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Twice System  作者: 成崎夢叶
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初めまして、そして、さようなら。

「本田先生?一体なんのために……」


「お前ら、狐の子なのは、何らかの関係で知っておるじゃろう?


おっと、この姿では対等ではないな。」


煙に包まれた本田先生を再び見ると、外見は40歳ほどの男性に見える。


「これで、口調も気を使わずに話せるな。


俺は守り人。対象は天狐の碑だ。」


「天狐の碑?それは一体どう言う……」


白夜が疑問を告げた時、一人の女性が部屋の扉を開けた。


初めて野狐は出会った、話は昔聞いていた。


「学園長……。」


「ごめんな、遅くなって。光秀、碑を開ける準備は。」


「出来てる。白夜……いや、白狐と野狐がいれば申し分ないだろう。」


そのあと、白夜が聞いた質問に対しての返答は2人を驚かせるものだった。


元々、エンデルアとアドガメントは兄弟校だった。

学園長の一族は、天狐の碑を開けられる力を秘めながら生きてきた。


この国が終わるような窮地に面する45年前、エンデルア側の一族の長は


響力『天狐』を持って生まれてくる。


そして『天狐』の響力を持った者は、天狐の碑の『守り人』と出会い、結婚する。


そして生まれた娘が、碑を開ける双極の狐の子の片割れである。


もう1人の片割れはアドガメントの一族の次男坊だ。


まるで仕組まれているかのように、本来男兄弟がふたりいることは無いあの一族に


次男坊が生まれてくる。


そして、その双極の狐の子が18になる夏のある日、


『天狐』が45年を生きた時、


大厄災が起きる。


その大厄災を命を持って止めるのが『天狐』と『天狐の守り人』であり、


決着がつき、2人は死ぬ。


その輪廻が何回も続いてきた。止められることなんて出来なかった。


その言葉を聞き、白夜はあることに気づく。


「じゃあ、野狐の両親って……。」


「そうだよ。孤児ということで隠していてごめんな。」


学園長である本田ほんだ 文野ふみのはそう告げた。


「隠すしかなかったんだ、お前に幼い頃に気づいて欲しくなかったから。」


野狐は泣き崩れる、生まれて初めて両親の姿である彼らと会った。

それと同時に悟った。

家族でいられるときがもう無いのだと。


話の通り事が進めば、両親は死ぬ。

なによりも、時間が無い。


「やだよ、死なないでよ、側にいてよ……お母さん、お父さん……」


孤児という身で周りにも誰もいない時が多かったから


悲しい時が多かったから


本当の家族と過ごしたかったから故の言葉だった。


泣き崩れる野狐の手を持ち、碑に触れたのは白夜だった。


「すまない、協力感謝するよ。白狐くん。


この戦い、キーパーソンは野狐だ。野狐のその響力をルオンは欲しがって


何度も我らに戦いを挑んで、なんども互いに致命傷を負った。


だからルオンは、多くの木人形をイリヤバーデンに送ってくる。


それを倒しながら守って欲しい。


これで最後だ、父親らしいこと、出来なくてごめんな、野狐。」


「ましてや、少ない時間をあなたの意見も聞けず、こんな形になってしまうこと。ほんとうに、ごめんなさい。父さんも、母さんもちゃんと野狐のこと、愛しているわ。あとはあの二人に任せるわ。隠れていなくっていいのよ、入ってきなさい。」


扉が開いたと思い、白夜が視線を向けるとそこには成哉と純が。


「いいんですか、もう。俺らにもっとできることとかあったはずじゃないですか!こんな形で本当にいいんですか……?」


「やめろ!成哉!お前だってわかってるだろう!どうしようも出来ないくらい!」


感情を露わにする成哉を純は静止する。


「野狐、顔を上げて。前を向くのよ。それじゃあね。


いつでもあなたの味方だから。


じゃあ、白夜くん。友達として野狐をよろしくね。


成哉、純。娘をよろしくお願いします。」


「分かりました……。」


そう言って泣き叫ぶ野狐、野狐を止める白夜に後悔の念が溢れるような瞳でしばし見つめたあと、成哉と純に決心したような表情を見せ、去っていった。


どこか、安堵したような笑みを最後に浮かべて、



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