13 感謝しない役人と腹芸の協力者に・・不安になる俺!
+++2025年7月7日(月)午前10時+++++
「ふあ~あ」<ブチ!> 「汚いなあ~お爺さん鼻毛抜かないで!」と、俺以上に毛が抜けるジローに怒られた。
「新聞読むなんてめずらしいね!いつもは僕しか読まないのに」と言うジローに・・
「ハイ」と、読捨新聞を渡す俺・・ジローが事務所内のショボいソファーに腰かけて新聞を朗読する。
「お手柄の相沢副知事と、平警部補。初めてダンジョンから生還す!感謝の言葉を述べる遭難者の父母・・僕とお爺さんの事が載っていないね!」
少し不満げなジローだったが・・「いいじゃないか。あの2名が手助けをしてくれたから、女子高生を救出出来たのだし」と、老人の俺は今更ヒーローになろうとも思わなかったのだ。
「でもお爺さん。他に居た2人の【人間の女性】は誰なのかな?」と、ますます賢くなるジローだった。
「どうせこれから【聴取】を受けるのだから、教えてもらおうじゃあないか」と甘い俺だったが・・
++++それからどうした++++
<アナタは自分の行いを反省しているのですか!> <そうですよ!貴方が情報を共有していれば、死亡した【大勢】が助かったかもしれないのですよ!> ・・
俺は2名の役人から【罵倒】されていた・・
俺が「あのう・・私は3名の女性を助けたのですよ!少しは褒めてくれてもいいのでは?」と言うも・・女性は<キッ>と俺を睨み「ゲートを確認したのは本当に4月になってからなのですか?嘘はついていないでしょうね!」と、更に険しい顔になったので・・
「ああ~辞めた、やめた!ハイ【取り調べ】は終わりです」と言ってパイプ椅子から立ち上がろうとすると、男性の役人が俺の肩を抑えようとするが・・
<ひょい>と、俺の勢いに押されて、尻餅をついたのだった。
「ウッ・・柔道有段者の俺が・・こんな爺さんに?吹っ飛ばされた・・」
すると・・<ガチャリ>と、ドアを開ける音がして・・「何をやっているんですか!彼は功労者なのですよ!」と、見知った平警部補が【取り調べ室】に入って来た。
「よう!平さん。取り調べには【かつ丼】が出るのだよね」と軽口を言う俺に・・
「ハア。佐藤さんは事の重大さが分かっているんですか?」と言う平警部補だった。
「ところで、2名の女性は他県の人なんだろう?大丈夫だった」と、話を買える俺。
平氏は「ええ、一人は東北の【M県人】で、もう一人は四国の【T県人】の方でした」と、正直に答えるのだった。
「他にも多くの女性が死亡していたよ。おそらく死亡して時間経過した者はダンジョンに吸収されるのだろうさ」と、俺は少し不貞腐れた態度を取った。
<何と言う態度・・> <失礼なジジイ>と、部屋から出て行かない2名の男女の役人は小声でディスるのだった。
「俺は愛犬の仇を討っただけだ。魔石とかポーションとか欲しかったらくれてやるよ!」と言い、机の上に【数本のポーション】【クズ魔石数個】を置いて部屋を出て行くのだった。
後を付いて来る平氏に俺は「あんたは俺を止めないのかい?」と聞くが・・
「佐藤さんのレベルでは、私ではかなわないはずです」と、言うので・・
「あれ?平氏も【アクティベート】されたんだね!ようこそ【こちらの世界へ!】とカッコつける俺。
「ええ、ありがたい事に【パーティ報酬】として、【アクティベート】【言語文字】【ステータス】が与えられました。重火器が使えない事が判明したのは佐藤さんのおかげです。どれだけ強力な重火器を持ち込んでも、誰一人戻らなかったので、世界レベルの謎だったのです」と、頭を下げる若者に好感が持てた。
「俺を水防倉庫から追放するのか?」と、聞くと平氏は「わかりませんが、今のところ佐藤さん以上に監視の適任者は居ないと思われるので、ダンジョンには好きに潜ってかまいませんよ」と、OKを出すのであった。
「それと・・お宝の【一部】はお返しします」と、言って俺が持って来た魔石やポーションを返すのだった。
「一部って・・あなた・・」俺がバツの悪そうな顔をしていると・・「ハハハ」と笑う若者。
何故か【戦友】の様に思えたのだった。
しかし・・<危ない危ない・・彼も副知事同様に【人たらし】だわ・・>と高齢者モードに戻る俺だった。
+++それからどうした++++
<ブブ~>現在別のパーティーがボス部屋を攻略中です。お待ちください・・
<ブブ~>現在別のパーティーがボス部屋を攻略中です。お待ちください・・
全県で【攻略】に向けて頑張っている様子がうかがえた。
そんな折・・<プルルル>と【公用ガラケー】に着信が入る・・「非通知?相沢氏だな・・ハイもしもし」
「もしもし!佐藤氏か。国の役人が失礼な物言いをしたんだって?まったく・・功労者を何だと思っているんだか!」と、俺の気持ちを代弁するのだが何か・・胡散臭い気がしたのだ。
「ありがとう!俺を労ってくれるのは相沢氏だけだよ。ホント・・あとは平氏か。2人しか信用できる人はいないねえ!」と言いながら・・
<俺って、こんなに腹芸できたっけ・・スキルか?>と、今後が不安になるのだった。




