エン暦
「ルオンは変な子ね。どうして私たちの言うことを聞けないの?」
「困難変な奴に一族の長をさせるなんて無理だろう。
他の子を用意するんだ、こいつは話にならん。」
嫌な記憶で目が覚める。
あれから何十年の時が経った。
死にかけるたびに、木人形に魂を映した。
体が何か懐かしい感覚にとらわれる。
「前世の天狐の成せなかった封印を今こそ。」
天狐の技にかかり、なにか懐かしい記憶を見る。
幻術を架けられていることなんてすぐに気づいた。
「兄さん、もうやめてください。
貴方がここまで王家を恨んでるのもわかります。
でももうそれとこれとは関係ない!」
久しく見た弟に反抗する
幻だろうが関係ない。俺はあいつを守らなきゃいけない
「お前は何一つわかっちゃいない!
お前は王家に殺されたんだぞ!?」
「確か僕は王家に殺されたよ。
だけどもうそれは大分昔の話じゃないか。
今と昔じゃ違うんだ・・・だから・・・
死んでくれ。構成のために。」
剣で刺されて現実に引き戻される。
これは幻だ。あいつじゃない。
[合技 天狐封石]
文乃と光秀から発せられた光はルオンを囲み、野狐たちの前の石へと入る。
エンは最後にこう告げた。
「近い将来、グラースという名前の守り人が生まれてくるだろう。
その子がこの暦の守り人だ。これでエン暦は終わりになる。
さようなら、みんな。この時を守ってくれてありがとう。
復興には時間がかかるかもしれないけれど、頑張ってね。」
エンがその石へと入ったとき、その石は粉々に砕け散った。
跡形もなく。