守るべき者
クルト兄さんが死んだ、電報を聞き急いで家に帰った時には既に冷たくなっていた、強盗に襲われてた女性を助けようとして刺されたらしい、真面目な兄さんらしいな、だか兄さんは結局女性を助けられなかったみたいだ、
前の時間軸ではこんな事になっていたかった。
俺のせいで兄さんは殺されたのか?
いや、そんなわけない、俺はそんな変わった事はしていないはずだ。
いや、でももしかしたら俺が変えた小さな出来事が回り回ってこうなったのかも…
「オレン…大丈夫?」
ペトラはとても落ち込んでいた俺を元気づけようとしたのだろうがその時の俺は冷静さを欠いていた、家族を守りたくて士官学校に入ったのにその小さな変化が兄さんを殺した、そんな事実に耐えられず外部からの情報を全て無くしたかった。
気付いたら自分の部屋に眠ってた、沢山泣き叫んだのだろう喉が痛かった、だかそんなものは気にならなかった。
何でこんなことが起こった?
どうすれば兄さんを救えた?
士官学校に行かない方がよかったのか?
俺はこのまま士官学校に行ってていいのか、また誰か死ぬんじゃないか?
そんな事をぐるぐると考えてた所にペトラがやってきた。
「オレン、もう起きた?」
「部屋入るよ?」
するとペトラはコップを運びながら部屋に入ってきた。
「はいホットミルク、落ち込んでる時は温かい飲み物だったお母さんが言ってた、それにしても大変だったんだよ、叔父さん叔母さんは放心状態だったし、シビィクちゃんは泣きながらクルトさんの死体に殴りかかろうとして、君も走って部屋に籠もっちゃうし」
ペトラは俺を慰めに来てくれたんだろうがこの時の俺にそんな事を考えられるはずもなくペトラに対し理不尽な憤りを感じてしまった、そして感情のままペトラを怒鳴ってしまった。
「何なんだよお前ズケズケと!放っといてくれよ、こっちにくんなよ!俺といるとクルト兄みたいに死ぬかもしれないんだぞ!
それに家族でもないのに俺の家物事に首を突っ込むな、お前は引っ込んでろ!」
「じゃあ結婚すればいいじゃん!そうすれば家族だよ、家族じゃないからってオレンが困っているのにそばに居られないのはやだよ。
それに私、オレンのお嫁さんになるの嫌じゃないよ、それにクルトさんが死んじゃった今次の家長はオレンなんだよ、家族を守らなきゃいけないんだよ!しっかりして!」
守る、その言葉で俺は不思議なほど冷静さを取り戻せた。
そうだ俺は守らなきゃ、兄さんは無理だったとしてもまだ父さんと母さんとシビィクそしてペトラがまだいる。
「ごめんペトラ、取り乱した…」
「いいんだよ、悲しい時は心の中を全部吐き出した方が楽になるから、所でさっきのオレンの近くに居たら死んじゃうってどういうこと?できれば聞かせてほしいな」
そうして俺は時が戻ったこと、戻る前の世界のこと、そして自分が士官学校に入ろうとしたかすべて話した、その間ペトラは黙って俺の話に耳を傾けていた。
「話してくれてありがとう、ごめんねオレンにだけそんな辛いこと任せちゃって、これからは私にも手伝わせて」
こうしてペトラの力を借り立ち直り守るべきものを再確認し、必ず守ると改めて固く心に誓った。




