解放されたい
脳天を拳銃で撃ち抜いた。
その一瞬後、脳しょうが飛び散る間際に聞いてきた。
「これで解放されたかい」
僕はそれに満面の笑みで肯定の意を伝える。だって僕は解放されたんだから。その証拠に脳しょうが飛び散っている。
「けど、解放されたってまた何かに束縛されるよ」
脳しょうはそう言い捨てて何処かに消えた。そんなものは脳しょうの負け惜しみだ。だけども消えたのは僕の方かもしれない。僕は確かに解放された。その次の日、また何かに束縛され抑圧を覚えた。
あゝ、僕は解放されたい。その為の銃はもうない。