33 日本ならば違法な【連れまわし】として通報されるであろう!少年少女との旅。
<もしゃもしゃ> 「うんめ~」 <ガツガツ> 「これ美味しい!」
「ワハハ!金は有る!たんと食ってくれよ」と調子の良い俺!
ギルドで同期登録した少年少女らが、空腹で元気が出ないのを見かねて・・
「屋台で串焼きを奢ってくれてアリガトな!」と、リーダーっぽい少年が言う。
「ねえオジサマ~私の何処が気に入ったの~」と、明るい性格らしい女の子が軽口を言うので・・
「私は引退した商人なのですが、冒険者となり依頼を受けてみたかったのですよ!」と答える。
「僕たちは【ゲルマニア】にある村から【口減らし】で冒険者になるしか無かったのです」と、賢そうな少年が答えると・・
「「「「・・・・」」」」 しばし 無言
「ウッ・・あ!そうだ。君達は私の【護衛】をしないか!報酬は銀貨1枚でどうだ?」と言うと、最年長らしき少女が・・
<ゴホン> 「4人で1セステルスずつの報酬が通常ですから、銀貨1枚は妥当な金額です」と、冷静に答えるのだった。
+++それからどうした++++
<ガタン ゴトン> 「ヒュ~空が青いゼ!」と馬車に揺られて上機嫌な俺!
定番の【採取】を体験するべく、少年少女4人をはべらせて~馬車で採取地に向かうのだった。
「お金があると風景も違って見えるのですね・・」と、賢そうな少年が言うので・・
俺が「そう言えば君達は、学校へは通わなかったのかい?」と聞くと・・
「学校?ああ・・神殿では5~6歳の頃に読み書きを教わったよ」
「私は家の手伝いがあるので、友人から勉強を聞いた」
「僕は、写本のアルバイトをして学びました」
「私は・・なんとなく覚えた・・」
それぞれが中空を見つめながら、思い出深そうに答える姿が青春だった。
「商人をしていた私が思うに、君達は勉強が出来る子だと思うのだが・・」と、言うと・・
リーダーらしき少年が「まあね。そうでなけりゃ【村長】が許可を出さないよ!」と言うので、疑問に思った俺は・・「それじゃあ、頭が悪い子は村から出られないのか?」と聞くと・・
「「「「当たり前じゃあないの!」」」」と全員がハモって答えるのだった。
異世界は村同志で【結婚】や【農作業】や【攻防戦】をらしい。
「そう言えば・・俺の先祖も同じ様な話をしていたっけ・・」と俺は昭和の頃を思い出していたのだ。
<ブヒヒーン>(着いたよ)と、言う馬の声で情報収集が終わり・・
「よ~し。薬草採取をはじめますか!」と言うと、例の賢そうな子が・・
「馬車で片道30分なので、帰りは下りだし10分と言ったところですか・・我々は【護衛】なので、【太陽が山に隠れる前】には戻る必要がありますね」と、的確な判断を下す。
「魔獣が出たら俺にまかせろ!」と言う、リーダーらしき少年が一番不安に感じて来た。
<モシャ モシャ>と黙々と採取す俺・・
「次はえ~と・・あった!少し丘を登りますよ!」と、告げる俺!
読者は<どうせ【鑑定】が付いたとかいうのだろう!>と言いたいのであろう・・その通りだ!【魔眼】のスキルから【鑑定】が派生したのである。
****回想***
「アマネさん!金貨100枚だけで本当に良いのですか?」
アルトウェルヘン伯がお礼にと【色々】な宝石やら剣やらを出して来たのだが・・
<ピコン!魔眼から鑑定スキルが派生されました>と言うアナウンスが久々に脳内で鳴ったので、宝石などを注目していると・・
<ラピスラズリ> <ヘマタイト> <ジャスパー> というパワーストーンの名前が目に浮かんだので、豪族の割には【安い石】を持っているのだなあ・・と感じて話を聞くと・・
「これは!お目が高い。青い<サファイア>は顔料にもなる高級品で、赤い<ルビー>は滅多に入手できない幻の宝石。緑の<エメラルド>も同様ですが・・娘の命と視力を守って下さった恩人のためならば・・クウッ!」と、
本気でパワーストーンを宝石だと思っていた様子だった。
その後奥様にも宝石コレクションを見せてもらうが、やはりパワーストーンだった。
その後帰宅した俺はネットで調べて見ると・・
<古代では硬度が高すぎる鉱石は加工出来ずに【汚れた】ままであり、人気が無かった。加工しやすく色鮮やかな鉱石が【宝石】として黄金よりも貴重な存在であった>
と、知ったのだ。
「ヒヒヒ・・研磨済みでも1個1000円程度のパワーストーンが、異世界では【数百万】に変わるとは・・冒険者ランクを上げて【鉱物採取】の鑑札をいただこう!そうして日本から持ち込んで・・ヒヒヒ」と、思い出し笑いをしていたら・・
「何か!オジサン怖い・・悪い事考えているんじゃないわよね!」と純真な少年少女の【センサー】に引っかかったのであった。
+++それからどうした+++
<チアーズ(乾杯)> 「皆さん今日はお疲れさまでした!おかげで薬草が大量に採取できました!」と、上機嫌な俺!
「上等な革鎧を買ってくれるなんて・・魂胆は何ですか!<ヒック>」と聞く賢こそうな少年。
「まあ気にすんな!<ヒック>このジイサンは悪いヤツじゃネエって!」
<ワイワイ> <ガヤガヤ> 異世界では15歳から成人として扱われるらしく・・【飲酒〇物】が許されるそうだ。
「それじゃあ!また来週にでも会おう!死ぬんじゃないぞ若者よ!」
「ワハハあんたもね!」「ジイサンも死ぬなよ」そうして、日本ならば【違法】な飲酒会合は、楽しく終わったのだった。
+++2025年7月11日(金)++++
俺が色々準備を終えて、アルトウェルヘンの冒険者ギルドに来ていた。
案内嬢に「いつもの4人はどうしていますか?」と聞くと、案内嬢は暗い顔でかつ気丈に告げる・・
<彼らは死にました>と。




