第13話 智花の新学期 親友がいきなりできちゃった。
2016年最初の更新です。
次の更新は16日か17日あたりです
4月が来た。
ついに智花の新しい高校生活が始まった。
智花は朝早くから編入学した花園女子高校の教室に来ている。
その理由は・・・
遅く行ったら、同じクラスになる生徒たちから注目を浴びてしまう。
その注目具合を少しでも下げるためだ。
中途編入だから、
「誰、あの子?」という目で見られるのはほぼ間違いない。
今まで違うクラスであったとしても、1年同じ学校に通えば、
一度も話したことはないといっても何となく見たことのある生徒というのはわかる。
智花の場合は「絶対見たことない。編入生だ。」という目で認識されるはずだ。
おまけに制服は新品である。
ちょっとした、制服のしわぐあいとか使いこなし具合で違和感ありありだろう。
だから、朝早く、教室にはいり、登校してくる女の子一人一人挨拶をして、その違和感を減らす作戦だった。
でも、早すぎた。生徒たちが通常集まる時間まで、1時間以上ある。
「あーあっ、暇だ。学校の中うろうろしようかなっ。
でも、その間にクラスメイトが来たら、意味ないなあっ。」
自分に呆れて、独り言を漏らした時だった。
入り口がガラガラっと開けられて、元気のいい声が聞こえてきた。
「あれっ、もう来ている子がいるっ!
残念、負けたーっ!」
小柄で、華奢だけど、声の感じから活発そうな女子だと感じられた。
顔は整っており、かなり可愛い。
ちょっと幼い雰囲気があり、抱きしめたくなる容姿だった。
智花は席を立ち、「おはようございます。編入生です。九州からきました。よろしく・・・」
お願いしますと言おうとしたところ、
最後まで言えなかった。
なんと教室に入ってきた女子がすごい勢いで抱きついてきたのである。
「ラッキー、すごい美人!友達になってーっ!」
ロングヘアから漂うシャンプーの香りと、柔らかな体の感触で戸惑う智花だった。
華奢と思ったが、胸は大きいようで、抱きしめられた時にその胸が強く主張していたのを感じた。
着痩せするタイプの巨乳だった。
「あっ、あのお・・・。」
「私、清瀬鈴音。編入生だよねっ。事前の情報あったから知ってる。
こんなすごい美人だとは思わなかった。
私、可愛い女の子大好きなのっ。
アイドルみたいな女の子と友達になりたいって思っていたんだけど、これはチャンスっ。
私と友達になって!」
「私、佐藤智花。編入生です。九州から来ました。よ、よろしくっ。
積極的なのね・・・。」
「実は、2年生になる前に、クラス編成について発表があったんだけど、仲のいい子が新しいクラスに
一人もいないことがわかって、どうしようかと思ってたんだ。
こうなったら、朝早く行って、人が少ないうちに仲のいい子みつけようって思ってきたの。
そしたら、智花ちゃん?がいたーっ。ラッキー。」
鈴音はまた抱きつく。可愛らしいペットみたいだった。
でも、彼女は可愛いだけではなく、エッチだった。
「さて、友達になった記念に、スキンシップ!」
鈴音は、右手を智花のヒップに手を回し、さわさわとヒップを撫で回した。
「きゃあっ!」智花は悲鳴をあげて、鈴音を突き放す。
「な、何をするの?」
「女の子どうしの親密な挨拶よ。女子高では当たり前なの。知らなかった?」
(そんなばかなっ。でも、もしかして・・・)
「ごめんね。お詫びに、」
鈴音はいつの間にか智花の手をとって、自分の胸に当てていた。
ふにゅっとした感触が手のひらや指に感じる。
「ええっ!」
「揉んで♡」
「いいのっ?本当!」
10分後、二人は笑いながらおしゃべりをしていた。
もう、意気投合していた。二人は名前を呼び捨てで呼び合う仲になっていた。
まだ、他のクラスメイトは来ていない。
「それにしても、智花ったら、私の胸をあんなに揉みまくると思わなかった。
他人にこんなに揉まれるなんて初めてだよ。
変な気持ちになっちゃったじゃないっ。
びっくりした。」
「だって、鈴音がいいっていったんだもん。
触り心地がよくて、いっぱい揉んじゃった。」
「智花のも小さくはないよねっ。けっこうあるよ。」
「私はCカップだけど、鈴音はもっと大きいよね?」
「うん、Eカップ。」
「なら、揉ませてくれないと♪」
「その理屈、変!
まあ、最初にお尻触った私が、火をつけちゃったから悪いのかもしれないけど。
まさか、こんな美人が変態だったとは思いもしなかった。」
「私のこと嫌いになった?」
「全然、もっと仲良くなって、体の隅々触りまくっちゃうから。
私も変態なんだ。」
「うわーっ。根性入ってるのね。」
「うん、覚悟してね。」
「わかった、私も触りまくっちゃうよ。」
二人は笑顔で軽口を交換した。
もう親友といっていいくらい打ち解けていた。
「ところで、智花は部活どうするの?」
「2年生からだから、今更はいるのは無理かなあ〜」
「もし、決まってないなら私の入っている漫画アニメ研究部にはいってよ」
「え、え〜?私漫画描けないけど。小説なら趣味で書くけど。」
「シナリオ書けるんだよね。なら、漫画やアニメのストーリーつくってよ」
「それならできるかも」
「じゃっ、決まりねっ。」
そこで、ガラガラっと教室の扉が開き、
「おはようっ」と数人の女子生徒が入ってきた。
鈴音は積極的に話しかけていく。
「私、1年の時、C組だった清瀬鈴音。よろしく〜。
あっ、この子は九州から編入学してきた佐藤智花ちゃん。
全然学校のことわからないだって。
教えてあげてね。」
「九州から来たの?
明太子、豚骨スープの話聴きたいっ。」
「私はハウステンボス!」
「私は、阿蘇山!」
次々、女の子たちは会話に入っていく。
「あっ、九州のことなら任せて!
いろいろ話すねっ。」
まるで、初めてあったとは思えない感じで、会話が盛り上がっていく。
(清音と友達になって、よかった。
なんとかクラスメイトに溶け込めそう。)
何と言っても、学力がある程度高い有名なお嬢様学校だった。
人格的にまともな子が多く、容姿も評判通り高い子が多い。
話すきっかけさえつかめれば、別に話し下手ではない智花はあっという間に
ほぼ全員のクラスメイトと話をしていた。
「智花って、コミュ力高っ!
すごいよっ。
智花って、美人だから、みんな友達になりたがってるよっ
私、智花のあとくっついていこっ!」
「何言ってるの?
そんなことないよっ。
清音の明るい感じは、みんなから好かれそうだから、私、うらやましいよ。」
「そっかなー?
へへっ。明るいのは取り柄だからね。
とりあえず、お互いにクラスのみんなと打ち解けることができてよかったね、
智花。」
「うん、ありがとっ♡」
初日に親友ができたーっとうれしくなる智花だった。




