69話 ピクピク…
ぺちっぺちっ………
うるさいのぉ……。
バサッバサッ……
うるさいのぉ……。
ぺちぺちぺちぺちぺちぺちぺちぺちぺちぺちぺちぺちぺちぺちぺちぺちぺちぺちぺちぺち
バサッバサッバサッバサッバサッバサッバサッバサッバサッバサッバサッバサッバサッ
「うるさいのぉ!!!」
余りのうるささに、たまらず目を開ける…。
ひ孫のミローナが妾の頬っぺたを
無言で突いていた。
ぷりてぃーじゃ……
しかし、妾はたとえ相手が赤子でも
やり返さないと気が済まないのじゃ!
ミローナの頬っぺたをぷにぷに揉んでみる。
ミローナもにこにこしながら、
妾の頬っぺたをぷにぷにする…。
ぷりてぃーじゃ…。
バサッバサッバサッ
何じゃ?この翼は?
「きゅるるる。」
小さなドラゴンが妾を見つめる…。
あ、ドラゴンの卵が孵ってしまったのじゃ…
やっちまったのじゃ…。
まぁ、こやつも、ぷりてぃーじゃから
別にいいかの。
「あ、お祖母様おはようございます。」
おはようございます?……
妾は一晩寝てしまったのかの?
まぁ、そんな事よりミノタウロスの義孫は
ぷりてぃーなエプロンを着ている。
「おぬし……」
「あ、はい?」
「ぷりてぃーじゃの…。」
「え?ああ、エプロンの事ですか?
余った布で作ってみたんです。」
こういうのは女子力高いと言うのかの?
「お祖母様、朝ごはんを
作っておきましたので、
もし、よければ
お召し上がりください。」
義孫にリビングまで案内してもらう
机の上にはパンとサラダ…。
重すぎず、かと言って質素でもなく、
2歳児に設定してある体に
ベストな分量と栄養バランスに
してあるみたいじゃ。
ついでに、椅子にはふかふかの
クッションが敷いてあり、
妾の座高に合わせて
ちょうどいい高さになるようにしてある…。
「おぬし…」
「あ、はい?」
「最高じゃの。」
「そ、そうですか?
ありがとうございます。」
決めたのじゃ、妾はここに住む。
ミローナを修行させる為に
アミネラの家に
しばらく泊まるつもりじゃったが、
この、孫夫婦の家に住むのじゃ!
「あのー、ドラゴンの赤ちゃんは
何を食べるんですか?」
あー、孵ってしまったドラゴンの飯か。
「ミローナと同じ離乳食でも
食わせておけ、ある程度成長したら
人間と同じ食べ物で大丈夫じゃ。」
……多分大丈夫じゃろう。
詳しくは知らん。
それにしても、
このパンはこやつが焼いたのか?
普通のパン屋のパンよりかなり美味いの…
店を開けるレベルじゃ。
こやつのおかげで
最高に気分がいい朝なのじゃ。
ガチャン!!
突然、勢いよく扉が開く。
「たっだいまー!」
ルヴィネが帰ってきた。
「お邪魔しまーす。」
「お、お邪魔じまず!!」
「邪魔するちん!」
ルヴィネのパートナーと
田舎娘風の魔法使いの少女と
アゴが紐のように細いデブがズカズカ
家に入って来た。
「ルヴィネとキャメミールさん
お帰りなさい。
あ、その2人は
ルヴィネの友達ですか?
いつも、ルヴィネが
お世話になってます。」
義孫がルヴィネの友人達に挨拶をする。
「おー!ルヴィネ様の旦那ざんは
ムギムギでずね!
わたす、ラーテアでず!
よろしくお願いじまず!」
魔法使いは、天然娘かの?
ミノタウロスという事に
一切突っ込まないとは…。
「ぼくちんは、デブーチちん!
よろちくりん!」
デブの声はあんまり
聞きたくなかったの…。
「あ!もしかして、奥にいる
幼女はルナディナお婆ちゃんかな?
お婆〜ちゃん!お願いがあるんだけど
この斧直してくれない?」
孫のルヴィネが妾に気がつきよった。
さっきまで最高の気分じゃったのに、
最悪の気分じゃ…特に、
妾は飯を邪魔されるのが1番嫌いなんじゃ。
「ねー!ねー!
ルナディナお婆ちゃんなんでしょ?」
苛立ちがピークに達した…。
シュンッ!
バキャンッ!!
ルヴィネに向かって飛び込み、
頭にチョップをくらわせる。
ルヴィネは顔面を床に叩きつけられ、
頭が床にめり込み、ピクピクしてる。
ブンッ!!
べちんっ!!
ついでにデブも、ぶん殴って
家の外にぶっ飛ばす。
………………
余りの急な出来事に
その場にいる全員が
唖然とした顔で妾を見ている。
ルヴィネは痙攣して、ピクピクしている。
スッキリしたのじゃ!
妾はゆっくり歩き食卓に戻る。
多分、ほっといたら死ぬから
飯を食い終わったら治してやるかの…。




