表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

4/41

3 命づなと遺跡と毒矢

++++2025年5月5日午後3時ころ++++


「万が一の事もある。ロープを体に巻き付けておこう」などと、準備万端の俺は顔を渦に近づけてみると・・<ユラユラ>という空気が揺らぐ感じがした。


顔を異空間に入れると・・「涼しいなあ。暗いなあ」と言葉を発するが、洞窟?家屋?薄暗いが無臭の空間だった。


意を決して頭を突っ込む~ひっこめる・・「眩しい!」「暗い」「眩しい」こんな実験を繰り返すうちに慣れて警戒心が薄れていった。


<ソロリ ソロリ>半身入って~戻る~全身入って戻る・・


<ワンワン>と愛犬ポチが心配そうに吠えるので・・「お前も来るか!」と言い、首輪を外す。


「おじゃましま~す」と、全身で異空間に入り数歩進んだ時だった・・


<グルルルル~>とポチが前方に向かって吠えるのだった。


<ワン! ワン!グルルルル~> 鳴き声が壁に反射するのか、耳がくすぐったい感じになる。


「射撃場の壁の様な感じなのかな?」等と横を<キョロキョロ>と見渡していた時だった・・


<キャン!>と言う声に気が付いてポチを見ると、愛犬の体に【矢】のようなものが突き刺さっており・・<ワン!ワン!ワン!>と前方の【何か】に向かってけ、たたましく吠えるのだった。


俺は危険を感じて・・「ポチ!逃げるぞ!」と言いながら渦に飛び込むが・・


ヨロヨロと渦から出て来たポチは<バタリ>と倒れ、それっきり動かなかった。


+++2025年5月16日午後5時ころ++++


<プルルルル>と事務所の電話が鳴る・・「佐藤さん。頼まれたサンプルだけど。あれ何処で入手したの?」という声が聞こえた。


俺は愛犬の命を奪った矢に付着していた【緑の粘液】が毒だと思い、念のため県の機関に照会したのだが・・


「所長が興味を持ってね!国の機関にも照会するってさ。ガスクロマトグラフィーでも解析できない未知の元素があるのでは?だって」と言う結論だった。


俺は、洞窟で愛犬を狙った【何か】がどうしても【ゴブリン】に思えるのだった。


「漫画であるまいし!でも最後に目が慣れて・・小鬼っぽい何かが小さいカラダで弓を持って・・」等と思い出していると・・<沸々>と何かが自分の中に沸き出す感覚を覚えたのだった。


「あ・・これって【怒り】だ。忘れていた!」人は高齢になると、誰もが【温厚】になる。

俺は愛犬を失ったおとにより【怒り】を何十年かぶりに感じていたのだった。


「ポチの仇を討たねばならぬ!」・・俺は仕事が終わると【武器屋】では無く【ブッキオフ】もとい【ブッ〇オフ】という本屋に走り【異世界ファンタジー】を買いあさったのである。


ラノベの知識ではゴブリンにはアーチャー(弓使い)ライダー(狼乗り)マジシャン(魔法使い)ソルジャー(剣士)ジェネラル(大型種)キング(強化亜種)などがおり、60歳のジジイでは相手にならない事が判明したのだった。


「しかし!ここで諦めたら男が廃る!」俺は翌日、管内の鶴亀警察署に【銃保管庫申請】に行くことにした。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ