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Twice System  作者: 成崎夢叶
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出席簿:雨音雪華

「雪華ちゃんって雪女なんでしょ?」


「そうだけど、それがどうしたの?」


「じゃあ、私に関わらないで。


私を殺さないで。」


昔、そこそこ仲の良かった友達に言われたことだ。


雪女・雪男の操る雪は殺傷能力が高く、凍死させてしまうこともある。


それを知った友人から絶交を求められた。



「あなたは死を恐れるの?

なんで?その為に自分の友達に何したっていいって言うの?」


「はぁ?誰なのあんた、私と雪華の問題なの、口を出さないで。」


「ほんとに都合のいい人間なのねあなたは。

さっきまで絶好を求めていたのに、急に2人の世界に入るのね?」


廊下で話していたことが幸か不幸か、そこに現れたのは野狐と美妃だった。


その頃にはもう生徒会のメンバーで、ある程度の権限を持っていた2人は、私を庇った。


「そんな人間、エンデルアにいる資格なんてない。

他人の響力に口出せるほどあなた自身に余裕はあるの?

国の防衛のためにみんなが響力試験を学ぶ場、それがこの学園でしょう?


あなたより、雪華さんの方がよっぽど優秀に見えるのだけれども。」


「もう……もういい……やめて……やめて……。


そんなことを言ってなにかあなた達の得になるの?

私をそんなに蔑みたいの!?」


彼女は、野狐のワイシャツをつかみあげる。

それに対して野狐は一切表情を変えない。


彼女に平手打ちが飛んだ。


「あなたは十分恵まれているじゃない。

友達もいて、両親もいて、気軽に話せる友達がいて……


そんなこともわからない人に言われる権利はないかもしれない。

でもね、その縁って失ってから気づくものなんだよ。


だからさ、ここで道を間違えないで……。」


それからその子はエンデルア学園から別の学校へ移ったらしい。

詳細は知らない。私にできることは彼女の武運を祈ることだけだった。


「あの、雪女が怖くないんですか。」


私は野狐に聞いた。

あの子は飄々として答えた。


「そんなの、怖がる理由にならないじゃん?でたらめはもうおなかいっぱいだって。そうだ、君も生徒会に来ない?君のような子が多く集まっているの!

きっと、直ぐに馴染めるはず!」


そうやって私は改革の1歩を踏み出して行った。


だからこそ、負けられない。


「成哉先生、イリアバーデンは私たちが守ります。

パートナーとして、教師として、野狐を、野狐を頼みます。

あの子は、愛されなかったから、愛を与える人がいなかったから。

その人になってあげてください、純先生と共に。」


通信声に笑う声が聞こえた。


『わーってるよ。生徒に教えてもらうほど、俺も鈍感じゃねぇ。

なんかあった時は直ぐに水無月先生に言うんだぞ。』


『悪いけど、俺らはそっちに迎えなさそうだ。

俺と成哉、そして白狐、千鶴をこれから王宮へ向かわせる。

光雅から呼ばれているんだ、頼んだぞ。』


成哉先生と純先生の声を最後に気持ちを切り替え、目の前の的に集中する。

幹部クラスだろう、覇気はある。

ここで倒れる訳には行かないから。


「フッフッフッ……Let'sshow time!」


敵幹部が指を弾き、出現させた木人形に行方不明になった実兄がいても。


足が震える。手が出ない。どうしてイザーレンの元にいるの。

声が出ない、見かねた絵奈が手を下そうとする。


「やめて!絵奈!」


「でも雪華さん……お兄さんと戦えるんですか……?

家族でしょう?」


「ここで超えなきゃ、野狐に笑われてしまう。

知ってたのよ、兄がもうこの世にいないってことぐらい。

とっくの昔に。」


そう言って私は兄と私だけの空間を雪でつくりあげ、絵奈達が手だしをさせないように隔たりを作った。


覚悟を決めて。

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