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シャベチン
大学生の頃バイトしていた店に、吉本の養成学校を出たという人がいた。
その人の話は毎回面白かった。どれくらい面白かったかというと、私とタメを張るほどだった。そのせいか、我々は非常に気が合った。
ある日、いつものようにその人(次から先輩って呼ぼ)と談笑していると、ふと変な臭いがした。
チンポだ。
直感でそう思った。
目線を下にやってみる。
ちゃんとズボンを履いている。
ではなぜこんなにチンポ臭いのか。
私が考えている間も先輩は喋り続けていた。どれだけ忙しくても仕事を完璧にこなし、されどもおふざけの心は捨てないという、仕事も笑いも完璧な人間だった。
そんな先輩が、顔のついたチンポかと思ってしまうほど、チンポ臭を漂わせている。
なんなら声もチンポだった。
チンポが服着て喋ってる。シャベチンだ。




