夜明け
アドガメント学園はこの国のいちばん優秀でなければならない。
国の広告塔として、強くならねばならない。
生徒会長と学園長の意見が混ざり、ぶつかり、争いは起きる。
「桜子。どうだった。エンデルア学園は。」
「邪魔をされてしまいました。
山口純と閑崎野狐に。生徒会への接触はしていませんが
予定通りに、五葉召介は処分して参りましたので。」
「そうか。」
張り詰めた空間の中でこうやって生徒会長に報告している間も惜しい。
強くならねばならぬというのに。
それに、私は学園長のやり方も、生徒会長のやり方も嫌いだ。
「お言葉ですが、生徒会長。
あなたは何を目指しているのですか?」
「桜子、それは知らなくていいのだよ。」
コンコンとノックの音がして、その後に生徒会長の従者が入る。
「白夜様。そろそろ日が暮れます。
得物を取りにゆきますか?」
「あぁ、済まないね
ちょうど新鮮な血が欲しかったところだ。
もう少ししたら出発するよ。
ということで、桜子。今日は帰ってくれないか?」
赤きその眼でじっと見つめられる。
「っ……ですが!話は終わってません!
白狐様!」
すると怒った顔で私の襟を握りしめ、彼は怒鳴った。
「その名前で呼ぶな!!!この屑がっ!!!」
そう言って飛び出していき、生徒会室に取り残された。