出席簿;竜頭龍希
「絵奈、雪華さん、少し休んでて。」
龍希は新たな敵が送られて来るであろうイリヤバーデンに単身ログインした。
「いくら龍希でも単身はキツイんじゃ・・・。」
「絵奈、単身じゃねぇよ。龍頭様をなめんなよ。」
[龍希さん、来ます!]
葉月のその一言を合図に、戦闘態勢に入る。
[我が主、一人一人は強くなさそうだが、どうするよ?
お前が九頭竜を召喚すれば、今回は本当に命が危ない。]
最初に呼び足した赤い龍は、龍希にそう言った。
「いや、俺はやるさ。美妃さんに「期待してる。」って言われた以上、やんないわけねぇじゃねぇか。」
[響力『竜頭』 八頭竜、召喚。龍変化]
イリヤバーデンに龍の咆哮が響き渡る。
八頭・・・そして最後の頭に変化した龍希は、敵を蹴散らす。
きりのない敵の出現に疲労の色が見え始めていた。
そして、龍希の変化が解け、八頭の龍だけが残る。
[主!]
八頭龍は主である龍希に触れさせないよう守りつつ、葉月にすべてをかける。
声が届くかはわからなかった、でも彼らは叫んでいた。大きな大きな咆哮で。
[龍希さん、意識不明の重体。八頭龍が消え去る前に治癒をお願いします。
そして代打をお願いします!いまここでやられては後がない!]
「俺、行きます。龍希さんを頼みます。」
「っはぁ!間に合った!水無月先生、野狐さんたちは無事に王宮に。
ルオン封印に取り掛かりました!
重!俺も行く!リーダーの後始末は俺らGANMAの専門特許だろ!」
イリヤバーデンをログアウトし、治療にかかった龍希に代わり、同じGANMAである重、水無月に王宮の現状を報告した連がログインする。
「龍希さん、九頭竜使ったんだよな?なんでそんな命がけで・・・。」
「美妃様を守るためだろう。あの人は愛情表現苦手すぎるんだよ。」
「流石、美心さんに惚れてる連さんの言葉には重みがありますなぁ・・・」
「イザ―レンの敵を殺す前に、お前を殺してやろうか。」
アドガメントの一人に治癒されている龍希は深い眠りの中で少し昔のことを思い出していた。
「連、重。お前らは俺の後始末担当な。」
「後始末?」
「そうだ、俺の龍変化は意識を失い、死亡する可能性がある。
俺は完璧にコントロールできない、だから暴力を喰らっていた。
お前らの出自が俺を似ているのは知っている、そんなお前らだから頼みたいんだ。」
痣だらけの体で頼み込んだ。それが脳裏に焼き付いていた。




