67話 1.8秒の攻防
えー、みのたんパパ……
何でクッキー食べてから
ルヴィネに喧嘩売ってんの?
なんか気に入らないところでも
あったのかしら?
クッキーが不味かった?
いや、それみのたん君が作ったんだから
ルヴィネじゃなくて、
みのたん君に文句言ってください…。
ガシャンッ!
ルヴィネが魔法の籠手と
マグネットボウガンを外した。
「キャメッション、手を出すなよ。」
そして、ゆっくり剣を抜く。
え?何?この決闘みたいな雰囲気…。
何故そうなるの?
ってか、みのたんパパがすごく嬉しそうね…
やっと見つけたぞ!
俺と互角に戦えるライバル!
いざ、勝負!的な感じかしら?
…………
みのたんパパったらかなりの中二病ねー
でも…そこにシビれる!憧れるゥ!
私はこういうシチュエーション大好きよ!
頑張れー!みのたんパパー!
たとえ、ルヴィネが相手でも
私の魔法は無しなんだから、
せめて2秒くらいはもってほしいわね!
ミノタウロスは、
炎魔法を使えるドラゴンと違って、
身体能力に特化した魔物だから
魔法の類は使えない。
ただその身体能力の高さだけで
ドラゴン達に充分匹敵する。
みのたんパパは、
その中でも最強っぽいから
ドラゴン・ヘルで
ルヴィネと相打ちになったらしい
巨大なドラゴンと
同じくらいの強さだと思う。
まぁ、今のルヴィネなら
問題無いだろうけど…。
…………しばらく無言で
ルヴィネとみのたんパパが見つめ合う…
ブンッ!
みのたんパパが鉄の斧を真っ直ぐ
ルヴィネに向かって叩き込む。
ドギャァンッ!!!
ルヴィネは、みのたんパパの懐に
右斜めに入りながら避ける。
鉄の斧は岩の地面に当たり
地面に数10mの亀裂が入る。
ものすごい破壊力ね。
1発の破壊力だけならルヴィネより上かも?
まぁ、もう勝負は決まっちゃったも
当然なんだけど…
懐に入ったルヴィネは、
もうすでに超高速の
剣撃を脇腹に放っている。
すっ……
え?みのたんパパが間一髪で
体をくねらせて剣撃を避けて
薄皮1枚だけで済んだ。
ルヴィネも元々、浅く横腹に
斬り目を入れるつもりだっただけ
みたいだから避けれたんだろうけど
それでも
あの剣撃を避けるには、
鉄の斧の1撃を放っている最中に
体をくねらせないと避けられない…
つまり、勘で回避したって事?
とてつもない戦闘センスだわ…。
でも、ルヴィネは懐に入って
ただ剣撃を放っただけでは無い…
剣撃を放つと同時に
左足で回し蹴りを放ち、足払いかけていた。
みのたんパパは足払いをくらい、
前向きにバランスを崩し転けそうになる
転ぶ先にはルヴィネが
さっきの剣撃の勢いを殺さずに
1回転して剣撃を放つ。
バンッ!!
みのたんパパが
地面にめり込んだ鉄の斧を軸にして
腕力で無理やり3m程ジャンプして
ルヴィネの剣撃を避けた。
うん、すごいけどミスったわね…
あんなに高く跳んだら
次の攻撃が避けられないじゃない…。
ルヴィネは剣撃を避けられる事に
気がつき、剣撃を途中で止めながら
みのたんパパがジャンプした方向に
跳びかかっていた。
空中で逆さ向きの体勢になっている
みのたんパパの左肩に向かって
突きを放つ……
ガシュッ!
みのたんパパが首を曲げて
自分のツノでガードした。
左のツノが切れてしまったけど
肩は無傷。
ツノには痛覚とか無いのかしら?
この瞬間にルヴィネに
隙が出来てしまった…
全ての動きを攻撃に特化して、
防がれてしまったが為に…。
みのたんパパがそのまま
鉄の斧を横向きにフルスイングする。
みのたんパパの
最初の1振りの動作から約1.8秒の攻防…
みのたんパパが
今この瞬間、逆にルヴィネに
1撃を浴びさせれそうだなんて…
ルヴィネは、まだ空中に居るから
回避は不可能…
剣でガードするしか無いわね…。
ぽいっ…
……!??
ルヴィネが剣を手放した!?
ルヴィネの右の拳に
大量の魔力が集まっている…。
まさか!まさか!!まさか!!!
「ダメよ!ルヴィネ!!
そんなの打ったら、
みのたんパパが死んじゃう!!!」
私は大声で叫ぶが、
ルヴィネは止まらなかった…。
地味にキャメッションの動体視力に
1番ビックリ。




