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未来視の定め
何かが視える。
これは弓?
誰を狙っているの?
これは王宮?
ふと、その映像が脳裏に流れる。
野狐たんが、危ない。
「召介くん、私を!王宮に飛ばして!急いで!!!」
野狐がやられるくらいなら、私が。
だって、彼女は鍵だもの。
彼女なら取り返してくれる。
私のパートナーを。
イザーレンに取り込まれた、翔太と大智を。
2人は、生きている。ルオン接触後、連絡は取れてない。
でも、死んだ映像なんて見えない、だから助けなきゃいけないんだ。
野狐が死ねば、ルオンを封印できない。天狐様の力でもそれはわからない。
死ぬくらいなら、私の方がマシだ。
野狐の背後に飛んだ後、ルオンの操る、木人形が放った弓を右胸に受けて倒れ込む。
「野狐たん、あとは頼んだよ……。」
未来が視えない、これからはもう誰もわからない