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ワールドチェンジ  作者: シュン
エピローグ
14/14

ワールド・トリップ

『世界を救ったのは見事だった。魔法は返して貰うぞ』


 女神の声が、何もない空間に響く。


「で、僕は帰っていいの?」


 最初は敬語で話していた気がするが、もう忘れてしまった。

 チィは、僕が背負っているリュックの上で、僕の頭の上に手を乗せている。

 そして、僕と女神の会話を聞いているようだ。


『別に構わんが、その場合はその子を置いていってもらうぞ?』

「その場合? 他に何があるの?」


 女神は、よく聞いてくれた、なんて表情で語り出す。


世界旅行(ワールドトリップ)。これをすればいい。これは一種のゲームだ。その世界でのノルマを達成するごとに、次の世界へ移っていく。大抵、次元の乱れを補正するようなものが、ノルマだがな。それができるか試したわけだ」

「つまり、あれは偽りの物語?」

『そういうことだ』


 試練を乗り越えたものだけが行ける、ゲームか。


「うん、分かった」


 それだけ言ったが、女神は言葉の意味を理解したようだった。

 僕がこのゲームを行うわけは、単純に現実に戻っても楽しくないから。

 家族もいなければ、友達もいない。作る時間がなかったわけだけど。

 それに、チィとも離れたくない。


『なら、早速行ってもらうことにしよう。始めは、魔法の世界だ。子供に偽りを見せ、兵器として活用する世界にな。その他のことは、現地で知れ』


 それだけだった。例によって、僕は眩い光に照らされる。

 まず、目に写ったのは、都市だった。

 自動車の排気ガスの臭いが漂い、高層ビルが乱立する。

 忙しなく歩き回る人達や、賑わい始めた飲食店。どう見ても、現実の世界だ。

 背後には、オレンジ色の海が広がる。


「ますたー、これからどうするの?」


 リュックから頭に這い上がってきたチィに、目を塞がれる。


「うーん。とりあえず、リュックを消せる? それで、いつでも出せるようにできる?」


 都市のど真ん中でリュックだと、結構目立つ。変人扱いとまではいかないと思うけど。


「よゆうだよ!」


 背中からリュックの重みが消える。通行人が数人驚いて僕に目が止まる。


「ありがとね。じゃあ、行こうか」

「どういたしまして、だよ」


 僕らは街の中へと、新たな一歩を踏み出す。


終了致しました。微妙な終わり方ですね、すみません。


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