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9話 頭がおかしくなりそうだ

昨日の模擬戦でルヴィネは、

すごい根性を見せつけてくれた。

昼に「戦い方を教えてくれ!」と言われて、ごはんを食べてから

模擬戦をずっとやっていた。

僕はまだまだ平気だけど、

ルヴィネは、

ハァハァ息切れしながらも

一切休まずに打ち込んでくる。

人間の身体でこれだけ動き続けるのは、

どのくらいしんどいのだろうか?

人間になってみないとわからない…

とにかくルヴィネを見ている限り、

かなりしんどいだろう…

僕は止めようと思ったが、

こんなに一生懸命頑張っている

ルヴィネを止めたくなかった…。


太陽が沈み、空が暗くなり、

月が出てきた頃に

ルヴィネがやっと止まった…、

と思ったら突然倒れた。

死んだんじゃないかと

ヒヤッとしたが、ちゃんと生きてる。

どうやら寝てしまったようだ。


「オツカレサマ」


と僕は眠ったルヴィネに言って、

明日の朝ごはんを多めに取ってから

ルヴィネから2m程離れた場所に

仰向けになって寝た……。




……………………?


胸がなんだか、くすぐったい……

ドロドロする…

目を開けるとルヴィネが

僕の胸の上にほっぺたをあてていた、

ドロドロはよだれのようだ…。

心臓が高鳴り、

次にどう行動したらいいのか

わからない。

ルヴィネの顔を見る…

ルヴィネはついさっき起きたようだ。

寝起きのルヴィネ…

なんて可愛いんだ……

あまりの可愛いさに、つい呆然と

眺めてしまった。

ルヴィネはやってしまったという

ような顔をしてゆっくり立ち上がった。


「おはよう…

あー、朝からすまん…

寝相が悪くてな…」


ルヴィネは謝った。


そんな!むしろ嬉しかった!

というか生きててよかった!

と思ったが

そんな事言ったら初日のように

ドン引きの目をされてしまうので…、


「イイヨ…ルヴィネ」


気にしてないそぶりで僕はこたえた。


「あのー、今日も

稽古つけてくれるか?」


ルヴィネが聞いてきた。

ルヴィネにとって強くなるという事が

何でそんなに大事なのかはわからない…。

ルヴィネがやりたいと言うなら

この命尽きるまで付き合いたい…

だが昨日の様子を見る限り、

僕より先にルヴィネの命が尽きそうな

気がする…。

今、目の前のルヴィネは、

いつも通り元気だ。

ぐっすり寝たら

ちゃんと回復するみたいだし

様子を見ながらルヴィネが本当に

危なそうになる前にやめさせよう。


「ルヴィネ…ヤリタイナラ

ナンデモヤル…」


今は、こうこたえておこう…。


「ありがとう!みのたん!」


ルヴィネがキラキラした瞳で

僕の手を掴んだ。

ダメだ…ルヴィネを見ていると

頭がおかしくなりそうだ…


可愛いすぎて……。


このまま見つめていたら

本当におかしくなりそうだから、

僕は立ち上がって、昨日取って来た

食料をルヴィネに渡した。

ルヴィネは苦笑いする。


マズい…僕は今何か

やってしまったのか⁉︎


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