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誕生日、おめでとう。
すいません、柊はヒイラギって読みます。
ヒイラギの他にもシュウとも読むので、湊はシュウニイと読んでいます。
説明足りずすみません
柊の声に、思わず目を見開く。
[やっと、見てもらえた。やっと、話せたね。]
目の前に確かに柊はそこに居た。
神主に礼をして、草履も完璧に履けきれてないまま柊の元へと駆け出した。
[落ち着いて、水無月。俺は消えたりしないよ。]
泣きじゃくる水無月を抱きかかえ、生家の方へ向かう。
「父様……!?父様……なんで、どうして……!」
正門にいたのは、紛れもなく紅葉だった。
[霊媒はな、親しい人とならば、触れている限り見えるんだよ。
そうだ、紅葉。今日、誕生日だろう?おめでとう。
しばらく言えなくてごめんな。]
そうして紅葉の頭に手を置こうとした瞬間、どこからともなく飛んできた弓矢を
ギリギリのところで止める。
[これは……]