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1 定年延長と愛犬と女子高生

+++2025年3月28日午後5時15分++++


<次は【佐藤 あまね】職員。普通と書いて【あまね】と呼びます>

<パチ パチ パチ> 

<本日は長年勤務された昭和39年生まれの職員の方を見送る日です!>

まばらな拍手と棒読みMCに紹介された俺は、2025年に60歳でいったん役職を下り、1年間定年延長になる組である。

今年から定年が延長になり、出世街道に乗り遅れた俺だが幸いにして【同期】が我が【Y県副知事】にまで出世したおかげで・・


「あまね君!同期で1番採用だった君がヒラとはねえ・・ライバルである僕としては悲しいよ。僕は今年から県庁に詰めなくてはいけなくてねえ・・そうそう!君が昔気に入っていた【水防倉庫】あれを1年だけ復活させておいたから、好きに使ってくれたまえ!」


ところでY県には【〇〇したまえ】等と言う方言は無い・・副知事は俺が採用された昭和58年に同期で採用された職員の一人なのだが、俺が【1番】という触れ込みだったことから、実力主義の彼は面白く無かったのだろう・・何かと俺に食ってかかる男だった。


水防倉庫はY県の日本海側にある【四川市】という平野部の一級河川脇にあった県の施設だったが、県知事がNO!を出して一時閉鎖された職員常駐型の施設だった。


今年から県知事も変わり、県職員としてベテランだった副知事が昨今問題となっている自然災害への対応として、水防倉庫を復活させたのだ。


「人としては好きでは無いが、仕事人としては優秀だな」と、ヒラ職員の俺だが強がってみるのだった。


+++++同日 午後6時ころ++++++


「おとうさん長年お疲れ様です」と労う妻 58歳

「おかげで高級料理が食えるよ」と喜ぶ長男 29歳

「水防倉庫?だっけ。遊びに行くからね」と労う長女 25歳


Y県の山岡市と言う内陸地域の県庁所在地に家がある俺は、近所の中華料理店で会食していたのだった。


「1年間の定年延長なんてスグ終わるだろう。俺は振り出しが四川市にある【Y県斜内総合支庁】だったから、最後も四川市で終わるのだ。地理も知っているので不安は無いよ」と家族に告げるのだった。


++++2025年4月1日++++


<ガチャン>と水防倉庫の鍵を開けると、土嚢袋やセーフティコーンなどが埃を被っていた。


「1年間よろしくな。お前らを使わなくて済むようにしたいよ・・」と本音をこぼす俺。


引越しについては、3月末に家族だけで荷物を運び込み、作業は直ぐに終わった。


1年前には職員家族が住んでいたので、家屋の内部は損傷も無い。


夕方になり、公務員の拘束時間【17:15】を過ぎると、俺は裏の畑を見ようと思い事務所から裏に回ると・・


<キャア!> 女子高生のパンツの安否を確認したのであった・・・完!


(そんなわけない!)


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