最初の友達は猿だった1
処女作品です。
温かく見守ってください。
更新はあまりできないかもです。
滋野君、今日も残業ごくろうさま
はい、ちょっとキリの良いところまでやりたくて
俺の名前は滋野 弘樹
しがない35歳のサラリーマンだ
昔からなんでも器用に物事をこなせてきたが
いかんせん飽き症で適当なところで辞めてしまう。
スポーツもサッカー、バスケ、野球、剣道、と
転々と変え、仕事も飲食業、営業、建築業、と
今の会社も3社目だ
ふぅー終わったー
時計を見ると夜の11時
今日もがんばったなぁ~疲れた~
明日は休みだし家帰って酒飲みながらゲームでもするか!
いつも通り会社から駅まで近道の公園を通っていた。
すると目の前の男が急に刃物をカバンから出し
女性に向けて歩き出した。
やばい!!
とっさにそう思った俺は気が付けば走り出していた
すみませ~ん
女性に声をかけた瞬間男が走り出し
ドンッ
あまりの衝撃に俺は女性に覆いかぶさるように
倒れてしまった。
女性は大丈夫か?うわっおれなんか押し倒した感じになっちゃってね?
やっべ!!セクハラで訴えられたらどうしよう・・・
そんなことを考えながら起き上がろうとしたが
身体に力が全然入らない
えっ!?
血まみれの自分のシャツを見て
ようやく現状を理解した。
俺は男に刃物で刺されていた
私の血液型はA型のRhマイナスです
そう顔を上げて女性を見ながら言った。
女性は何も言わずそのまま気絶した。
おいおい!めちゃくちゃ可愛いやん!
めちゃくちゃタイプの女の子だった。
これは有終の美ってやつだな、
この出血量たぶん俺は死ぬ・・・・
でも最後にこんなかわいい子を護れた・・
自己満足も良いところだな・・・・・
そう思ったところで俺の意識は途切れた
気が付くと何もない場所にいた
えっ!?病院ではない・・・よな
そういえば背中の傷は!?
ない・・・・・・
なんで?
するとどこからともなく今まで聞いたことのないようなとてつもなく透き通った声で
あなたは生まれ変われます
は?
あなたは徳を一定以上積みましたので生まれ変わることができます!
は?
だから転生できます!!
は?
あなたの生前一番強く思っていた願いの種が
あなたのスキルとなります
は?
あなたの新しい世界はいわゆるファンタジーの世界です。
頑張って生きてくださいね~
いやいやちょっと!!
そこで俺の意識は途絶えた
う~ん
何か生暖かいヌメっとしたものが気持ち悪くて目が覚めると
ヌモ~~
ギャー!!!!!
なんじゃこりゃ!くっさ!!
そこには牛とカバとサイを足して3で割ったような生物が俺を
食べようとしていた!!
ヌモ~~~!
俺が起き上がり逃げようとした瞬間
とてつもない衝撃とともにぶっ飛ばされ
意識を失った・・・・
目が覚めるとそこは
薄く光る湖の浅瀬に寝ていた
じんわりとほのかに温かい
って何回目覚めとんじゃい!
と自分にツッコミを入れながら現状を整理する。
もう三回目の目覚めなこともあって頭もすこぶるクリアだ
まず自分の体を見ると穴だらけでボロボロのスーツ
特に背中と腹の穴はとてつもなく大きい
ということは俺はあのサイだかカバだかウシだかわからん生物の
ツノが貫通した後、ぶっ飛ばされたということだなと冷静に分析する
ちょっと待てよそもそも俺はめちゃくちゃかわいい子が通り魔に刺されそうな
ところを助けて代わりに刺されて死んだよな
そんでよくわからん白い空間で
めちゃくちゃきれいな声に徳だか転生だか
頭がフリーズした状態で聞いて
気を失って
気が付いたらぶっ飛ばされて死んだのか?
そういえば白い空間でファンタジーがどうのこうの
といってた気がする
ファンタジー、転生・・・・・
もしかして俺はファンタジーな世界に転生したってことか!!!
だからあんなぶっ飛ばされても死ななかったのか?
いやいやファンタジーでも体に穴が開けば死ぬだろ?
とりあえずファンタジーの定番いっとくか!
ステータスオープン!
ブンっ
目の前に文字の羅列が並んだ透明の
パネルのようなものが浮かんだ
おお!でた!
名前 ヒロキ 12歳
性別 男
Lv 1
種族 ヒューマン
HP 15/15
MP 23/23
SP H
STR G
DEX G
VIT F
INT G
MND G
LUK E
EXスキル
堅忍質直
堅牢堅固
スキル
セルフキュア
すごい!
かなり詳しく書かれてるな
EXスキルってなんだ
四字熟語じゃねーか どういう意味だ?
EXスキル欄に目を凝らすと
堅忍質直
何事にも我慢強く、まじめでまっすぐ
愚直に努力すればいろいろ極められるかもよ?
(あらゆることに成長補正)
堅牢堅固
守りが非常に固く、容易に壊れたりしない
いわゆる簡単に死ななない!
なんか説明がしゃべり口調だな・・・・
よし!つまりまっすぐ頑張れば成長しやすくて
なおかつ簡単には死なんってことは
おれがずっと思ってた何かを極めることができるかもしれない!!
なんかテンション上がってきた!!
まずは現状の把握だな。
スキルのセルフキュアこれは自己の回復と考えて間違いないだろう
近くの鋭利な石を拾い指を押し付けて指を切ってみる
「セルフキュア」
ほんのり体にあたたかい何かがめぐると
きれいに切り口は治っていた
「すごい!」
ステータスを確認してみると
MPが2減っていた。
これは指の傷を治すのにMP2を消費したのか
セルフキュア仕様が固定消費MP2なのか
そもそもどの程度のケガなら治せるかもわからんし
検証が必要だな。
「まぁそれはおいおいだな」
俺の予測が正しければしばらくはこのスキルは必要ないかもしれないからな
そう考えながら俺はもう一度指を切る
そして今いるほんのり光る水に指をつける
指のケガは何もなかったかのように消えていた。
「やっぱり!!」
いくらEXスキルがあろうと明らかに致命傷である腹の風穴がきれいに治っているのを
見ると明らかであるこの水は治癒の効果があるそれもとびきりのだ。
今俺に必要なのは可及的速やかに生きていくための強さを得ること
「この場所に拠点を作ろう。」
それから俺は周辺の散策にでた
「いやいや これ詰んでない?」
泉の周囲1キロほどは魔物など
一匹もいなかったのだがその周りには
今の俺では一瞬で殺されそうな魔物がとんでもない数
存在していた。
命からがら逃げることができはしたが
幸先の良くない現状をたたきつけられていた。
「やべーな」
俺はとにかく拠点作りとともにトレーニングを開始した。
1か月程月日が流れた。
あれから拠点は張りぼてではあるがある程度の
形までは作成が進んでいた。
不思議なことに泉の周りは
とても過ごしやすい環境が自然に作り上げられており
雨風も温度も問題はなかったのだがやはり
森で寝続けるのはどうかと
周りの樹木を少しだけ拝借し、張りぼての家と呼べるかどうかの
建物は作成できた。
いろいろ調べたが
俺は本当になかなか死ななかった。
この泉の水を”命の滴”と命名した俺は
命の水を携帯できる水筒を周りにあった防水性能が
とてつもなく高い葉っぱ”はじきの葉”(こちらも勝手に命名)
を使って作り携帯して何度も魔物に挑んだ
それは実践に勝るトレーニングはないと
俺の直感が思っていたからだ
もちろん安全マージンは確保しつつだ。
それでも15回は死にかけた(笑)
そして今はもっぱら
この森の中でもまだ攻撃力が低い猿系
の魔物と戦い続けている。
この魔物はとにかく頭が良い
力はそこそこしかないが技術が半端ない
そしてなぜか一対一で戦ってくれる
いわば俺が弟子入りしたみたいになっている。
そのおかげで俺はかなり力を得ることが
できた。
今はこんな感じ
名前 ヒロキ 12歳
性別 男
Lv 1
種族 ヒューマン
HP 125/150
MP 60/76
SP G
STR E
DEX F
VIT E
INT E
MND E
LUK D
EXスキル
堅忍質直
堅牢堅固
スキル
セルフキュア
身体強化
受け流し
鑑定
精神統一
精密操作
火魔法
水魔法
風魔法
土魔法
まだ魔物を一切倒せてないので
レベルは一切上がっていないが全体的に能力値が
かなり上昇した。
猿系の魔物ミンキーとの戦闘の中で
身体強化と受け流しを覚えた。
そしていろいろなものを
以前の自分であればノイローゼになるレベルで
注意深く観察、分析を繰り返してるうちに
いつの間にか覚えていたのが鑑定
このスキルのおかげであらゆるものの情報が初見であってもある程度
頭に流れてくるようになった。かなり助かっている。
精神統一と精密操作は
魔力の流れを操作しようと適当に座禅を組んで
自分の内側の力の流れを感じとり操ろうと集中
を毎日繰り返していたら身についた。
このスキルのおかげで
限界まで自分の魔力を放出したり
体の中を巡る魔力を増やしたりすることが
できるようになった。
ミンキーは魔法も放ってくるので
それを受けたり、鑑定で注意深く観察したり
して精密操作の効果も相まって火、水、風、土
の魔法が少し使えるようになった。
おかげでステータスも伸びた
今日もミンキーと戦っている
しかし今日はいつものミンキーとは違う
かなり強そうなミンキーが来た。
警戒レベルを跳ね上げいつでも逃げれるように
体制を整えていると
「ほう? なかなかだな」
「?!!!」
「まあそう警戒するな といっても無理なはなしだろうが」
突然強そうなミンキーがしゃべった。
「えっとどちらさま?」
しばらく人としゃべっていない俺はおぼつかない言葉で
訪ねた
「私はミンキー族の若頭 アオジ というこっちは息子のミズリだ」
「え~と私はヒロキと申します。」
「息子から面白いヒューマンがいると聞いて見に来たがなかなかだな」
「ギギ!ギギギ!」
「すまない私たちの中でヒューマンの言葉がしゃべれるのはごく少数でな
息子は遊び相手ができて喜んでいたのだよ」
「遊び相手?」
「うむ 最初は敵と思い、狩ろうと思ったが何度も逃げられ
何度も戦っているうちに楽しくなったそうだ、そのことを伝えられて
本当かどうかこうして確かめに来た次第だよ」
「そうだったんですか・・・」
そういうことか
途中から殺意が全く見られなかったのは遊び感覚だったからか
「それでどうなんでしょうか?」
「そうだな・・・・ヒロキはどうしたい?
できればこのまましばらくミズリの遊び相手になってもらいたいのだが
なかなか同世代のものがいなくて困っていたのだよ」
願ってもない申し出だがここはチャンスだ!
言語が通じる相手と出会えたんだまだ信用に値するかは別として
強くなるためには必要なこと
「もちろん わたしもこのままミズリさんと訓練を続けたい
しかしゆくゆく私はこの森から外に出たいのです
ですから遊び相手になる変わりといっては何ですが
できればもっといろいろなことを教えていただけないでしょうか?
つまり修行をつけていただけないでしょうか?」
「ジルの森の外に出るか・・・」