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91話 ボス

今回ドラゴンの話なんで

ほぼドラゴンの会話です。


ブォォォンッ!!!



我ながら凄まじい羽の飛行音!

いつもならこの飛行音に

愉悦感を感じながら空を飛ぶ。



背中にはルナディナ婆さんも乗ってない

最高の飛行日和……だが、今日は違う…






バサッ!!バサッ!!バサッ!!

バサッ!!バサッ!!バサッ!!



「ガォォォォ!!」


ヨダレをブチまけて後ろから

大人のドラゴン数10体が

俺を追いかけて来る。



「ちょっとお前ら!!

いつまで俺を追いかける気だ!?

(ドラゴン語)」



俺は必死に逃げながら

後ろのドラゴン達に問いかける。



「いつまでもぉー!!

いつまでもぉー!!(ドラゴン語)」


「永遠にぃぃぃぃ!!(ドラゴン語)」



畜生!!何でこんな事になったんだ…







………数時間前…



荒野……辺り一面の荒野の

下品なドラゴン達が溢れる中

美しい一輪花がいた…



「へい!そこの可愛い

お姉さん!」


ドラゴン・ヘルで見かけた

30体程のドラゴンの群れの中にいた

俺より体が2倍程デカい雌の

ドラゴンに声をかける……


しまったぜ…このドラグニング様と

した事が…序盤から飛んだミスだぜ…

これじゃあまるで、軽いナンパ…

いや、ナンパしてるんだが

クールさに欠けるぜ……。



「あら?おチビさん

あなたの方がよっぽど可愛いわよ?」



ドラゴンの雌が振り向く…

天使だ…限りなく天使だ……

いや、人間目線から見たら

怖いお顔かもしれないが

ドラゴン目線から見たら

絶世の美女だ。


俺のハートは撃ち抜かれた。

齢6歳にして、素晴らしい雌を

見つけてしまった…。



「あなた、この群れの子供じゃ

無いわね?

あんまり別の群れの中で

ウロつくんじゃないわよ?

気性の荒いドラゴンと

出くわしたら食べられ…」



「俺と!!つがいになってくれ!!

一目惚れしたぜ!!」



雌は一瞬ぽかん…っとする。



しまった…勢いで告ったが

これもクールさに欠けるまくりだぜ…



「あらあら…

でもあなたはまだ幼龍だわ。

そんな事したら

他の大人に殺されるわよ?」



「俺は確かにまだ幼龍だが

結構凄いんだぜ!」



雌のドラゴンはやれやれと

いうような表情をする…



「あなた、火は出せるの?」



………………………

「出せまてん…。」



周りのドラゴン達が

クスクス笑い出す。


何だよこいつら!

別に火が吹けなくても

いいじゃねーかよ!





………………………ん?




何か遠くから赤い玉が……

向かってくる?


ヤバい気がする!!?




俺はすぐさま空中に飛ぶ…





ドッゴォォォォンッッ!!!





赤い火の玉がさっきまで

俺がいた場所をぐしょぐしょに溶かす。



「だ、誰だよ危ねぇじゃねーか!?」





「火の吹き方も知らねぇ

お前みたいなガキには教育が

必要なのさ、今のは警告

ガキが雌に近づくんじゃねぇ。」



群れの奥から雄のドラゴンが現れた。



「ほら、言わんこっちゃない

このままじゃ

あなたあいつに食われちゃうわよ…

あいつは群れの雄の中では

たいして強くないけど

あなたみたいな、生意気な子供を

殺すのが趣味なゲス野郎よ。」



マジかよ…

マジでそんなゲス野郎いるんだな…

だが、ここで引き下がると

クールキャラじゃ無くなっちまうぜ!



「忠告ありがとよう…

だが、俺があいつをぶっ飛ばせば

問題は無いって事だな。」



決まった…クールに決まった。



「おい、てめぇ今俺をぶっ殺すだと?」



雄のドラゴンが怒り狂ったかのような

表情で俺を睨みつける。



「いや、ぶっ飛ばせばな?

さすがに殺すは可哀想かな?っと」



「舐めやがって!決めたぜ!

俺はてめぇをぶっ殺す!!!」



雄のドラゴンは大きく口を開けると

火の玉を連射する。




ドッドッドッドッゴォォォォン!!!



俺はそれを全て躱しながら

雄に近づき、雄の側面に回り込む。



「な、なんだこいつ!?速い!?」



バシュッ!!



俺はそのまま雄のドラゴンの

左目に蹴りをぶち当てる!!



「ぐぁぁぁぁ!目がぁぁ!」



雄のドラゴンはのたうち回りる…



「俺が速い?てめぇが

遅すぎるだけだぜ…

研修期間中の

アルバイト店員のようにな…。」



俺はそのままクールに着地する…

今のクールさはヤバい…

自分で自分に痺れるぜ……!



他のドラゴン達も唖然とした顔で

俺を眺める……



「おい、今の見たか?

あいつヤバいって…」



「やっちまったな……」



「あいつ殺されちまうぜ?」



ん?噂してるドラゴン達が

異様な焦り方をしているような…



ブォォ!!



俺がいる周りが突然何かの

影に隠れて暗くなる。



た、確かに何かヤバい!!?




バキャァァァァァンッ!!!




空から他のドラゴンより

10倍以上デカい黒いドラゴンが

巨大な足で着地と同時に

蹴りをかましてきた。



俺は間一髪で避けたが

さっきのゲスなドラゴンは

グチャッと踏み潰された。



「な、何だこいつ!?」




黒いドラゴンはこちらをギロッと

睨みつける…

そして体の所々から煙が…


さっきの流れ弾が当たったんだ…

それでご立腹って訳か……



「おい!あのガキ!ボスを

怒らせやがった!」



「ヤバいって!!

とりあえず離れないと!」



他のドラゴン達が背を向けて

距離を取る………

そんな中…そのボスとやらの目は

じっくり俺を見つめている。





そして、俺は、

こいつを見た瞬間から、こう確信した…




まともにやったら絶対勝てない!




俺も距離を取ろう!



足に力を入れて後ろに

飛び立とうとした瞬間……




ブンッッ!!!




巨大な翼のなぎ払いが炸裂した!

間一髪で避ける事が出来たが

回避が一瞬遅れていれば

即死だった!!?




黒いドラゴンはそのまま

俺に向かって突っ込んでくる!!



「ちょっと待ってくれよ!

ボスさんよ!

あんたに流れ弾が当たるとは

思って無かったんだよ!!」




「流れ弾が当たるとは思って無かった?

そんな事はどうでもよい!!

我に!特別な力を持つ

我に流れ弾が当てたと言う事が

万死に値する!!」



特別な力?体が

デカいだけじゃねぇのか?

それにしても頭の

ネジが外れたやつだぜ!

あれか!中二病ってやつか!


それはともかく

俺の小回りの効く小さな体を

最大限活用して逃げるしか無い!!



俺は全速力で飛び回り逃げようとした…

次の瞬間………




ブォォォンッ!!




黒いドラゴンの体から

漆黒の霧が発生する。



ま、まさか!?



周りのドラゴンが数匹

霧に飲まれてカラカラに

干からびて死ぬ…。



そして、黒いドラゴンの

スピードが格段に速くなり

超高速の蹴りを俺に向かって放つ。



「や、やべぇ!!」




ズバァ!!!




攻撃が掠った!


その拍子に俺が常に背中に背負っている

ミローナの斧と体につけられた

装飾類がばら撒かれる!



そして、体制が崩れた俺に

向かって、すかさず第2撃目の攻撃

黒いドラゴンの尻尾がムチのように

風を切って俺に襲いかかる!!




「サンダー・クイック・ウイング!!」





ビリビリッビリーー!!!!




次の瞬間…


黒いドラゴンと周りのドラゴン達は

俺を見失ってキョロキョロする。




「お!おい!見ろ!

あのガキあんな所にいるぞ!」



「か、体が、雷のように

光ってるわ!」



見物人のドラゴン達が俺を見つけた。


俺はさっきいた場所から

30m程離れた岩の上にいる。



不幸中の幸いってやつだぜ…

さっきの攻撃が掠った時に

攻撃を受けた部分が偶然ミローナの

斧に当たり、ダメージが軽減。

ちょっとした打撲程度の軽傷ですみ、


さらに金属性の飛び散った

装飾の破片がこの岩の方に

飛んでいき、

サンダー・クイック・ウイングを

発動して破片に乗り移って

第2撃目の攻撃を回避した…


俺の魔法…

サンダー・クイック・ウイング…

自分で使うのは久々だぜ…

普段はミローナのスピードの

遅さをカバーする為に

俺の魔法をミローナが使っているが…。




「貴様も我と同じ

特別な力を持つ者か!?」




「ふぅ……特別な力か…

まぁ、確かに普通のドラゴンとは

違うかもな。」



そう、普通のドラゴンとは違う…

普通のドラゴンが何故、

炎を吐けるのかというと

生まれつき炎魔法が使えるように

DNAに刻み込まれているからだ。


そして、ごくごく稀に

突然変異で違うタイプの魔法が

使える個体が生まれる事が

あるらしい。


魔法は1個体に1種。

突然変異したタイプの俺達は

他の魔法が使える代わりに

炎魔法が使えない為

炎を吐く事は出来ない。


そしてあの黒いドラゴンは

闇魔法に突然変異したタイプらしい…

闇魔法を極めたアミネラさんとは違い

霧状の魔法しか

使えないんだろうが、

それでも充分恐怖だぜ…


あの霧に一瞬でも触れれば

生気を吸われ、即ミイラだ。

さらにその吸い取った生気を

黒いドラゴンが吸収して一時的に

身体能力がアップする仕組みか…。


シンプルでわかりやすい魔法だが

極めてやっかいだぜ…

本体がただの人間ならまだ

勝ち目はあるが

相手は超巨大なドラゴン…

超硬質なドラゴンの皮膚を

貫いてダメージを与える事は

ほぼ、不可能な上に

あの霧のせいで、近づいても

俺の魔法で感電させる事は

不可能…。



対して、俺の魔法は

金属や伝導率が高い物質同士の

間を電気のスピードで

移動する事が出来るが

この何もない荒野では

移動出来る対象物が少なすぎる…

所々に散らばった金属性の装飾は

小さすぎて移動出来ない物や

あの黒いドラゴンが

踏み潰していたりして

移動範囲は限りなく少ない…


このまま背を向けて逃げる事も

考えたが魔法無しでは

あの黒いドラゴンのスピードを

振り切る事は不可能……



つまり逃げる選択肢は無しだ。



幸いな事に奴は今、俺をじっくり

見つめているだけで動かない。


俺の能力が何かわからない

今、むやみに襲いかかるのは

得策ではないと思っているんだろう…

プライドが高いだけのバカかと

思っていたが、さすが群れの

ボスをやっているだけあって

戦闘経験豊富で

用心深い奴みたいだぜ…


だが、戦闘経験豊富なら

俺の能力がどんな能力か

大雑把にも予想はできているはずだ…

ただ、詳細がわからない為

様子見をしているってところだろう。


あと1回でも他の破片に

移動すれば、さすがに俺の能力が

どんな能力かわかる。


そうなれば、終わりだ…

いくら電気のスピードでも

この狭い移動範囲なら

必ず捕まる。

そうじゃなくともこのままあいつが

ゴリ押しすれば俺なんか

ひとたまりもない…。


クールじゃねぇが

このままこいつと戦うのは

なるべく避けたい。



「あんた確かボスだっけ?

こんな戦い無意味だ。

もう、止めようぜ。」



距離を取ったまま黒いドラゴンに

交渉を仕掛ける。



「無意味?この戦いがか?

我には無意味では無い!

我以外に特別な力を持った

ドラゴンを生かしておく

訳にはいかぬ!」



チッ!なんてワガママな野郎だ!



「無意味だね!

俺はもう2度とあんたみたいな

おっかない奴には会いたくないぜ!

あんたが強いのは身に

染みてわかった!

つまり、俺はあんたに近づかない!

ここで戦いを終わらせれば

お互い2度と会わない!

つまり、俺とあんたは 無関係!

無意味な戦いだ!」




「我には貴様を逃して特が無い…」





「は?」




「我が貴様を見逃して

我に特をする事が無い。

ならばこのまま貴様を

殺せば、すっきりするだろう。」



チッ!飛んだクソ野郎だ!

仕方がない!交渉の仕方を変えるか…



「このまま俺を追い続ける事に

よって、あんたに

大きな損はあるぜ!」



「大きな損だと?」




「俺はあんたを殺す事が出来る!」


……………………



「貴様ぁ…この後に及んで

我に勝てるとでも?」



「勝てる訳では無い…だが俺が

お前を殺せる最終手段はある!

その方法は、俺の命と引き換えに

お前と心中する最終手段!

俺も出来ればそうしたく無い!

だが、このまま一方的に

殺されるくらいなら

てめぇも俺の

魔法で道連れにしてやるさ!」



これはハッタリだ。

そんな最終手段なんか

俺の魔法には無い……

しかし、俺の魔法の特性を

まだ、完璧に理解して無い相手なら

必ず警戒を強めるはず…。


さらに自分の命と

引き換えと言う事にすれば

何故、今までその技を使わなかった?

という疑問も無くなる。

我ながら完璧なハッタリだぜ…

あいつもさすがに俺と心中する

覚悟は無いだろう…。




「その最終手段とは

どういう手段だ?」



やっぱり聞いてくるよな…

だが、ここも嘘でやり過ごす!



「俺には、その特別な力が

何かわかる、魔法って言うんだ。

そして魔法をなんか暴発させて

バーンってやる……?」




「魔法?特別な力の事か?

その魔法と言う呼び名を

どこで知った?」



チッ!

めんどくせぇ

質問ばかりして来やがるぜ!



「に、人間からだ!

俺は人間に育てられた

ドラゴンなんだ!」




…………………………………………………


辺り一面、時が止まったかのように

静かになる……………。




「人間……?」



黒いドラゴンが問いかける。



「ああ、人間ってのは

二足歩行してて小さくて……。」




「10年ほど前…我の父は人間に

殺された……。」



「へ?」



「黄金の髪の人間に殺された!」



げげっ!!??

マジかよ!!ヤバい雰囲気!!?


そして多分それ

うちのルヴィネ姉さんです!!

ごめんちゃい!!



「父の仇の種族!人間に

育てられたドラゴン!!

例え幼龍でも万死に値する!!」



マジかよ!!マジかよ!!マジかよ!!

思わぬ形で交渉決裂!!!



やるしかねぇ!!


どうせ戦うならここでやるしかねぇ!!

この交渉が決裂した今の瞬間に

俺が腹をくくって奴と戦う

そぶりを見せた時点でアウト!!


この普通ならビビって

判断が遅れるこの瞬間に

奴が再び構える前に……



渾身の不意打ちをぶっ放す!!





ビリビリビリーーッ!!!




サンダー・クイック・ウィング

最大出力の全力スピードで移動する!


移動先は、奴が踏みつけた

ゲスなドラゴンの死骸の血だまり!

例え、それが血でも液体は電気を通す!




ビュンッ!!



そして俺は見事に黒いドラゴンの

真横に移動!!

ここまで来ればやれる!!




ビリビリッ!バッビュンッ!!




俺は両足から電気の球体を放つ!


これは、

サンダー・クイック・ウィングの

唯一の遠距離攻撃!!

電気を足に貯めて球体にして放つから

遠くの敵に攻撃出来るが

威力は少し低めだ!


しかし!この距離なら充分!

俺が狙った先は奴の目なのだから!!


闇魔法の霧に触れれば吸収

されてしまうだろうが

全身に闇の霧を纏っていても

目だけは纏っていない!

黒い霧で視界が遮られるからだ!


そこをピンポイントで撃つ!!




ぼしゅぅぅ…………………………ぼ……




「へ?」



霧に触れてないのに

目に当たる瞬間に電気の球体が

吸収された……


まさか…霧に近づくだけで

吸収されてしまうのか!?




「今のが最終手段か?」




黒いドラゴンが俺を見下す。




ビリビリッッ!!




急いでさっきと違う場所に落ちた

金属性の装飾の破片に移動して

距離を取る。



「貴様の魔法とやら……

正体がわかって来たぞ……

素早く移動出来るが、

移動出来る条件は限られている。」




ギクッ!



「そして、我を殺せる

決定的な攻撃は出来ない。」



………………………………………………

やっぱりな…まぁ、ここまで来れば

バレるわな…。




「だが、俺はお前を殺せる

最終手段が残っている……。」



「最終手段?この後に及んで

まだそんなハッタリが通じるか!!

貴様の魔法とやらの

総量を全て費やしても

我に傷1つ負わせる事も不可能!!

ただのハッタリ!!」



黒いドラゴンが猛スピードで

俺に向かって来た……



ビュンッ!!




俺は全力で真上に向かって飛ぶ。



「貴様!逃げても無駄だ!!

貴様に脅威が無いと

わかった以上!

我は躊躇なく

貴様を殺しに行ける!!」



黒いドラゴンも俺に向かって

真上に飛ぶ。


そして瞬く間に距離が縮まる……



ガシッ!!



黒いドラゴンが俺を

脚で鷲掴みして来やがった!



「捕まえたぞ!このまま生気を

吸い尽くしてやる!!」



……………………

「お前…さっきハッタリって

言ってたよな?

『ただのハッタリが通じるか』

だったけかな?」



「ああ、そうだ!それがどうした!

幼龍めが!!」



「いや、不運な奴だなと思ったんだ…

確かにさっきまでは、

ただのハッタリだったんだ…」



「だから何が言いたい!!」





「たった今、お前を

ぶっ殺せる秘策を思いついて

しまったんだ……

だから不運だなと…

例え、あんたみたいな

クズ野郎にでも同情するぜ…。」




ビリビリ……




「き、貴様!何故!!

霧に触れているのに

干からびない!?」



そう、俺は通常ならとっくに

干からびている頃だ。



「今お前が吸っているのは

俺の電気!!

俺の生気の代わりに

最大出力で放電中の電気を

お前は吸い続けている!

だから俺は、お前にしばらく

触れても干からびない!!」



さっき電気の球体が吸収された時に

気がついたんだ…

霧に近いてから吸収されるまで

ほんの少しだが、時間がかかった。


つまり、電気を出し続ければ

霧は電気を吸収するので

手一杯となり俺自身には届かない。



「だが、それがどうした!

何の解決策になる!

我は貴様の電気が尽きるまで

吸い尽くすのみ!!」



…………………

「確かに…あと数10秒で

俺の魔力が底をつく…

だが、充分だ……

それだけあれば、

お前を地獄に落とせるぜ!」




ビリビリッ!!ビュンッ!!!



黒いドラゴンに掴まれたまま

サンダー・クイック・ウィングで

地面に急降下する!



「今頃、俺を離しても無駄だぜ…

俺がお前を離さないからな。」



「貴様!!

我と共にこのまま地面に

激突する気か!?」



「地面に激突する?

俺がそんなに優しくはないぜ!

わざわざ、お前が大好きな

お前の縄張りの地面に

叩きつけてやる程

俺は優しくは無いぜ…。」



「どういう事だ!?」



「つまり…

お前が落ちる場所は

お前が大っ嫌いな

人間が作った物の上って事さ!!」





ドッゴォォォォン!!!!






激しい落下音が鳴り響く…。







「き、貴様ぁ!!」




ブシューッ!!!




腹から血を吹き出しながら

黒いドラゴンが俺を睨みつけ…

腹には、白銀の斧が突き刺さっている。




そう、白銀の斧も

もちろん金属…

サンダー・クイック・ウィングで

白銀の斧に移動したんだ。


さらにラッキーだったのは

斧の刃が岩に刺さって

反対側の刃が上を向いていた事だ。

だから刃が見事に

固い鱗を突き抜けていた。





そして、俺は白銀の斧に翼を

触れさせる……。



「じゃあな、中二病ドラゴン…。」





ビリビリビリーッッ!!!!!





プシュゥゥゥ………



ピクピクッ……


斧を通して電気が黒いドラゴンに

走り、泡を吹いて失神する。


殺すてか言ってたが…

もう、そんな魔力は残っていない。

失神させただけで充分だろう…。




「す、すげぇ!!!」



…………

観戦していたドラゴンが叫ぶ。



「あいつが新しいボスだ!!」



「きゃー!!可愛くてカッコイイ!!」



雄も雌も群れ全体で俺を囲む…。



「え?ちょっと新しいボスは勘弁…。」




「何言ってんだー

ボスを倒せば

新しいボスになるのは

当然じゃないか!!」



マジかよ……

自然界の掟ってやつかよ…。



「おチビさんあなたやるじゃない…

惚れ直したわ。」



お!さっきの可愛い雌ドラゴンちゃん!



「じゃ、じゃあ!

この俺と!このドラグニングと

つがいになってくれ!」



ラッキー!これはラッキーだぜ!

死ぬかと思ったが

死ぬかと思うかいがあった!




「いいえ!新しいボスのつがいは

私よ!」



他の雌が出てきた。



「へ?」

…………………



「いえ!私!」



「いやいや私よ!」



「わたす!ざんす!」



どんどん色んな雌が出てきて

あっと言う間に10体以上になった…。



「ごめん!また今度くるぜ!」



ぶわぁぁ!!



俺は急いで逃げるが体力が残ってない…



「待ってー!ドラグニング様ぁ!!」



「私達を置いて行かないで〜!!」



すぐに雌達に追いつかれる…。





………………………………………………………



それから数時間…現在に至る…。



「ちょっとお前ら!!

いつまで俺を追いかける気だ!?」



「いつまでもぉー!!♡

いつまでもぉー!!♡」



「永遠にぃぃぃぃ!!♡」



とうの昔にドラゴン・ヘルから

出たというのに、まだ雌達は

ずっと追いかけてくる…。

夢見ていたハーレムが

こんなにも辛いなんて!!

俺はたった1匹を愛したい

純愛派なんだよ!!





「おーい!ドラグニングー!!」



ん?森の茂みに

ルヴィネ姉さんがいる?

何でこんな所に?



「何かさー、ドラゴン・ヘルから

ドラゴンが数体出たから

様子見てこいって

冒険者ギルドから

メッセージが届いたから

来たんだけど。」



おお!ルヴィネ姉さんが

来たからには大丈夫だ!

ルヴィネ姉さんの強さを知ったら

みんな逃げ帰ってくれるぜ!



「お前ドラゴン

友達なんか居たんだなー

一応問題

無さそうだから

見逃すけど

騒ぎ起こさないように

ちゃんと注意しろよー。

じゃあ、私帰るから

晩ご飯までに帰って来いよー

じゃあな!」



シュンッ!!



ルヴィネ姉さんが風の様に消えた…



「ちょっと違うって!

ルヴィネ姉さん!?

おーい!ちょっと!!」



ルヴィネ姉さんは戻って来ない…

いや、聞こえても俺の言葉は

通じないんだが…


どうやって、雌達から

逃げ切って家まで帰ろうか…




「ちょっとドラグニング様!

今のが人間!?

ルヴィネ姉さんって呼んでましたが…

さっきの人間は

何を言ってたんですか?」



雌の1匹が質問してくる…。



「えっと…それは…」




「あんたバカね…

きっとドラグニング様の

お姉様は、私達を見て

まだまだドラグニング様に

近づいてもいい様な雌は

この中に居ないと

判断したのよ…。」


は?


「な!?だ、だから…

私達がお姉様にとって

見るまでにもいたらない…

だからすぐに姿を消したのね…。」



「そういう事ね…

つまり、ドラグニング様と

お近づきになるには

さっきのルヴィネお姉様と

言う方に認められなければ

いけないみたいね…。」



いやいや…

何それ?おかしいだろ…。



「ごめんなさい…

ドラグニング様…

私達はまだ、ドラグニング様に

近づいていい雌じゃない…

だから逃げてたんですね…。」




「いや、別にそういう訳じゃなくて

俺はただ単に……。」



め、面倒くさい事になってきた…



「そうと決まれば

誰が1番最初にルヴィネお姉様に

認められるか競争よ!」



「ふふ!負けないんだから!」



「望むところよ!」



なんか……セリフだけ聞くと

青春スポコンみたいだ…。




「じゃあ、ドラグニング様!

また会いましょう!!」



バサッバサッ!!



そう言って雌達は

ドラゴン・ヘルに帰って言った…。





………………………………………………………

後日…毎日の様に

アダヴィダ村にて

ルヴィネ姉さんの前で

木や石の装飾でオシャレした

雌達のファッションショーが

開かれるのは別の話である。

ルヴィネ家前にてほぼ毎日

ドラゴンファッションショー中…



みのたん「ルヴィネ…あのドラゴン達 は?」


ルヴィネ「なんかわからないけど見てると楽しいぜ!」


ルナディナ「左から2点、4点、1点、5点、1点、6点、3点…」

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