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2話

 私は、アヴァロンという名の魔導師でした。

 他の人よりも魔法の才能が高かったのか、相当な使い手となり、英雄一行の魔法使い枠として入れられました。

 魔王を倒さねば世界が滅ぶのは私も知っていたため、大きな反対はせず、自分の使命だと思って戦いを続けていました。

 なんともありきたりな感じで、時々ピンチになったり、戦いの中で成長したりなどしながら、私達は魔王とご対面。

 なかなか有効打を与えられていませんでしたが、地道に削っていき、最後には私の最大の魔法をもってして魔王を倒すことができました。──私の命と引き換えに。

 ちなみにその時には、もう他の仲間は死んでしまっていました。

 私は、魔王を倒すために自らを犠牲にしたことを悔やんではいません。他の仲間も、きっとそうだと思います。


 ここまでが、私の前世、アヴァロンとして生きてきたときまでですね。

 それでは、その後について思い出しましょうか。


 自らの命と引き換えに魔王を倒した私は、間違いなく死んだはずなのです。

 しかし、ある日突如私の意識は覚醒しました。

 まわりを見渡せば木、木、木……森の中であると一瞬で理解しました。

 しかし……木はこんなに高かったでしょうか?

 そう疑問を持ち始めれば、多くの疑問が沸いてきます。

 そもそもの話、何故生きているのでしょうか?何故森の中にいるのでしょうか?あとなんで四つん這いになっているのでしょうか?

 ただ、なんというか四つん這いでもしっくりきてるんですよね……

 というわけで、現在の状況を知るために、私の外見を知りたいと思います。あと喉渇いたので水飲みにいきましょう。

 そうして歩き回るっていると、体感時間で半日ほどでしょうか?それほどで池を見つけることに成功しました。

 ウキウキとした気分で池に向かい、水面を覗き込むと……

 そこには、愛らしい一匹の子猫が映りました?え?

 これ、私ですか?私ですよねだって覗き込んでるの私なんですから。

 つまり、これは……

 一言で言って、猫になったってことですか?


 ……


 ………


 …………


 ……………


 え、どうしろと?そもそもなんで猫です?

 まぁ、とりあえず四つん這いな理由とそのしっくりきた理由はわかったのでよしとしましょう。

 なんでしょう……転生ってやつですかね?普通そういうの人間になるものだと思うんですけど……

 私があれこれ考えたあげく、たどり着いたのは──

 考えても仕方ないですね。そういうものだと思いましょう。

 思考の放棄でした。






 さて、転生だとすれば何故生きているのかではなく、そもそも新しい命だったということで納得。木が高いのも当然のことですね。猫なんですから。

 森の中にいるのは、捨て猫ということでしょうか?いえ、野良猫の可能性もありますね。どちらにしろ猫という結論は変わりませんが。

 しかし……こんな森の中にいては、子猫という立場を考えても、軽く死ねますね……

 飼い主が見つかる可能性もありますし、町にいきたいところです。あてもなくさまようことになるんですね……

 どうしようもないですし、とにかく早く行動に移そう──と思っていたところ。

 自分が、殺気を向けられているのを察知しました。

 そちらの方向を見ると……

 獲物を見つけた、という顔をしている狼が。

 早速絶体絶命のピンチじゃないですか……

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