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とっても短いエッセイ集  作者: 七宝


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エロい店で働いた日記(4000字)

私のことをよく知ってくださってる皆さんからしたら「まぁそうだろうね」という感じだと思うのですが、一時期「普通じゃないところで働きてぇな〜」と思ってたことがありまして、あんまり皆さんがやろうと思わないような仕事にチャレンジしていた時期がありました。


もちろん今では仕事はどれも尊いものだとは分かります。でも、その頃は人と違ったことをしてみたかったのです。

ちなみに、大学時代のバイトの掛け持ちの話です。


さて、「普通じゃない仕事」とはなんでしょうか。


まず私の中では、普通といえばサラリーマンでした。はい、広すぎますね。オフィスワーカーも飲食店(自分の店じゃない)も工場勤めの人も基本サラリーマンですもんね。


じゃあなに? 学生が出来る特殊な仕事ってなに!? ってなりますよね。


真っ先にエッチ系が浮かびました。

この頃の私はエグ美しく、ゲボモテていました。なので、女性用風俗なんかもありかなと思ったのです。


でも!(´;ω;`)あそこがジャングルの! 臭いマダムとかが来たら耐えられるわけない!


よく水商売は底辺の職業だと言われますが、この頃の私はとにかく楽して稼げればそれが正義だと思っていました。でも楽して稼げる仕事なんてありませんでした。当たり前すぎますね。私って基本バカなんでね。こんなもんです。


ちなみに今でも私は水商売が底辺とは思っていません。確かに発達障害などの気のある人の少なくない業界です。ルールにだらしない人もまあまあ居ます。でも全然底辺じゃない。優しい人ばっかで楽しい世界ですよ。


ネタバレしてしまいましたね。恐らく皆さん「店舗スタッフで入ったのかな」と思いましたよね。


まぁそれはそうなのですが、今回話すのは『出会い喫茶』という業態でバイトした時のことです。


あ!!!!!!!!!!


ちなみに!!!!!!!!!


実体験だけで擁護したわけじゃないですからね。私はそもそも人が人に対して「底辺」という言葉を投げつけること自体よく思ってない人間なので。まぁポイ捨てしてる人を見つけると「カスめ」とか言っちゃいますけど。悪人は別です。あいつらは優しい世界の住人ではありませんからね。


今日もポイ捨て犯いましたよ。またタバコです。駐車場でわざわざ車の外でタバコ吸って、灰を落としながらスパスパスパスパ⋯⋯さすがにこれだけじゃ怒れなかったので様子を見ていると、地べたに捨てて足で火を消してその場を去ろうとしました。


もはや私の読者は辟易してるかもしれませんが、例によって激怒しました。私は無敵の人なのです。方向性が違うだけで、山上容疑者みたいなものなんです。


いつものように「お前、日本人じゃないだろ」と声をかけるところから始まり、これまたいつものように向こうがチビだのウザいだの言ってきたのでギャーギャーワーワー言ってタバコを拾わせました。頭のおかしい人だと思われたかもしれませんが、いいのです。本来おかしいのは公共の場所に吸殻を捨てる人間です。そんなことも分からない人におかしい人だと思われても痛くもエロくもありません。


逸れたね!!!!!!!


トークが!!!!!!!!!


まず出会い喫茶が何なのかからですね。風俗といえば風俗なのですが、レア度で言うとかなりレアです。占有率1%とかじゃないですかね。風俗界の。


しかし、そのレア度はすごさゆえのものではありません。もしそうだったら、ただのアホのパチンカス大学生がほいほい入れるお店なんてないですからね。


市場規模が小さいのです。昔はもう少し強かったようなのですが、今はもう「ザ・細々(ほそぼそ)」って感じでした。


何なのかって話してたのにまた逸れたね⋯⋯


簡単に言うと、「部屋のないソープランド」って感じです。ソープランドは受付でお風呂代だけ貰って、お部屋に入ったら女の子と自由恋愛ですよ〜って建前なんですけど、出会い喫茶は喫茶店としてのお金だけもらって、マッチングしたら2人で店外で自由にどうぞ〜って感じなんです。


いやもう売春と変わらんやん! 援交やん!


ってなりますよね。ソープもここも実際そうです。でも、建前は自由恋愛なんです。

パチンコ屋の三店方式なんかが良い例ですよね。パチンコ屋は客に景品を渡してるだけ。たまたま外にあった古物商がそれをやたら高値で買い取ってくれるだけ。んでそれをまたパチ屋が買ってるだけ。みたいな。そんなアホみたいな言い訳で警察は「あっそうなんスね。換金はしてないんスね」ってなって終わり。


アホ?(・∀・)めちゃアホ??


なので、今の警察の体制では一応合法ってことになるんですね。ほんとアホみたい。


別に悪いことだとは思わないんですよ。あれもこれもどれも。パチ屋もね。


でも、ルール決めるだけ決めといて、その決めた側が自分が甘い汁吸えるからってアホな建前作って見逃すってのはね⋯⋯(ФωФ)世の中面白い!!!


都会ということもあり、テレビに出るような飲食店が何個も入っているビルに面接を受けに行きます(突然の場面転換)。


さすが都会のビルは狭い。こんなデカいのにお目当ての店の敷地はほんの少し。客と同じところから入らなきゃいけない。


んで、(初対面限定の)持ち前の明るさで見事その場で合格し、翌日から働くことに。

面接してくれた人はここの店長で、他にも数店舗見ているという頑張り屋さんだった。なぜか東京の店舗も見ていた。移動代ヤバス。


ちなみに、親には内緒。店自体はちゃんと届出も出しててやましいことはないんだけど、エロ市場という時点で親にはやましい。そりゃ当たり前。なので隠してやってました。


店を出ると、ほっと胸を撫で下ろす。


合格して良かった、ではなく「ヤクザじゃなくて良かった」である。


まぁ見ただけではヤクザかヤクザじゃないかなんて分かりっこないのだが、要するに怖い人じゃなくて良かったということ。


めちゃくちゃ無愛想で声のトーンも暗くて「そんなにワイと喋りたないんか」と思ってしまうような第一印象だったけれど、いろいろ用意してくれたり教えてくれたり、親身になってくれる良い人だった。


初出勤の日は、なかなかにイケメンな上司につけられた。推定40歳くらいの男性で、長いことここにいるようだった。


あんまり詳しく書くとどこか分かってしまうので9割くらいの精度で書くが(!?)、基本的にはずっと広場みたいなところに立って客の見張りみたいなことをしていた。


とはいえ客もほとんどが常連で、特に説明することも気を遣うこともなく、すぐに雑談を始めた。上司にも特にそれを咎められることはなかった。


広場は真ん中が客の憩いの場みたいになっており、両サイドのガラス張りの向こうには寛げるスペースがあって、そこに女性たちが座っている。


なんとこのガラス、マジックミラーらしく、こちらからは女性を見放題なのに、向こうからは一切見えないらしいのだ。


女性の名前と簡単な自己紹介を書いた紙を置いて、お呼びがかかるまで暇タイム。


ちなみに女性はなかなか際どい格好をしている人が多く、パンツは普通に見えるし、谷間も見える。そして全員若く、ほとんどの女性がかわいい。


お声がかかると女性を呼びに行く。ガラスの向こうに入っていって、名前を呼んで連れてくるのだ。


ふむふむ、こっちは1段高くなってるのか⋯⋯広場は暗いな⋯⋯はえっ!?


これ、マジックミラーじゃねえ!!!!


こっちからも当たり前のように見える!


いいの?


まぁ、いいんでしょう。


女性たちはこんな新人にも丁寧に接してくれて、お客さんもけっこう賑やかで楽しくて、これなら長く続けられそう。なんならそのうち社員になろうかな、などと考えていたところに⋯⋯


店長がケーキを買ってきた。

全然知らない店のケーキ。でも箱。私が知らないということは、高級なケーキなんじゃ⋯⋯


インカムでそれを聞いた私は胸踊った。初日からええのんか!? とウッキウキで店長のもとへ走った。


「これ、皿に出して女の子たちに配ってきて」


(゜◇゜)ガーン


私の、なかった⋯⋯


まぁそうか。そうだよね⋯⋯仕事中に何期待してたんだ私は⋯⋯おバカ⋯⋯


女性たちにケーキを配る。


お礼は言ってくれるものの、全然嬉しそうじゃない。けっこうな頻度で差し入れが来るのかな?


すると、1人の女性に声がかかった。


呼びに行く。

ケーキが減っていない。おいしそうなティラミス。クリームたっぷり。絶対高い。


女性はそのまま外へ。


残されたケーキ。


「あの、これは⋯⋯」


イケおじ上司に聞いてみると⋯⋯


「あ、それは捨てちゃって!」


(゜◇゜)


「す、捨テ⋯⋯(゜◇゜)」


「あそこのゴミ箱に、灰皿の中身と一緒に捨てちゃって!」


「は、はい⋯⋯(゜◇゜)」


相当なショックを受けました。

せっかく店長が買ってきてくれたのに。私なんか食べれないのに箱からケーキが出てきただけで喜んじゃったからね?


それからもいくつかケーキを捨てました。ひと口だけ食べている人もいましたが、やはりほとんどはそのままポイでした。


心が痛い⋯⋯


んでスーツに革靴で5時間くらい立ってるから疲れてきた⋯⋯


上のクラブがうるさい⋯⋯ドコドコドコドコと⋯⋯そういう店は1階でやれよな⋯⋯


次に店長がヨーグルトを差し入れました。また配ってきてと。


気が進みませんが、仕事なのでやります。


すると、なぜか半分くらいの人が完食しました。なんなの? もしかしてスタイル維持のためにケーキ食べないとかそういう感じ? お店で働いてる人なら分かるけど、こういう業態でもそうなんだ。


じゃあケーキ要りませんって言えよ! ワシ食べるから!


それからも立ちっぱで時間は過ぎます。


慣れないスーツと革靴のせいで、普段のバイトの倍疲れました。バイバイトですね。なんだこの世界一つまらんギャグ(?)は。


次の出勤日も同じようなことをしながら過ごしました。飲み物関連のなんちゃらやら、トイレ掃除やらもしましたが、まぁそれは普通でした。強いていえば女子トイレにも入って掃除したのがちょっとビックリでした。でもノックして誰もいないことを確認してからなので、まぁ普通の業界でも同じかなと。


寒っ。


一気に寒くなったね。もう秋だ。んで来週から冬だ。


それからも何回か出勤しました。

辛いけど、慣れるかなと思ったんです。


いや、スーツ革靴の話じゃなくて。差し入れがそのまま捨てられる問題です。店長も分かってやってるんだろうけど、なんか気の毒で⋯⋯

私が革靴慣れなくて足痛いって言ってたら車出してインソールとかバンテリンとか買ってきてくれたこともありました。あとたまに飲み物もくれて(´;ω;`)

そんな人がくれた差し入れを!(´;ω;`)なぜ!


それから少し経った頃、客の不利益になるようなことを隠れてやっているのを知ってしまい、私も強制させられたのでその日に辞めました。


テレビにそのビルが映る度に「ニャイ!」ってなります。家族でご飯食べてる時とかに普通に映るんで⋯⋯食べ物屋がね⋯⋯


4000文字も書いちゃったよ( ˙-˙ )

でも、お金もらってる上にエロいお姉さん見放題っていうのは最高だったね。これの上位互換がAVの撮影現場にいる人。

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