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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

掌編

It is apart.

掲載日:2013/08/31

 



 ミニチュア携帯の携帯ストラップ。きみの携帯のミニチュアの。


 少しでもきみを思い出したいなんて。

 何て。

 何て女々しい。




「空、青いわぁ」

「東京ですがね」

「いやいや。東京だからこそっしょ。本当はこんな淡くないのよ?」

 知らないでしょ、と、きみは笑った。

 突き刺すように濃い色を誇示してるのだ、ときみが語った。




 薬品の鼻に纏わり付く臭いがウザくて。

 きみの匂いが掻き消されることに苛立った。

「そろそろ…」

「要りません」

「しかし、」

「必要無いです」

 リノリウムの床が面白い訳じゃないけど。

 きみを待つ間に暇潰しはしたくない。きみとの時間は待つ間でさえ大切で大事だから。

 きみと医者の会話をBGMに。睨み付ける。悪いのは汚れ白んだリノリウムの床じゃない。


 誰も、何も悪くない。




 今、きみとの会話は何一つ成立しない。きみは、残像と紙の存在になってしまったから。

 今だ外せないミニチュア携帯の携帯ストラップ。

 きみを忘れられない。変わらず日常をきみを空白のままに続けているくせに。不意に、そのテンポが崩れて逝く時が在る。

 大概夜で、涙が溢れ眠れなくて。止めどなく流れ去る涙に目が痛む。腫れた目を放置して寝ようとするけど叶わなくて目は開けっ放し。


 こんな泣き虫じゃなかったのに、なんて。


 きみの声がする。


 この手が届かなくても。


 きみの存在を感じてしまうからか。


 だから、泣いてしまうんだよ、と。

 抗議は未だ、聞いてもらえない。







   【Fin.】

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