21 大人になって行くジローと、老人になって行く俺・・そして別れ。
俺は、不思議と商人達との会話に【安堵感】を覚えていた。
しかしジローはと言うと、オジサン・オバサンの話に入いれない様子だったし、当初の目的である【獣人商人】に気が付いてチラチラと目で追っていたので・・
「ジローや。お仲間から話を聞いておいで!」と、話を振ると・・「うん!」と元気よく獣人商人のブースの方に歩いて行くのだった。
++++それからどうした++++++++++++
夏祭りは、しばらく後の開催だと聞いたため俺達【2人のヒューマン】は一旦、地球に帰還!となる。
「ねえねえ!あの獣人商人は、実は隣村の【キシビーキー】の騎士爵様なんだって」
「お兄さんかと思ったら!実は・・【女性騎士】だったんだ。お家騒動で追い出されてしまったんだって」
などと尻尾を<ブンブン>と振り回しながらこれまでになく興奮している若いオスだった。
「すまないが、助力は出来ないぞ」と、俺が横目で言うと・・「えっ」と驚く顔をするジロー。
俺は更に「ここは異世界だ。俺達はエアライフルや現代知識などのチート?だっけ・・とにかく【ズルい力】を持っている訳だが、干渉して異世界の歴史を代えてしまうのはどうかと思うのだ」と、持論を告げる。
ジローは尻尾を振るのをやめ・・<ジャリ ジャリ>と、リュックを背負った2人は無言で神社?脇の森へと入り、渦に飲み込まれた。
その夜、無言で風呂に入った2人だったが、俺がシャンプーの泡を掛けても何も言わない大人びたジローが横にいた。
<ゴト ゴト>と、夜中に寝室を抜け出したジローは・・<ピ ポ パ>と、何処かに事務所の公用電話で架電していたが、俺は寝たフリを続けた。
+++2025年7月16日(水)8時40分++++++
<チャララ~チャララ>と事務所の固定電話が鳴った。
「誰だと思う?ジローボウイ!」と俺がオチャラケて聞くが・・
「役所の人じゃあないかな?」と愛犬モードを忘れているジローだった。
<平です。今からそっちに行っても良いですか?> という平警部の声がしたので、当然ながら「どうぞ。お待ちしております。」と丁寧に答えた俺だった。
「いやあ・・相沢氏は実家の【酒樽市】にチョット寄っただけで、直ぐに【帝都】に呼ばれていきましたよ。私もこれから実家の【麦沢市】に顔を出して・・」等と社交辞令を言うNWO室の若き勇者。
俺は単刀直入に・・「話と言うのは異世界の貿易とか何か?」と言うと、平氏は・・
「ええ、今相沢室長が【A国】に呼ばれて出張しているのですが、異世界の存在は基本【秘匿】を継続する方向になる予定です」と告げる。
俺は・・「膨大なフォロンティアを誰が手中に収めるか?の大事な勝負どころなんだろうね」と・・<グビ グビ>・・ボトルコーヒーを飲みながら興味無さげに言う。
「まあ、一番【王様】に近いところに居るのが佐藤さんなんですがね!」と、お世辞を言う平氏に俺は・・
「そう言う政治的な話は相沢の方が向いているよ。俺は気ままに異世界を【散歩】できたら満足なんだ!」と本音を告げる。
ジローも口を開き・・「アマネさんは本心で言っていますよ」と、真剣な顔で話すのだった。
俺は大体の状況を察し・・「ジローは既に【ダンジョン専門家】とも言っていい。良ければNWO室に【ハケン(派犬)】しようか?」と提案すると・・
「もちろん!大助かりですよ」と、更に明るい顔になる平氏と・・「うん!ぼくも仕事が出来る様に頑張るよ!」と尻尾を振り始めるジローだった。
<バタン> <ワン!> <ブーン>と、相棒が去った・・・深夜にジローが電話したのは【NOW室】だったのだろう。犬なので携帯が契約できないため、事務所の電話を使うしかなかったのだ。
<獣人女性騎士を助けたい>と言う若いオスの心を、無理に押さえつけてはいけないと知っていた俺だったが、俺には俺の生き方があるのだ。
このまま相沢・平らと行動をした方が、人(獣人)として伸びていくだろうから、やる気の無い俺に無理に突き合せる必要も無いと思ったのだ。
「俺はどうしようかな・・」急に目的を失った気がしたが・・「そうだ!ダンジョンはまだ9層残っているではないか!ここは攻略せねばショウブ~ショウブ~」と新しい目標を設定した公務員らしい俺だった。
<ウオオ~ン>
薄い膜の様な【渦】を通って、俺は【ダンジョン・ウォーカー】で、異世界の四川ゲートを出て・・<ガチャ ガチャリ ガチャリ>と遺跡に扮したガンロッカーを開錠し【違法エアライフル】をリヤカーに積載した。
<ピコン!1層討伐者は、そのまま2層に挑戦できます>と言うアナウンス?の指示に従って、これまで躊躇していた【第2層】に入った。
<ザワ ザワ> とダンジョンに微風が吹く・・「草原だなあ・・」俺はいつもの・・
〇暴動鎮圧スーツ 〇ポリカーボネート盾 〇催涙スプレー 〇防刃下着
〇十字槍 1本 〇天然水ペットボトル2リットル 1個
〇カロリー・〇イト 1個
を持ってきており、武器については・・




