爆発列車
実家へと向かう電車の中で、急に爆発音がした。
ざわざわと騒ぎ出す人々に埋もれそうになる。
「カラカラカラカラ……オマエ、稲葉ダナ?
我ガ一族二、栄光ヲ。」
美妃、美心に、剣を見せ付けたのは烏天狗族。
電車に次々と現れる彼らに戦闘態勢を取る。
[響力、『誘導』]
美心の誘導に、従い、乗客及び運転手は避難が完了した。
烏天狗族目掛けて後方から投げられた戦輪が、美心達の上空を超え、命中する。
馴染みのある武器を使う者に、思わず目を見開く。
「登場するなら、もう少し早く登場しても良かったんじゃない?連。」
「ええ、申し訳ございません。しかし、美心様。私めの戦輪は人が多いと被害が広がってしまう可能性が……。」
「いちいちうるさいんだからあんたは!姉様。姉様は先に実家へ。
この駅からなら、あと1駅。すぐ迎えるはずだから。」
上空を見上げ、美妃は微笑む。
「そうね、どっかの誰かさんがこうなることを見越して使いを送ってくれたみたいだしね。じゃあ、連。美心のこと、頼むわよ。」
「この、望月連、しっかりと。」
駅のホームに飛び出た美妃の元へ、見慣れた龍が1匹舞い降りてくる
「……龍希のやつ、素直じゃ無いんだから。」
美妃は龍に跨り、実家へと向かった。
「そういや、連。あんた戦輪しか使わないつもりなの?」
「おや?あれの使用許可と捉えて構わないと?」
「もちろんよ。」
「承知。」
連が懐から沢山の鉄球を出し、敵に投げつけたかと思えば、
[響力 『千手鎖鎌』]
背中に背負っていた鎖鎌の鎖を変形させ、鉄球と融合する。
帽子を取れば現れる立派な猫の耳
「お嬢に指一本触れさせない!」