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80話 ミノノ、ミウウ、ミロロ


儂は魔法使いの血筋の名家に生まれ、

幼少の頃から大賢者ルナディナの事を

聞かされていた。


立派な魔法使いになるには

あの大賢者ルナディナをも超える

魔法使いを目指しなさいと

親に言われて育ち、儂は才能と努力で

最高級の魔法使いとなり、

わずか20代前半の時に魔法学校の

学長の座まで登り詰めた。



30年程前に冒険者ギルドが設立されて

魔法学校の宣伝の為に

一部の生徒達と学長の儂自ら

冒険者となり、儂は一気に

ウルツァイト2位になった。


当時1位だったミロスとかいうやつにも

順位では負けていても、実力では

儂の方が上だと思っていた。


いや、もはや大賢者ルナディナをも

儂は超えていると、自画自賛していた。


それから約13年後……突如現れた

天才少女アミネラが堂々と

ウルツァイト1位となり、

儂の順位は3位に…


そして、6年前に

また突如現れた天才少女

絶滅屋のルヴィネが

ウルツァイト3位となり、

儂は現在の順位の4位になる…。


そんなはずはない…

冒険者ギルドの評価は間違っている…

実際に戦ったら儂が上の方が強い。

そう思っていた…

ウルツァイト会議で

招集されるまでは……


ウルツァイト全員が一気に集まり、

他のウルツァイト達と

ほぼ初めて顔をあわせる



そして、大賢者ルナディナも現れ、

儂は気がついた……




冒険者ギルドの順位が正しい事に。

1位アミネラ

2位ミロス

3位ルヴィネ…



見ただけでわかる……


儂はこの3人の誰にも勝てない……。


もちろん大賢者ルナディナにも…

その膝の上に座っている

わずか3歳のミローナという

子供にさえ、勝てない気がする……。




会議でルナディナは

世界の危機を救う人材を育てる為に

儂の魔法学校の授業内容を

変える提案をして、

さらに儂らを鍛え直すと言い始めた。




儂らは言われるがまま、一週間修行をした。

この場にいる全員が逆らっても

勝てない事を理解しているからだ。

そして、現在に至る。



「アマルド、そなたが今から妾の孫達の

おーみんぐあっぷを見たら

そなたの魔法学校の授業内容を

今すぐ妾式にしたくて

仕方がなくなるのじゃぞ!」


大賢者ルナディナが子供の姿で

自慢げな表情をする。


「大賢者ルナディナよ…」


「なんじゃね?アマルド?」


「オーミングアップではなく、

ウォーミングアップです。」


どうしても気になったから指摘した。


「じょ……じょーくじゃ!じょーく!

妾のぷりてぃーな、じょーくも

わからんとは、

気の利かん髭もじゃじじいじゃな!」


「ほぅ、ジョークですか?

これは失礼。」


大賢者ルナディナは

悔しそうな表情をした。

まさか、あの大賢者ルナディナが

こんな子供のような

人間とは思わなかった。


「ミローナ!

久々のルヴィネとの模擬戦じゃ!

最初からちょっと飛ばすのじゃ!!」



「うん!お婆ちゃんわかった!」



「えー、オーミングアップは?」



ミローナとルヴィネの模擬戦が始まる。


ミローナが自分の3倍以上の長さの

鉄の斧を振り回し、

目にも見えない素早さで

ルヴィネと戦う。


この時点で儂は、

もうついて行けないレベルだ…。



「ミローナ!もっと本気出して良いぞ!」



「うん!わかった!本気出す!」



まさか!?

これが全力じゃないのか!?




「行くよ!お母しゃん!!」



ブァァァァァァァァッ!!!



ミローナが魔法スタイルに変身する。




ビリッビリビリ!!


バサァッ!!



ミローナの背中から電気の翼が生える。




「アマルドよ!

これがミローナの

パートナーの魔法!!

サンダークイックウィングじゃ!!

ぷりてぃーで、くーるじゃろ!?」



あの歳で、パートナーがいるとは…

見たところ特殊魔法型だが…。



ビリッ!ビリビリビリッ!!!



シュンッ!!




!????


ミローナがルヴィネの

目の前に瞬間移動する。



ドッゴンッ!!!



鉄の斧を振り下ろし、地面にめり込むが

ルヴィネにあっさり避けられる。



「まだまだ遅いぜ!ミローナ!」



スパッ!!



ビリビリ!!


ビュンッ!!




「うわっ!!」


「おじいさんこんにちは!」


ミローナがルヴィネの反撃の斬撃を避けて、

シャラシャルの

背中の上に瞬間移動して挨拶をする。


「へー!すごいなミローナ!

今のは見えなかったぜ!!」


ルヴィネも魔法スタイルに変身する。



ヒュンッ!ヒュンッ!



ミローナの両サイドから

鉄の杭が2本同時に襲いかかって来た。



ヒュンッ!!




ビリビリビリビリッ!!!




ミローナが

またシャラシャルの背中の上から

瞬間移動して、電気の音が

間近にいるかのように大きく聞こえる。


鉄の杭はシャラシャルの背中スレスレを

すれ違って飛んで行った。



「おじいさん!お髭すごいね!!」


!!!????


まさか!?

ミローナが儂の腰にくっついている!?

どおりで、すぐ近くから

電気の音が聞こえるわけだ…

実際に儂の近くにいたなんて

一体どんな能力なんだ…。



「妾のひ孫はすごいじゃろ?

どんな能力か、わかるかの?

まぁ、わからんじゃろ?」


「………………」



「めちゃくちゃ気になるじゃろ!

じゃが、妾は教えんぞ!

自分で考えるんじゃな!!」


「………………」


儂は黙って考え込む…。



「それにしてもびっくりじゃろ?

びっくりしすぎて、

白目を剥いて気絶してもよいぞ!」


「………………」



…………………………………



「仕方がないの〜

教えてやるのじゃ!」


誰も教えてほしいとは

言ってないんだが…


「ミローナのパートナーの能力

サンダー・クイック・ウィングは

見たとおり、電気の翼を背中から

生やして、電気を通す物に

超スピードで移動する事が

出来るのじゃ!!」


そういう事か…

シャラシャルの背中に乗った時は

金属の鎧に瞬間移動、

そこから儂の腰のポケットに

入れていた懐中時計に瞬間移動した。

だが、最初の移動はどうやってしたんだ?


「今、最初の移動について

疑問を持ったじゃろ?

土の中にはの、

砂鉄が混じってるんじゃよ!

ただし、移動する際に

電気を通す物体が小さすぎて

本来よりスピードが落ちしまって

ルヴィネに追いつけないから

他の金属に移動したんじゃ。」


ほほう、儂らじゃついて行けない

スピードに変わりないが

移動する場所の大きさや伝導率によって

移動スピードが変わるのか。





ビリッビリッ!!



ミローナが儂の腰に

くっついだままルヴィネに向かって

手をかざし手のひらから

電気でできた球体を出す。




バビュンッ!!



ルヴィネに向けて恐ろしいスピードで

電気の球体を発射する。


移動だけではなく、

遠距離攻撃もできるのか!?



「惜しいぜ、ミローナ

3歳にしては、上出来だけどな!!」


ルヴィネが剣を左手に持ち替え、

後ろを振り向く。


ルヴィネの後ろには

地面に刺さった

鉄の斧にミローナが乗っている。



つんつんっ



「ふにゅっ!」



ルヴィネがミローナの頬っぺたを

右手の人差し指で突く。



ヒュゥゥゥ!!!



「おっと危ね。」



ワンテンポ遅れて飛んできた

電気の球体を体を反らして避ける。



バッゴオォォォォンッ!!!



通り過ぎた

電気の球体が遠くの方で爆発する。



「お母しゃんすごーい!

また負けちゃった!」



「ミローナの作戦も結構良かったぜ。

自分が移動する為に

鉄の斧をわざと手放して

離れた場所から

フェイクの遠距離攻撃、

そして鉄の斧に移動して本命の攻撃を

後ろからお見舞いする。

初見の相手なら引っかかるかもな!」



な、なんて末恐ろしい子供なんだ…。



「ふっふっふ!!

今、末恐ろしいと思ったじゃろ?

髭の揺れ方でそなたの

考えてる事が丸わかりじゃぞ!

ほら!早く白目を剥くん……」




「おぎゃあー!おぎゃあー!」


ダンッ!ダンッ!ダンッ!


赤子の泣き声と

巨人のような足音が近づいて来た…。


「ルヴィネ!3人とも

お腹が減ったみたいだから

授乳お願い!!」



……???


喋るエプロンを着たミノタウロスが

赤子を3人抱えて走ってきた!?


「おお!すまんみのたん!

ミノノ!ミウウ!ミロロ!

今、お腹いっぱいにしてやるからな!」



ルヴィネと赤子を抱えたミノタウロスは

村の方に向かって行った……。




今日…1番驚いた出来事は

エプロンのミノタウロスと

三つ子のネーミングセンスだった…。


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