12 役に立たない銃器と、〇〇された女子高生
<グギャ> <ギギギ> 「おお・・見慣れたダンジョンだ!本当に繋がってる!」と、俺が呆けた顔をしていると・・<ヒュン カツン!>と毒矢の洗礼を受けてしまった。
「佐藤!気を抜くなよ・・くらえ私の愛銃の弾丸を!」 <ボフン> <ボフン>
「あれ?どうした・・湿気っているのか?嘘だろう!」と、慌てる副知事を嘲笑うかの様に・・<グギャギャ> と30・・50匹?・・70匹・・俺が持って来たエアライフルでも対応出来ない位に、観た事も無い数のゴブリンと・・<ギャオー>と咆哮する3メートルも有ろうかと思える巨大なゴブリンが遺跡の奥から<ウジャウジャ>と湧いて出て来るのだった。
<ボフン>「副知事!私のハーフライフル銃もダメです!撤退しましょう」・・
<ドタバタ>~<ハアハア>~ 4匹の獣は、一旦【渦】から逃げ出した。
「佐藤君・・<ハアハア>どうなっているんだね・・」と息が上がった副知事が質問するが、俺も分からないので・・
「ジローと2名で入った時の何倍もの数だった。おそらくは侵入者の数に比例して魔物も増えるし、強い魔物も出て来るのでは?次は俺とジローだけで入って見るよ」と、告げる。
<ウオン~>と、今度は2匹の獣がダンジョンのボス部屋に侵入する。
<グギャ> <ギギギ> 「やはりさっきよりも数が大分少ない・・巨人ゴブリンも出て来ない」俺はエアライフルをリュックに仕舞い・・「ダンジョン・ギフト発動!」と小声で叫ぶ!・・
<グギャ?> <ギギギ?>ゴブリンは俺に気が付いていない様子になり、ジロ―の方を見るのだった。
「ジロー!手筈どおりに頼んだ!」「任せてよ!お爺さん」<シュン!>と言う風切り音と共に消えたジロー・・【隠密】などのスキルでは無いのだ。
6月に散々ボス部屋を攻略しまくって手に入れた【ダンジョンウォーカー】というスキルで、ジローには女子高生ら4人を探してもらい、俺は【ダンジョンゲスト】と言うスキルで・・<トコトコ~>とゴブリンらの横をすり抜けて、ライトで床を照らしながら少年少女の痕跡を探した。
「う・・男性ブレザーを着た・・こっちにも・・」3名の【ご遺体】が重なり合う様に遺跡の角に倒れており息絶えていた。
「ナムアミダブツ・・彼らは大江さんを守って死んだのだな・・男だね」と、せめてもの賛辞を贈る。
「お爺さん!奥に彼女が居るよ!」と言うので、俺はジローに聞く・・「ダンジョン・ウオーカーは1人しか転移出来ないのか?」と。
次郎は・・「うん。そうみたい・・お爺さんは僕の【臭い】を追って来て!」と言うのだが・・
「イヤイヤ!ジロー氏、ワシの60代の鼻では無理だよ・・」そう言いながら<パシュ>と無抵抗のゴブリンアーチャーを倒した時・・<ピコン!既定のポイントに達しました。次の内からギフトを・・> 俺は直ぐに「ダンジョン・ウオーカーだ!」と言うと・・
<ゴホゴホ> <グスングスン> <うう・・> ジローに案内され、遺跡のかなり奥まで転移し、見事女子高生を確保したのだが・・
「ジロー!女子が3名も居るぞ・・」女性の【ご遺体】も【十数体】程が捨ててあるものを見つけたが、どれもさほど時間が経っていない感じだった。
「すまないお嬢さんがた。体に触れるが良いかな?」と聞くと・・<助かったの?> <お爺さん!> <グスン・・>と拒否反応が無かったので、女子高生【だったもの】を俺がオンブして、残りの面識が無い2名はジローに乗せた。
ジローが心配そうに言う・・「お爺さん、帰りは【ダンジョン・ウオーカー】は使えないよ!どうしよう・・」と。
俺は試しに【女子監禁部屋】の見張りのゴブリンの手を引いて・・奥へと引っ張った。
<グギ?>ゴブリンは不思議そうな顔をして俺に手を引かれ、奥の部屋に行くと・・
<グー!グギい!>とジローや女子を見て警戒した様子を見せたのだった。
俺はすかさず<ガシっ>と、ジローと女子高生の手を握ると・・<?グギ・・>と、ゴブリンは首をひねって監禁部屋を出て行った・・
「やったぜジロー!ジローの尻尾を掴みながら戻れば、ゴブリン共に【ヘイト】を向けられないで出て行ける!」
ダンジョン・ウオーカーと言う【ギフト】は大変に有効で、【ダンジョン・マップ】も兼ねているので、帰り道は自然と分かったのだ。
<ウオオ~ン>と言う感じで【渦】を抜けて外に出たところ・・「「雛!」」と言う住職夫婦の声で女子高生が正気を取り戻し・・
<バタバタ>と言う足音と共に女性自衛官?らが近づいて来て<バサッ><バサッ><バサッ>と、救出した女性に毛布を掛けて搬送したのだった。
<チッ!> <ギロリ!> 何故か?・・女性隊員に睨まれた気がする俺・・
「お父さんお母さん、もう大丈夫ですよウンウン」と誇らしげな副知事が近づくと・・
「あなたは!テレビで見た事があります・・まさか副知事?」と住職は驚いた様子だった。
「おいも斜内人やサゲ、そがいに他人行儀にせんでもエエよ!」<うえーん!>・・
女子高生が急に泣き出したのは、懐かしい方言を聞いて安心したからなのだろう。
<流石は副知事。人心掌握は心得ておるの!>・・活躍したのは俺なのに!と、なんか寂しい気持ちになってしまう心の狭い俺であった。




