密会
ち合わせの場所は俺が予想していたようなバーやバルではなく一見ただの古民家だった。
中に入り最初に目に入ったのは三人の男だった、その中にはルドルフいたが俺の記憶にある彼の姿とはあまりにもかけ離れた姿だ、以前の彼はまさに青少年だったが今の彼は立派な髭をがあり俺と同じ二十歳には全く見えなかった、むしろ三十歳と言われたほうがしっくり来る。
「やぁオーレンドルフ、手紙では話したがこうやって実際に合うのは三年ぶりかな?
まぁ立って話すのも何だし座ってくれ、あまり大したものはないが歓迎するよ」
ルドルフはとても喜び歓迎してくれているが、今はそんな事よりも大事なことがある。
「ルドルフ、早く教えてくれ!一体どうすればこの現状を変えられるんだ、俺は家族を守らなくちゃいけないんだよ」
「まぁ話が早いのは助かりますが…」
そう言うとルドルフは少し黙った後ゆっくりと喋りだした。
「我らの総統はドライ帝国を千年帝国に昇華するのを望んでいます、そのためには様々な物資を自国内で生産しなくてはいけません、ですが今のドライ帝国はその能力がありません。
特に小麦などの食料はウクライーネ辺りの豊かな土地が必須です、ですがそこら辺の土地は只今はコルン連邦の土地です。
コルン連邦と戦争するのは流石に宥和政策を取っているブリカース連合も放って置かないでしょう、しかし今のドライ帝国の軍事力ではこの二国を相手にできません。
ですから総統は同盟国を探しています、今の所有力な国は南のトリコローレ国、東のヒノモト国だけでありそれではまだ心許無いのです、ですから総統はコルン連邦への対抗として新たな同盟国強く求めています。
ポランド共和国はそれに最適ですが今のポランド共和国は少しブリカース連合王国よりの政権です。
そこで貴方に目をつけさせて頂きました、今貴方が望むのでしたら労働党は全力で援助を約束致しましょう。
さすればトリコローレ国はルーマ帝国の再建、ヒノモト国は極東の覇者、ドライ帝国は千年帝国への昇華そしてポランド共和国は恒久的な平和を成し遂げられます。
星もそうしろと言っています」
ああ…最後の一言で急に怪しくなってしまった。
だか悪くない話だ、もしポランド共和国がドライ帝国と同盟を結び戦争に勝てば今ルドルフが言ったことなど夢ではない、ポランド共和国が生き残る道はこれしか無いのでは。
「ルドルフ、その話を進めてはくれないか?」
「はい!総統も大変喜ぶと思います」
こうして俺はドライ帝国の後ろ盾を得ることが出来た。
毎度読んでいただきありがとうございます。
たいへん突然ですが後書きを書かせていただきます。
私は作品の登場人物の名前を考える時に、新しく名前を考えるのをサボり歴史上の人物の名前を一部使うことがあります。
例えばこの話で出てきたルドルフ・ヘスです。
まぁ彼は名前の一部ではなくすべてそのままですが…
それはさておき、私は名前の引用だけではなく歴史上の人物をモデルにした登場人物を書いていきたいです。
ですから皆様の好きなWWIIでの偉人を教えていただけると幸いです。
ちなみに私は、石原莞爾さんや米内光政さんが好きです。