77話 私だって素敵な王子様を見つけてやるんだから!
里帰り…
ルナディナさん達は今日会議があって
私は修行をしなくていいから
久しぶりに里帰りしている。
アダヴィダ村から馬車で
半日以上かかるけど
今の私なら走った方が早いわ。
軽いジョギング感覚で3時間で着いた。
「おう、キャメミールじゃないか。」
「兄貴ただいまー
仕送りしてないから
てっきり餓死でもしてるのかと
思ってた。」
家に着いたら兄貴がいた。
相変わらず、部屋は
ドーナツ座布団だらけで
兄貴のお尻からは、血が噴き出てる。
「おいおい、酷いな
いつまでも昔の俺とは思うなよ。
とっくにニートは卒業している。」
あれ?なんか兄貴が変な事言ってる?
兄貴がニートじゃない?
もっと現実味のある嘘ついてほしいな?
「まぁ、座れよ。」
私は、適当に置いてある
ドーナツ座布団に座る。
「ところでキャメミール…
お前随分強くなったな。
その溢れ出る魔力…
魔法学校の教師達の
10倍以上はある。」
「ああ、ルナディナさんに
しごかれていたからね…。」
「ほぅ、あの大賢者ルナディナにか…」
「あれ?兄貴あんまり
びっくりしないんだね?」
「世の中何があるかわからんからな…
いちいち驚いていたらキリがない。」
何か、兄貴変わったなー
大の大人って感じ?
まぁ、36なんだから
おっさんなんだけど。
「そういえば、兄貴
ニートじゃないって言ってたけど
今、何の仕事してるの?」
「魔法学校の教師だ。」
「え!?あの兄貴がまともな
仕事に就いてる!?」
「まぁ、驚くのも無理は無い。
以前の俺ならまともに働くなんて
考えられないからな。」
兄貴がちょっと
カッコイイ雰囲気で話してる?
「兄貴…いったい何があったの?」
兄貴はダンディな顔をしながら
お尻の血でべちょべちょになった
ドーナツ座布団を隣の
新しいドーナツ座布団と入れ替える。
「俺にはな…守るべきものが
出来たんだ。」
え?
「お父たーん!
座布団取りに来たよー!」
部屋の中に小さな女の子が歩いてきた。
「ありがとう、ラーニア。
今、お父さんの妹の
キャメミールが来てるんだ。
ちゃんと挨拶しなさい。」
「キャメミールおばたん!
こんにちは!」
「こ、こんにちは…。」
あれ?この子兄貴の子?
兄貴結婚したの?
ガチャッ
「あなだー新じい座布団を
持っでぎまじだー!」
「え?え?」
「あ!キャメミールざん!
ごんにぢば!
来てだんでずね!」
「ラ、ラーテアちゃん?
何で家に居るの?」
「4年前にニートルざんど
結婚じまじだ!」
いや!何でこの2人が
くっついてるの!?
しかも子供いるし!
「彼女とは4年前に
世界各地のドーナツ座布団を
探す旅をしている時に出会ってな。」
「ぞじだら!偶然ニートルざんが
ルヴィネ様の知り合いでじで!
ルヴィネ様の魅力に
ついで語りあっだら
意気投合じまじで!」
「そのまま勢いで結婚したわけだ。」
……………………………
「ラーテアちゃん今何歳だっけ?」
「20でずぅ!」
「ラーニアちゃんは?」
「3歳です!」
ちょっと…
ダーク・ヘルに行った時にはもうすでに
結婚して子供が居たって事?
ってか私なんて22歳なのに
彼氏すらいないんだけど…。
「キャメミール、お前も
そろそろ相手の身長なんか気にせずに
結婚相手くらい探した方がいいぞ。」
な!?
「わ、私だって告白されたもん!
それに周りのみんなが
結婚するのが早いだけよ!」
エ、エクルム君には告白されたもん!
カウントしていいもんじゃないけど…
……………………………
「そ、そろそろルヴィネ達の
村に帰らないと!
じゃあ、またね!」
「おう、元気でな。」
「まだ会いまじょゔ!」
「おばたんバイバーイ!」
私はアダヴィダ村まで走って行く。
何なのよ!みんな幸せに
なっちゃってて!
私だって素敵な王子様を
見つけてやるんだから!




