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決断まで
「愛姫!!!」
彼女の右胸に血が滲む。
どうして私なんかを。
「愛姫は、俺が響力で血の流れの進行を止めておく。
止めている間に治癒能力を持つ響力者に診てもらってくるよ。
成哉……頼んだ。」
純がそうやって愛姫を抱えて運んでいくうちに通信が入る。
天狐側とルオン側の戦闘が始まったらしい。
母さんと父さんがルオンと戦っているうちに封印しないといけない。
覚悟をしなければいけない。
それまであと少し。
そんな中、王宮を全力で走っていた純は、
とある人物と遭遇することになる。