目の前の美少女は、ニコッと笑ったかと思うと
「ひさしぶりっ、俊樹っ!」と抱きついてきた。
「ええっ!」と驚く俊樹の鼻を甘い香水の匂いがくすぐる。
そして、少女のやわらかそうな胸の膨らみが自分の体に当たっていることに
気づき、もう一度、「えっ!」と声をあげて戸惑う俊樹だった。
そのあと俊樹はまた驚く。
「あらあっ、トモちゃん、きれいになったわねーっ」
と母親。
「トモちゃん、おっぱい大きくなった?」と姉のみずほ。
(何だ、何だ、トモちゃんって、俺の友達の友也とは違う人物だったのか?
えっと、となると、このトモちゃんと呼ばれている女の子は誰だ?
あっ、まだ抱きついているっ。ど、どうしよう。俺には記憶ないけど・・・
でも、何かラッキーだ。
こんな可愛い子に抱きつかれるなんて
柔らかくて気持ちいいっ!
うっ、変な気持ちになりそうだ。
それにしても・・・
この子、久しぶりって言ったけど
幼い時にどこかで遊んだ子かなあ?
母さんと姉貴はよく知っている女の子みたいだし・・・
姉貴なんか以前のおっぱいのサイズも知っているみたいだ。
うーん、友也が来るはずだったけど、どうなっているんだ?)
俊樹の頭の中は??????となった。
「俊樹、予想以上にかっこよくなってる!
よかった!!うれしいっ♡」
抱きついた美少女は顔を上に向けてうれしそうにしていたが、どうしていいかわからない俊樹だった。
そして、
こっちはよく知らないのに、相手が自分のことを詳しく知っているようなのが、すごく不思議でもあった。
しかも、自分に好意を寄せている感じである。
ラブコメ漫画にある幼馴染の男女の再会のシーンみたいになっている。
相手の女の子は自分に初恋していたのか?
何がなんだかわからないという気分になった。
俊樹の母親の美園が声をかけた。
「さあ、感動の再会はいいでしょ?トモちゃん?
とりあえず上がって!積もる話はこれからしましょ。」
「はいっ。お世話になります。宜しくお願いします。」
トモちゃんと呼ばれた美少女はやっと、俊樹から離れて家に上がった。
(あれーっ、友也は?
もしかして、友也が来るって思ってたのは俺だけだったのかー?)
すごい勘違いをしたまま、今日という日を迎えたのか?と頭が混乱してまとまらない俊樹だった。
あらすじに書いたところまで持って行きたかったので、3話まで発表しました。
次回は準備でき次第です。