空の色
「うわぁ、きれい。」
部活帰りの、夕焼け空。雲と夕日がけして絵の具では出せない澄んだ色を成していた。
学校からの帰り。私の隣には最近彼氏ができた友達がいる。
私の周りでは、今たくさんの人が恋をしている。
実る人もいれば、終わる人もいる。
でも、私にはその「恋」という感情が分からなくて。
だから、私は「あの人」へ向けられるこの気持ちをなんて、表現したらいいか分からない。
友達に言わせると、
「恋ってのは、分からない感情のことを言うんだよ。」
だそうだ。
確かに、「あの人」への感情は分からない。
好きでもない。嫌いでもない。
傍にいてくれると嬉しい。でも、普段は意識はしていない。
でも、分かっていた、
彼が、私の中で特別な存在になっていること。
部活のとき、ホームランを打ったときのあの嬉しそうな笑顔。
私は、それだけの動作で胸が高鳴ってしまう。
「じゃぁ。また明日。」
私が歩いていると、隣を自転車で走り抜けていく。
あなたが口にする言葉で、声で、
特別な存在。ただそれだけなのだろうか。
あれから、どのくらいたったのだろう。
私は、また同じ道を歩いていた。
隣には、私の気になるあの人。
「今日は、一緒に帰ろうよ。」
初めて、一緒に帰るこの道。
あのときの同じ夕焼け空。でも、所々あの時の違う。
少し、夜を思わせる「青」が混ざっている。
その色は、彼の色。
私にさまざまな変化を与えてくれる彼。
「みな。」
彼の声。私は、はっとして振り返る。
さっきから、ずっと夕焼け空を見、彼のことを考えていた。
「俺、お前のことが好きだ。」
彼からの告白。
私はなんて返事したらいいかわからなくて。
「・・・。」
夕焼け空が、少しずつ「青」の世界に染まっていく・・・。
読んでいただきありがとうございます。
少し、意味が分からないかもしれませんが、多めに見てあげてください。