79話 サンダー・クイック・ウィング
ウルツァイトどもを
鍛える計画は失敗かの……
数日間しごいてみて
様子を見ているんじゃが…
ルヴィネとキャラメル娘より
軽い修行にも
ついていけないようじゃ…
メディックは今日やっと来たが
2位のミロスは
修行に参加すらしない始末じゃ…。
せっかく、ウルツァイトどもの
信頼を得るために、わざわざ
会議を開いて妾の能力を
公開までしたのにの……
まぁ、能力を公開しても
妾は誰にも負ける心配は無いから
公開したんじゃがな。
はぁ……妾は何のために
冒険者ギルドを作ったんじゃ…
最高クラスの冒険者でもこれかの…。
「ミローナ、
とりあえずオーミングアップな!」
「うん!おーみんぐあっぷだね!」
ルヴィネが、久々にミローナと
じゃれるみたいじゃな。
いい機会じゃ、妾の孫達の実力を
怠けたウルツァイトどもに
見せてやるのじゃ!
「アマルド、そなたが今から妾の孫達の
おーみんぐあっぷを見たら
そなたの魔法学校の授業内容を
今すぐ妾式にしたくて
仕方がなくなるのじゃぞ!」
キャラメル娘の母校の学長をやっている
ウルツァイト4位アマルドが
顔をしかめた。
ふふーん、妾の教育があまりにも
素晴らしすぎて悔しいんじゃな〜
ほれほれ、もっと
悔しがっていいんじゃよ?
「大賢者ルナディナよ…」
「なんじゃね?アマルド?」
「オーミングアップではなく、
ウォーミングアップです。」
…………!??
「じょ……じょーくじゃ!じょーく!
妾のぷりてぃーな、じょーくも
わからんとは、
気の利かん髭もじゃじじいじゃな!」
「ほぅ、ジョークですか?
これは失礼。」
細かいやつじゃ…
オでもウォでも
どっちでもいいじゃろ…。
もう、意地でもこやつがビックリして
白目を剥く姿を見たくなったのじゃ!
「ミローナ!
久々のルヴィネとの模擬戦じゃ!
最初からちょっと飛ばすのじゃ!!」
「うん!お婆ちゃんわかった!」
「えー、オーミングアップは?」
うぉーみんぐあっぷじゃよ?ルヴィネ。
ピーーーーーッ!!!
ミローナが、指をくわえて口笛を吹く。
「ガオォォォォォォォッ!!!」
上空から雷が落ちたかのような
雄叫びが聞こえた。
「な、何だ!?
ドラゴンの鳴き声が!?」
「み、見てくださいですわ!!
上にドラゴンの影が!?」
「う、上から何か降ってくるぞ!?」
こやつら…ウルツァイトのくせに、
このくらいで騒がしいの……。
ズンッ!!!!
上から約2.5mの長さの鉄の斧が
落ちてきて地面に刺さったのじゃ。
ビリッビリッ!!
鉄の斧には少し電気が走っている。
「ありがとう!」
ガシッ
ミローナが上に向かって
軽く礼を言ってから、鉄の斧を掴む。
「あ、あんなミローナちゃんの
3倍以上の長さの斧を振り回すなんて
不可能ですわ!?」
それがの、不可能じゃないんじゃよ。
ドンッ!!
ドンッ!!
ブンブンブンッ!!
ミローナが足を地面に差し込み、
体を固定して、鉄の斧を振り回す。
森の中じゃから土の中に
大量に木の根っこがあるから
それを足の指で掴んで
体を固定してるんじゃ。
もし、森の中じゃなくて
地面が石作りだったとしても
足の指の握力で
石の地面に指を
差し込んで固定もできるのじゃ。
さすが妾のひ孫なのじゃ!
いや、妾の指導がいいのかの?
ミローナが斧を振り回す姿を見ただけで
ウルツァイトどもが全員、
唖然とした顔で口を開けておる。
驚くのはまだ、早いのじゃよ!
「行くよ!お母しゃん!」
「おう!どんと来い!!」
ドンッ!!
ドンッ!!
ドンッ!!
ミローナが足を地面に差し込みながら
ルヴィネに向かって真っ直ぐ走る。
もちろんスピードは
怠けたウルツァイトどもより
はるかに速いのじゃ。
ブンッ!!
ミローナがルヴィネに
向かってスイングを放つ。
「お!速くなったなー!!」
ルヴィネが軽く体を反らせて回避する。
ブンッブンッブンッブンッブンッブンッブンッブンッブンッブンッブンッブンッブンッブンッブンッブンッブンッ!!!
ミローナが鉄の斧の
斬撃ラッシュを放つ。
「へー!ミローナすごいじゃん!!
速い速い!はっはっは!!」
ルヴィネは、嬉しそうに
ミローナの斬撃ラッシュを全て避ける。
今は余裕こいて避けておるが、
ミローナの斬撃ラッシュは
15歳の時のルヴィネの
斬撃ラッシュのスピードと互角じゃ。
その上、ルヴィネは
ミローナの鉄の斧を剣で
受け止める事が出来ない
剣が鉄の斧に当たった途端に
折れてしまうからじゃ。
シュッ!シュッ!
カンッ!カンッ!
ミローナが鉄の斧の攻撃に加えて
パンチやキックを混ぜる。
ルヴィネはそれを剣で受け止める。
ミローナの手足の皮は、鉄の剣でも
切れないくらい分厚く、
丈夫に鍛えたから
剣で受けられても問題ないのじゃ。
これだけでもウルツァイトどもが
夢でも見てるかのような
間抜けな顔で見ておるが
ミローナの実力は
こんなもんじゃないのじゃ!
「ミローナ!本気出して良いぞ!」
「うん!わかった!本気出す!」
ダッ!!
ミローナがルヴィネから距離を取り、
首にかけている、
黄金の首飾りを握りしめる……。
「あ、ルナディナお婆ちゃんー
これ直してくんない?」
ぽいっ
ルヴィネが片手剣を妾に向かって
投げ渡した。
…………!!??
片手剣は所々ヒビが入り
あと1〜2撃で折れてしまうほど
消耗しておった。
ミローナの素手の攻撃で
消耗したんじゃろう…
単純なパワーだけなら、
ルヴィネを超えたの。
とりあえず、片手剣を直してやって
ルヴィネに返す………。
ブァァァァァァァァッ!!!
ミローナが魔法スタイルに変身する。
「ま、まさかあんな小さな子に
パートナーがいるのですか!?」
さっきからメディックの
反応は面白いの。
おっぱいの揺れ方で心の底から
驚いているのがわかるのじゃ。
ビリッビリビリ!!
バサァッ!!
ミローナの背中から電気の翼が生える。
これがミローナのパートナーの特殊魔法
サンダー・クイック・ウィングじゃ!!




