65話 ああ…退屈だな
今から約50年前…
俺は岩だらけの暗闇の大地で生まれた。
東の方角には透明な壁があり、
西には先が見えない高さの崖がそびえ立つ。
だだっ広いが閉じ込められてるような
場所だ。
俺が8歳くらいの時に
突然、群れの長だった
父が群れを放置して俺を連れて崖を登った。
この窮屈な土地に嫌気がさしたのか?
何故、外に行こうとしたのかは
わからない…。
ただ、父は俺を抱えて
数日間休まずに崖を登り続けた。
そして、地上に着いた…
地上は下より少し明るいだけで
下と同じような岩の大地だった。
周りの魔物は弱く、
子供だった俺でも充分倒せる
魔物しか居なかった。
そうか、父は群れを離れてでも
安全な場所で暮らしたかったのか…
その時はそう思った。
父は、地上に着いても
真っ直ぐ歩き続けた…。
何処に向かっているのかは
教えてくれなかった…。
その先に何があるか知らされないまま
俺は父について行った。
そんなある日…
俺たちは、奇妙な生物の集団に
奇襲をされた。
体を不思議な物で包み、
不思議な道具を使い、
鳴き声でコミュニケーションを
取っているようだ。
その生物は50体程の集団で
あっという間に俺と父を捕獲した。
俺はその生物達の街に運び込まれて
父はとは、離れ離れになり
ある建物に閉じ込められた。
これから何をされるのか?
不安で仕方がなかった…。
時々あの生物達の
叫び声が聞こえてくる。
…………………………
閉じ込められてから何日が経ち…
ギィ……
扉が開かれ、外から光が射す。
あの奇妙な生物に連れ出されて
狭い通路を歩く…
奥から眩しい光と共に奴らの
鳴き声が聞こえて来る。
「勇敢な10人の戦士達に
襲い来る恐怖はー!!」
外の光景が見えて来た…
円形状の建物で上の方に
あの生物達がいっぱいいる。
「当コロッセオ初のミノタウロス!!
まだ、子供ですが
その戦闘力は凄まじく!
並の戦士達では
ひとたまりもないでしょう!」
どうやら、俺と奴らの同種10体を戦わせて、
数100体の奴らが上の安全な場所から
その光景を眺めて楽しむ
胸糞悪い娯楽のようだ。
同種を殺させて
何が楽しいのか理解出来ないが
奴らに従って戦わなくては
何をされるのか、わからない。
だから俺は奴らの
同種を全員殴り殺した。
「強い!強いぞ!ミノタウロス!!
さすが、ダーク・ヘル
最強の種族だぁー!!」
奴らは、同種を殺されるさまを
楽しそうに眺めていた…
本当に奇妙な生物だ。
それから俺は
ほぼ毎日、戦わされた。
いつも拳を数回振るだけで
相手は全滅する……。
それを奴らは毎日飽きずに
楽しそうに眺めてる。
その内、俺はこう思うようになった…
ああ………退屈だな。
今回、短くて申し訳ないです。




