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第16話 小悪魔、おせっかい女子に振り回される。

可愛い女子高生は、自分が男子から見られるという感覚をよく知っています。

気づかないふりをするというか、なるべく目を合わさないように、ツンとするタイプもいれば、目を合わせてニッコリ笑みを返す子もいます。

持てない男子については、後者の子は勘違いさせる子であり、ちょっと困りもんですよね。

そんな話です。

新学期が始まって、数日たち、俊樹のクラスの編入生の双葉ふたばあやめは、着々とクラスの仲間の好感度を上げることに成功していった。

ターゲットはまず女子生徒。


最初に、真面目そうな委員長タイプ。

次に、運動部系で学校全体にパイプをもつような元気系女子。

そして、クラスのアイドル的なおとなしめの可愛い系女子。

やや不良っぽくみえるなんちゃってはみ出し系女子(実は真面目だったりする)。


彼女たちに積極的に話をかけ、男に媚びないさっぱり系女子をアピール。

女子の世界に足場を作っていった。


その間にも、次々と男子生徒は声をかけてくる。

やはり、リア充系の運動部系男子(俊樹の友人の健二はここに属している)は軽い感じで近づいてくる。

また、運動部ではないが、生徒会等で活動している発言力ありそう系男子も。

そして、ちょっとおとなしめのオタク系男子なども次々と何かを口実に話しかけてくる。


(そうこなくっちゃ。

だって、私は、どう考えたってこの学校で可愛い部類にはいるもん。

無理に可愛い子ぶらなくても、男子はみんな気になってしょうがないはず。)


あやめは満足そうに教室を見回す。

その時だった。

彼女は気付いた。

(誰、あの男子?全然気づかなかった!私に声かけてきてない!

そんなばかな!)


あやめは、自分とまったく接触のなかった男子の姿に釘付けになる。

そんなイケメンではない。だからといって、ブサイクでもない。

中の上くらいのごくふつうの男子である。

あの程度の男が私に、言い寄ってこないなんて考えられないと思った。


あやめは早速すぐ近くにいる女子、後ろの席に座る絹川さや(きぬがわさや)に声をかけた。

席が近いので、すぐ仲良しとなっている。


「あの男の子って、話したことないんだけど・・・誰?」


「えっ?あやめ、気になる?」

さやは、馴れ馴れしく呼び捨てにしてきた。

かなりフレンドリーなタイプで、

あやめにとっては重宝する女子だった。


「あっ、気になるっていうんじゃなくて、クラスの人の名前全員覚えたいから。」

特定の男子に興味あると思われたら困るということを強調するあやめだった。


「ふーん?彼は、立花俊樹くん。軽音楽部でギター弾いているよ。

昨年の文化祭では活躍してたなあ。

なんか、組んでいるバンドのボーカルが抜けちゃって、バンドができないって嘆いてた。

ごく普通の男の子に見えるけど、演奏している時ってかっこいいよ。

確か・・・彼女はいないはず。

けっこうお勧めの物件だから、もし気になるなら協力するからね。」


(だから、そういう興味はないって!)


あやめはさやにちょっと怒りを覚えたが、こういうお節介焼きの女子は適当に扱うのが一番だと

考え直し、

「ありがとう。これでクラスの情報が増えた。」

とニコッと笑顔で返す。


「うん、ほかにも教えて欲しいことあったら、聴いてね。」


うまく会話を終えた。よしっ。とあやめはほっとした。


それにしても、彼女がいないくせに私に挨拶がないなんて、許せない。

ちょっとだけ思わせぶりしてみるか。とあやせは伝家の宝刀を抜くことにしてみた。

つまり、前の学校でよく使用していた方法で、

目を合わせ、興味があるふりをするという技を

使うことにしてみた。

(この技はなるべく使いたくないんだけど、ちょっとだけ使ってみよう。)


そのあと、あやめは、休み時間等を使って、何かと俊樹のほうに顔を向け、目を合わせるように

努力した。

瞳が大きく、まつ毛も長い彼女に見つめられれば、大抵の男子は気付いて、目が合うのだ。

目があって、どぎまぎするのは時間の問題と思っていたのだが・・・



(何、あの男!全然目が合わないじゃない!目が付いているの?)

なんと、数日間経過したが、あやめの必殺技はまったく通用しなかった。

俊樹はまったく気づかないのである。


そのころ俊樹の方は

(うーん、智花とデートする日が決まらない。

あいつ、早速部活で忙しくなってるもんな。


そういえば、デートじゃない。親友同士だから、単に遊びに行くだけだ。

どうも調子狂うな。

それにしても、昨夜家に来た時の制服姿よかった。

チェックスカートの丈は絶妙だった。

あの制服はまじ天使だ!


俺も、部活でのバンド活動本格化するかなあ。

ボーカルが決まらないから、やる気しなかったけど、

誰かにボーカル頼むかなあ。)

なんて考えていた。


そう、

彼はただのミニスカ好きのフェチ少年ではなかった。

バンド少年でもあったのだ。



(信じられない。こんなに見てるのに気づかないなんて!

超鈍感めっ!)

あやめはじっと俊樹を見つめながら、呆れるどころか怒りを覚え始める。


その時だった。あやめは気づく。

3人の女子が自分を観察していることを。


「あやめ、やっぱり気になるんだ!」絹川さやがからかうように声をかけてきた。

「気に入っちゃったの?」お調子ものの小川愛佳おがわあいかが興味深そうに質問してくる。

「もう好きな人ができたの?積極的!」島田唯しまだゆいが驚くように意見を投げかけた。


(あっ、しまったー!どうしようっ!私としたことが、油断した!)


さやが指摘する。

「私、あやめの後ろの席だから気付いてたんだけど、最近ずっと立花君をみてたでしょ?

気付いてたんだ。」


あやめはしどろもどろになった。

「あ、実は、ちょっと知り合いと似てたから、どこの部分が似てるんだろうって思っちゃって。」


「もしかしたら、前の学校で好きだった人に似てるとか?」

あやめの必死のいいわけに、愛佳がとんでもないツッコミをしてきた。


「いや、そうじゃないけど・・・」

(どうしよう?下手なことを言えないよ。)


「まあまあ、私たちに任せてよ。話すきっかけつくってあげるから。」

唯はさらに余計なことを言い出した。


「いや、その・・・」

会話を続けようとしたのだが、授業が始まる音がして、さやたち三人組はそれぞれの席に戻ってしまった。


(う、ど、どうしよう。)

あやめはうろたえるしかなかった。


そして、その日の授業が終了したあと、クラスで臨時のホームルームが開かれた。

体育祭と文化祭の実行委員を決めるためであった。


まず、体育祭の実行委員を選び始めたのだが、これがなかなか決まらなかった。

男子1名、女子1名ということであったのだが、立候補者も推薦もなかなか出てこなかった。

しびれを切らした教師が、運動部のレギュラー格の男子1名と女子1名を強引に指名し、指名された両名がしぶしぶ引き受けるということになった。

そして、次に文化祭の実行委員選びであった。やはり男女1名づつである。

また、難航するのかなと思った時に、生徒の中から手が上がった。

俊樹だった。

司会者の委員長にむかって、声をかける。

「文化祭の実行委員は俺がやるよっ。去年もやったから、大体コツはわかる。実は生徒会からも頼まれてたんだ。」

教師も、委員長もほっとする。


次に女子の委員選びであった。

手があがった。絹川さやであった。

委員長が喜びの声をあげる。「絹川さん、やってくれるの?」


さやは立ち上がって答える。

「違います。推薦です。

女子の実行委員として、双葉あやめさんを推薦します。

彼女、編入してきたばかりですが、ここ1週間、みんなに声をかけて、コミュニケーション能力高いと思いました。他のクラスの人とも絶対うまくやっていけると思います。」


驚いたことにさやと仲良しの小川愛佳と島田唯も立ち上がった。

「私も適任だと思います。明るくて社交的です。」

「学校始まって1週間ですが、きめ細かいところまで気付く人です。

双葉さんは、誰とでもうまく話ができる人で、何事にも積極的です。推薦します。」


驚いたのはあやめだった。

後ろの席を振り返り、小さな声で

「どうして?」と聴くと、

「立花君と話ができるよ。チャンス到来!」と小さな声で返してきた。


(うわーっ、誤解だっ。私、立花なんて、眼中にないのにっ!)


結局、3人の女子が推薦したことにより、女子の実行委員はあやめに決まってしまった。


(ど、どうしようっ。逃げられないっ!)


あやめは、ホームルームが終わったあと、頭を抱えてしまった。

あやめの本心を知らない推薦した3人が近づいてきた。

さやがにっこりして話しかけてきた。

「ナイスフォローでしょ?がんばってね!実際の仕事はあいつに任せればいいから。」


(誤解だよっ。なんてことしてくれたのっ!)と言いたかったが、けんかなどしたら、自分の計画が破綻してしまうと、あやめはギリギリ耐えた。

「文化祭の実行委員ってちょっと自信ないけど、がんばってみる。他のクラスや別の学年の人と仲良くなるチャンスだし。」

無理をして笑顔で答えた。


でも、さやは流さなかった。

「それに、立花君と話すチャンス増えるしね?」


「いやっ、立花君のことは別に好きじゃないよ。」


「またまたーっ。よし、話の続きは場所を変えてしよっ。駅前のコーヒーショップにみんなで行こっ。」


「いやっ、本当だって。」


「まあまあ。」


結局、俊樹のことを好きだと思われたまま、女子数名と駅前のコーヒーショップに向かってしまうあやめだった。


(誤解されているーっ!なんとか誤解を解いていかないと。)


でも、他人の恋バナが大好きなクラスメイトに対し、説明するのはかなり困難なことが予想され、

どっと疲れを感じてしまうのであった。


一方、俊樹の方は、軽音楽部の部室に向かっていた。

昨年バンドのヴォーカルが脱退してしまい。新しいヴォーカルをどうやって決めるかを話し合わなければ

ならなかった。

(女性のヴォーカル、見つけないと!)

脱退したボーカルは3年生の女子で、受験勉強に集中するためにバンドをやめたのである。

俊樹のバンドは女性ヴォーカルを前提とした曲を作っており、

新しく募集するヴォーカルは女子生徒でなければならなかった。



本日、できれば、もう一回更新します。


なお、この作品が完結したあとは、TS社会人シリーズの構想を練っています。

高校生と違う性転換した男性のまじめな話を考えています。

楽しみにしてくださいね。

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