最弱のカタ
投稿は遅らせるものっ!!!!!!!!!
ごめんなさい!!!!!!!
【ウロボロス】に向かう途中、僕はスキルを試すために自分自身を鑑定してみた。すると、驚くべきことがわかった。
名前:アインハルト・レイダガー
性別:男
種族:ヒューマン
レベル:19
体力:102
魔力:42
筋力:21
敏捷:100(+79)
精神:67
器用:177(+121)
スキル:【鑑定の心眼】【短剣術】(【金属加工】【振り直し】)
と表示されたのだ。【鑑定の心眼】は今やったように人や物、魔物の種類やスキルやステータスがわかるようになるスキルだ。どの職種でも重宝されるし、レア度も高いが、僕の目標には使い道のないスキルだ。
しかし、括弧の中の数字とスキルは短剣には表示されなかったぞ? どういうことなんだろう?
人には見られないスキルとステータス値?があるのかな。
にしてもこの【振り直し】ってどういうスキルなんだ?全くわからない。
すると教えてくれるように説明が目の前に現れた。
『【振り直し】とは、ステータスの横の括弧内の数値、経験ポイントを自由にステータスに振りなおせるスキルです』
ほう。経験ポイントっていうのか。これでステータス値に補正がかかるのかな。
物は試しと僕は【振り直し】を発動する。
すると、目の前に自分のステータスがホログラムのように現れた。上のほうに『振り直し可能ポイント:200』と書かれている。試しに敏捷に1振ってみると数値が199に変化した。振り方は単純でステータスの項目をタッチして数字を選択するだけ。これだけの操作で僕は敏捷型を抜け出せる。
この世界では、一般的に敏捷型は弱いとされている。理由は魔物が全体的に速すぎるからだ。レベル1で既に敏捷200とかよくある話で、逃げるのにも使えないし戦闘では大したメリットもない。そもそもパーティを組むことが大半なので、敏捷は必要ないとしか言えない。
でもまぁ、急ぐものでもないし、もう迷宮の前に着いたしで僕はスキルを使わずに迷宮【ウロボロス】の中に入る。
【ウロボロス】は石レンガで出来た洞窟型の迷宮で、一般的な雑魚モンスターから、アンデッドまで。ほぼ全てのモンスターが沸く。この迷宮は今や、全世界で僕だけが知る迷宮だ。もっともアンデッドなんてもっと深い層じゃないと出ないっぽい。少なくとも一層には出ない。一層で出るのは確か……
「キュッ!」
「あぶなっ」
思い出そうとした瞬間奴らが攻撃を仕掛けて来た。僕の顔面をめがけて、赤い火の玉が飛ばされて来た。僕はそれを首を捻ることで回避する。
攻撃を放ったのは真っ赤なスライム。そしてその側には剣を持ったゴブリンと槍を持ったゴブリン。
ステータスはこんな感じだ
—————————————
名前:メラスライム
レベル:2
スキル:【火魔法】派生【火炎球】
—————————————
名前:ソルジャーゴブリン
レベル:5
スキル:【片手剣術】
—————————————
名前:ランサーゴブリン
レベル:4
スキル:【槍術】
—————————————
こんな感じだった。
魔物にはヒューマンと同じように筋力や敏捷は存在しない。存在しないというよりかは成長しないのだ。
言うなれば、最初からクライマックス。伝説級の魔物なんてレベル1の頃から全てのステータスがカンストしてるとかごくごく普通の話です。はい。
敵を観察したら、戦闘開始。
もちろん、先制攻撃を譲るわけにはいかないので、僕は唯一の取り柄の敏捷をフル活用して、一気にソルジャーゴブリンに近づく。そしてソルジャーゴブリンの心臓めがけて、短剣を突き刺した。全てのゴブリンの弱点は人間と同じ位置にある左胸の心臓だ。心臓といっても魔物の心臓とは魔力の結晶、魔石だ。魔石は倒すと一定の確率でドロップする。
今回も弱点を一撃で貫いたからゴブリンは苦しそうに呻いてから真っ黒な霧となり、床に魔石を置いて消えて行った。
だが、油断はできない。僕はすぐそばのメラスライムめがけて短剣を振り下ろす。これも見事にメラスライムを一刀両断する。【短剣術】持ちの成せる技かもしれない……
僕はスライムが倒されたかを確認せずに、そのまま短剣をランサーゴブリンに向かって投げつける。
僕のステータスでアホかというほどある、器用は全体的な作業などの効率をあげるものだ。だが、投擲などにも使える。コントロールが正確になるからな。腕の振りは敏捷を生かすことでしっかりと威力も底上げされる。敏捷が800あったら龍の鱗ですら貫く最強の技になるかもしれない。ロマンだなぁ……
投げた短剣は見事にランサーゴブリンの左胸に突き刺さり、そのままランサーゴブリンも黒い霧になって魔石を落とす。
落ちている魔石はイーチ、ニーィ、サーン。3つある。これで戦闘終了だな。
「お、属性持ちの魔石だ!! 今日は運がいいな!」
僕が奥へ進もうとした時、声が響いた。
『汝、力を求めんとするものよ。我が元に来るがよい。さすれば力を授けよう』
その声は、どこからか発せられたものではなかった。
その声は、僕の脳から響いていた。
その声には、明確な無念と殺意、そして希望が篭っているように感じた。
だから、僕は
「なら、あなたの場所を教えてください!」
声を張り上げて、声に応える。
……思えば、この軽薄な行動が僕の運命を大きく歪ませたのかもしれない
次はちゃんと投稿するさ……