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第27話 ダブル告白

今回と次のエピローグでおしまいです。

読見続けていただいた方、ありがとうございました。

カラオケは盛り上がった。最初は、恐る恐る歌い始めた四人だが、

そのうちマイクを奪い合うようにして、次々と曲を入れていった。


料理も、たっぷり注文したが、

成長期の彼らの胃袋には簡単に入っていった。


3時間という制限時間は、たっぷりあるかと思われたが、みんな歌に夢中になっていて、

時間はどんどん過ぎていった。


「ねえねえ、ちょっと、トイレ行きたいんだけど、ちょっと付き合ってくれる?」


鈴音が智花に声をかける。ベッドルームを通ってトイレに行かなければならないのだが、

鈴音は一人で行くのが恥ずかしかった。


「うん、いいよっ。私もそろそろ行きたいところだった。」


ちなみに男性陣は、トイレはあっという間に済ませていた。

男性陣はベッドルームについて何もコメントしていなかった。あえて、触れないようにしていたようだ。


カラオケルームから出て、トイレで用を足した二人は、少しだけ、ベッドの上に腰をかけてみることにした。


「うわーっ。立派なベッドだあ。私たち4人で寝れるねっ。」


「鈴音っ。変なこと言わないで。」


「ふふっ。想像しちゃうよね?

ごめんっ。」


そこで、鈴音は智花に抱きついた。


「智花、ありがとうっ。

今日のダブルデートでちょっとだけ、雅人との距離が近づいたような気がするっ。

いろいろ勇気がでてきた。」


「そおっ?それはよかった。

盛り上がったしね。

お役に立ててよかった♪

・・・・・・

さあ、カラオケルームにもどろうっ。

ベッドで女の子だけで変なことしてたと思われるよっ。」


からかうように、鈴音を引き離すと、


「うーん、けち。

智花だったら、変なことしてもいいんだよっ。」


「私もそうかもっ。

ふふっ。

でも、今は普通の恋愛にがんばろうよっ。」


「うんっ。そうねっ。」


二人は、カラオケルームに向かう。


智花は、


(もうちょっとしたら、仕掛けることにしよう。


タイミングがむずかしいけど・・・


でも、やるしかないっ。


鈴音は距離が少し近づいたくらいで満足しちゃだめっ。


私は、爆弾をしかける。)


と心の中で、決意を新たにしていた。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


制限時間3時間のうち、2時間が過ぎ、ちょっと歌い疲れてきた4人であった。

予約していた曲を歌いきり、カラオケルーム内がすこし静かになった。

BGMはずっと流れているので、静寂というわけではないが・・・


「次は誰が曲入れる?」

俊樹が他の3人を見回した時だった。


そのちょっとしたタイミングを智花は逃さない。


智花は俊樹の席からすこし離れたところに座っていたのだが、

俊樹の席の横に来て、真剣な顔で、俊樹の顔を覗き込んだ。


そこで、はっきりとした口調で俊樹に声をかけた。


「俊樹、ここで、この間言おうとしたことの続きを言って!お願いっ。」



「えっ、なんのことだ?

続きって???」


俊樹は困惑した。


雅人と鈴音はいきなりの展開に驚くしかなかった。


二人の喧嘩が突如はじまったのかと思った。

何日か前の喧嘩を蒸し返しているのか?と推測してしまった。



「えっ?

あっ、もしかして、タイミングの話・・・か?

ここでか?

雅人と鈴音ちゃんいるんだぞ?」



「そっ、その話。

二人がいるから、逆にいいの。」



(ええっ?

なるほど

……わかった!そういうことか!


そっか、俺たちの話と雅人たちの仲をリンクさせるんだ。

すごいこと考えるな。

よしっ、乗った!)


俊樹は、わかったとばかり黙って、智花に向かってうなづいた。


智花はその目を見て、ちょっとだけうなづき、お願いという目でアイコンタクトする。


俊樹が口を開く。


「智花、いままで曖昧にしてたけど、ここではっきりさせる。

雅人と鈴音ちゃんには証人になってもらおう。

俺は、君が好きだ。もうただの幼馴染ではいられないっ。

俺の彼女になってくれ。頼む。」


俊樹は、智花に向けて、頭を下げた。


雅人と鈴音は、突然、目の前で告白が始まりに固まってしまう。

開いた口がふさがらない。



「俊樹、ありがとうっ。

そのことば待ってた。

ずーっと、ずーっと俊樹のことが好きだった。

もう離さないからね。

俊樹の彼女の座は誰にも譲らない。

今日から私は俊樹の彼女になる。」



「こちらこそ、ありがとう。

大好きだ。」


俊樹は、智花の手を強く両手で包んだ。


そこで、智花は立ち上がった。

そして、俊樹にも立ち上がるように求め、手を引っ張った。


「俊樹、ちょっと隣の部屋に行こう!」


びっくりしたのは鈴音である。

「智花、ま、まさかっ!」


すかさず、智花が返す。

にっこり笑い、

「エッチはしないよおっ。さすがに、そんなことできないっ。

でも二人きりになりたいっ。20分ほどしたらもどってくる。

キスくらいはしてもらうかもね。

さっ、俊樹行こうっ。時間がないよっ。」


「えっ、あ、ああ。」


智花に引きずられるようにして、隣のベッドルームに消えていく俊樹。


カラオケルームには、雅人と鈴音だけが残った。


「いいなあ・・・」寂しそうに小さな声で呟く鈴音。


そのときだった、鈴音の小さな手を雅人の大きな手が握った。


「俺も決めるぞ。


俺も男だ。


鈴音。俺は幼い頃から、ずーっと君が好きだった。

他の女の子なんて、全然目に入らなかった。

でも、なんか、鈴音はなんとなく俺に冷たい気がして、ちょっと告白する勇気がなかった。

でも、もうがまんしないっ。

俊樹たちを見てたら、もう躊躇なんかしていられない。

気持ちをストレートにぶつける。

俺とちゃんと付き合ってくれ!俺の彼女になってくれ。」


「ま、まさとっ・・・。ほん・・・とうなの?本気?」


「大真面目だ。本気に決まってる。」


「うんっ。私、雅人の彼女になるっ。ありがとうっ。」


鈴音の目は真っ赤だった。鈴音は雅人に抱きついた。


小柄な鈴音は雅人の体に包まれていた。


(鈴音の体ってちっちゃいなあっ。そして、柔らかい。

これからは俺が守っていかないと・・・)


しばらく、鈴音は雅人に抱きついたままだったが、

雅人の胸から顔を起こし、雅人の顔を見上げる。

そして、目をつぶった。


「鈴音・・・好きだ。」


雅人はゆっくりと自分の唇を鈴音の唇に重ねた。



一方、智花と俊樹である。

二人は、すでにベッドの上で、何度もキスを交わしていた。


二人ともキスだけで十分満足していた。

それ以上のことについては、智花が一人暮らしをしているので、いつでもできるという余裕があった。


そもそも、すぐ近くに友達がいるのに、エッチなことをしようとは思いもしなかった。


俊樹がつぶやく。

「それにしても、すごいこと考えるなあ。

驚いたよ。

でも、何とか意図がわかってよかった。

この段取りはこのあいだの夜から考えてたんだよな。

ラブホテルでカラオケやることもすごいけど。

こんな、仕掛けを考えるなんて、想像できなかったよ。


雅人たちも驚いただろうなあ。

それにしても、二人はうまくいってるかなあ。」


「協力ありがとう。

絶対、うまくいってるはず。

雅人くん、俊樹と私の関係を自分たちに置き換えて考えるはずだもん。

私の感覚では、きっかけがないのが問題だったんだ。


ちょっとすごいことしちゃったけど、二人にとって、くっつくための起爆剤になったはず。

二人は恋人になったと思う。


そろそろ、カラオケ部屋にもどって確認しようよ。」


「そうだな。あいつらは幼馴染できっかけが必要だったんだもんな。」

(俺たちの場合は、それに加えて、元男同士というとんでもない過去があるから、さらに

むずかしかったんだけど、もう割り切った。

今の俺にとっては、智花は純粋に女の子だ。女性なんだ。)


俊樹たちが部屋に戻ると、雅人と鈴音は手をつないでいた。

なんとなく二人とも顔が赤かった。


鈴音が智花に恥ずかしそうに話しかける。

「智花、私、雅人の彼女にしてもらっちゃった♡

うれしい・・・」



そこまで、聞いた智花は鈴音に抱きついた。


「よかったね!

ほんとうによかった!うぇーんっ!」


智花はいきなり泣き出してしまった。

計画通りに事が運んだのだが、

雅人が鈴音に告白するかどうかは賭けに近いことだったのだ。


一人で考えた、仕掛けのあるシナリオ。

実は不安要素はいっぱいあり、うまくいかなかった時のことをずっと恐れていた。

だいたい、ラブホテルに入るっていうアイディアからして、突飛だった。

安心したせいか、もう涙が止まらなくなっていた。


鈴音もまた泣き出す。

「智花、ほんとうに智花のおかげだよ。

ありがとうっ。ありがとうっ。大スキッ!

智花と友達になれてほんとうによかった。

智花がいなければ、こんな展開にならなかった。

ほんとうにありがとうっ。」


二人は抱き合いながら、しばらく泣き続けた。


雅人と俊樹は、温かい目で二人を見守った。

こんな展開想像もしなかった。ドラマみたいだ。

二人は心の中で思った。


そして、制限時間いっぱいになる直前に4人はラブホテルから出て行く。

智花と俊樹、鈴音と雅人は手をつなぎ、幸せいいっぱいの顔で街中に

もどっていくのだった。


二組の幸せなカップルが誕生していた。

幼馴染みで、距離が近いんだけど、なかなか恋人になれない高校生というのを

テーマにしてきました。

なんとか、終わらせることができました。

起承転結っていうのは難しい作業です。

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