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Twice System  作者: 成崎夢叶
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出席簿: 閑崎野狐

私、閑崎野狐には秘密がある。


Twice system 科の生徒にも言えない秘密だ。


「野狐、今日の帰り七時頃になるけどいい?」


「ちょっと。学校では閑崎で通してくださいよ……。


大体、生徒のみんなには山口先生と笹渡先生のことは秘密なんですから。」


今日は予定がないらしい、山口先生……純の車に乗って登校する。


成哉はどうやらやることがあったらしい。


学校では先生呼びで居るから窮屈で仕方が無い。


唯一知っているのは私の所属する特進クラスの皆だけ。


教えたと言うより成哉が口を滑らせたに近いけど、純も成哉も特進クラス担任だからそこそこ楽に過ごせている。



生徒玄関で一旦純と別れて玄関から校内に入る。


「野狐たん!おはよ!」


「……私を野狐たんって、愛姫、呼ぶのあんたくらいよ?」


「いいじゃん〜!んで?今日はどっちの王子様だったの?」


Twice system 科の多くは孤児院出身で身寄りのない人たちの集まりでもある。


愛姫だってそうだ。孤児院時代からの付き合いな彼女だけは


Twice system 科 特進クラスでは無いけれど、2人のことは知っている。



「王子様って言ったってねぇ……純だけど。」


「いいな〜大人の男性じゃん〜。」


「愛姫、あんたにだってパートナーいるじゃない。」


「いるけれど〜、翔太と大智は忙しいもの。


送り迎えなんてしてくれないわ。」


愛姫と話しながら階段を上がっているとふいに声をかけられた。


「あ、お前らここにいたのか。ちょうどいい。愛姫もいたんだな。」


「急に何?笹渡先生は忙しかったんじゃないんですかー?」


「お前な〜、知ってるメンツでその対応は傷つくから……


ってか愛姫、お前は今日から特進クラスに昇格になったから。」


さらっと大事なことを言って教室への階段を上がって行った笹渡……成哉を愛姫と全速力で追いかける。


特進クラスは昇格と落第が多い。

落第したから成績に関わるというのはあまりなくて、基本的に担任同士の気まぐれでしかない。


この学園の狭き門 Twice system 科と思われているが、意外とそうでもなかったりするのは私だけだろうか。そういったら同じクラスの友達に担任に愛されてるねぇと茶化されるだけなのだけれど。


教室に入れば成哉が愛姫の席の準備をしていた。


クラスのみんなもほとんど登校している。


あぁ、また何気ない一日が始まるのだ。


妬みと憤りで溢れた一日が。

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