81話 お祖母様、同感です
「おぎゃあー!おぎゃあー!」
ミノノ、ミウウ、ミロロの
泣き声で目が覚めた。
三つ子が泣くのは、
いつも朝6時を過ぎた頃。
そして、パジャマ姿のルヴィネが
僕の胸板の上でよだれを
垂らして寝ている、
これもいつもの事だ。
ルヴィネは、三つ子が泣いても
必ず朝の7時以降にならないと
目を覚まさない。
その隣でミローナも寝ているが
ルヴィネと同じく
7時以降じゃないと起きない。
三つ子は毎朝、
お腹を減らして泣き出す。
ルヴィネが起きるまで
授乳が出来ないから
前の晩に搾乳しておいてもらって
三つ子に飲ませる。
すぐに飲ませられるように
哺乳瓶は枕元に置いている。
季節にもよるが
常温でも半日以内なら大丈夫らしい。
(お祖母様の知恵袋)
そして、飲ませる直前に
哺乳瓶をミローナの体温で温める。
僕達大人より、子供の方が体温が
高いからすぐに温まる。
こうして、毎朝三つ子に母乳を
飲ませるのが1日の始まりである。
しかし、今日は違った…。
哺乳瓶の中身が空っぽだ……
昨日はちゃんとルヴィネに
搾乳してもらったはずなのに…
これは一大事だ…
ルヴィネが起きるまで、あと1時間……
無理矢理起こすか?
ゆっさゆっさ
「ルヴィネー……起きてー。」
ルヴィネを揺さぶってみる。
「うへへへ……
キャメッション……
アゴが伸びてるぜ……。」
ルヴィネは夢の中でキャメミールさんの
アゴを変形させているようだ…。
「あ、ごめんって……
泣くなよキャメッション……
アゴ治すから……。」
寝言は言っているが、
ルヴィネが起きる気配はない。
仕方がない…
直接ルヴィネの母乳を飲ませるか…。
ぷちっぷちっ
ルヴィネをベッドの上に仰向けに
寝かせてパジャマのボタンを
胸の部分だけ外す。
ここだけ見ると勘違いされそうだけど
どうせ2人とも
あと1時間するまで起きないんだ
大丈夫…。
それに夫婦だし。
「うへへへ…くすぐったいぜ…
キャメッション…。」
ルヴィネが寝言を言っているが、
そのままボタンを外す。
ぱちっ
ルヴィネの目がぱっちり開く。
そのまま、僕を見つめて数秒間止まる。
「み、みのたん…
えーと……隣に子供達が居るんだから
今、そういう事するのは
どうかと…。」
「え?」
ルヴィネが起きた!?
「お父しゃんとお母しゃん
何やってるの?」
ミ、ミローナまで起きた!?
「ミローナ!見ちゃダメだぜ!
ほら、みのたん!早く手を離して!」
僕は慌てて
ルヴィネのパジャマから手を離す。
「お父しゃんもお母しゃんの
おっぱいが欲しかったんだね!
お父しゃん大人なのに
赤ちゃんみたい!」
「みのたん…
そんなに溜まってたんだな…。」
しまった!
いらぬ誤解を招いてしまってる!
「ち、違うんだ!ルヴィネ!
ミノノとミウウとミロロが
泣き出したから!」
僕は慌てて三つ子に指を指す。
あれ?さっきから
泣き声が聞こえないぞ?
「ほれほれ、
オムツを替えてやるのじゃ。」
「お、お祖母様!?」
お祖母様が三つ子の
オムツを替えていた。
オムツを替えてほしかったのか…
しかし、そろそろ授乳の時間…
「おお、やっと起きたか
1時間前に、そこの哺乳瓶の中身を
飲ましておいたのじゃ。
妾、気がきくじゃろ?」
そういう事か…
と、いう事は今は7時
三つ子が、泣かなくても
早起きしていたのに
子育ての疲れが溜まっていたのか?
「あ、ありがとうございます…
お祖母様…。」
「それにしてもおぬし…。」
「あ、はい…。」
「ミローナも成長して
きたんじゃから
ちゃんと時と場合を
考えるんじゃぞ?」
お祖母様が正論を言っているところに
違和感があるな…。
しかし、勘違いだという事を
説明しなくては!
「あのお祖母様、これは誤解で…」
ちゅっ
喋っている途中でルヴィネが
僕の頬っぺたにキスをしてきた。
「みのたん、最近修行ばっかりで
子守とか任せっきりで、ごめんな。」
この時、もう誤解なんか
どうでもよくなった……。
「ルヴィネ、おぬし……」
お祖母様がルヴィネを見る…。
「なんだよ、お婆ちゃん
このくらい、いいじゃん!
夫婦なんだから。」
「いや、ダメと
言うつもりはないのじゃぞ…。
ただ、おぬし…」
「なんだよー、
はっきり言ってくれよ〜。」
「おぬし今、
最高にぷりてぃーじゃぞ…。」
「は?」
ルヴィネがわけがわからないと
言うような顔でお祖母様を見た。
…………………
お祖母様、同感です。
もう、これだけで1週間は頑張れます!
今日も1日、子守と家事を頑張ろう!
妻と娘達が可愛すぎてヤバい……。




