64話 カッコよく喧嘩を売ろう!
いや〜、キャメッションも
強くなったもんだ〜。
まぁ、私が
ホーミング・マグネットアンカーを
弾かなかったら自滅するんだけどね…。
「そろそろ崖が見えてきたわね!」
「おう!行くぜ!キャメッション!」
数10km程、走ったら崖が見えてきた。
2人同時に底が見えない高さの崖から
飛び降りる。
「ひゃっほー!」
飛び降りながら
テンション上がって叫ぶ。
「あんた、テンションおかしいわよ?」
「いや、なんかさー
紐なしバンジーしてると
テンション上がらない?」
「まぁ、確かに上がるわね!ひゃっほー!」
キャメッションまでテンションが
おかしくなるなんて…
崖から紐なしバンジーの楽しさやベー!
マグネットアンカーを装備してない
人はマネしないでね!死んじゃうから。
ドバッシュン!!!
ザクッ!!
威力を強化した
新しいマグネットボウガンから
アンカーを撃ち出し、
崖に刺して減速する。
前のボウガンは引く力が3tだったけど
新しいボウガンは20t!
ガリガリガリガリガリガリガリ!!!
ドンッ!!!!!
勢い余って着地したから
着地した地面が砕けちゃったぜ!
スタッ
「あんた少し太ったんじゃない?」
キャメッションが綺麗に着地しながら
クスクス笑った。
「おっぱいの分重くなったんだよ。」
そう…体重が増えたのはきっと、
おっぱいのせいだぜ?
キャメッションの方が
身長もおっぱいもデカいけどね!
「早速だけど
あんたのお目当ての
魔物達が居るわよ」
キャメッションが見ている方向に
巨大な人の形に近い魔物達が居る
頭には大きなツノ…。
「そうだな!挨拶しないとな!
コンニチハ?」
私が手を上げながら挨拶した魔物達は…
野生のミノタウロスの群れ。
50体くらい居るかな?
平均身長は3.5mくらい?
みのたんってちょっと
身長低いくらいだったんだなー。
ミノタウロスの群れは、
突然現れた私達を警戒している。
「ハロー!ナイスミーチューチュー!」
………………………
ミノタウロス達は
無言で私達を見つめる…。
あれ?挨拶を間違っちゃったかな?
「ウガァァァァァァァ!!!」
9体の若そうなミノタウロス達が
襲いかかって来た。
あれま…挨拶の仕方間違っちゃったぜ。
ブンッ!!
その内の1体が
私に向かって殴りかかってきた。
バシンッ!
その拳を片手で受け止める。
空気中に衝撃波が広がる。
やっぱり野生のミノタウロスの方々は
みのたんよりちょっと強いなー。
てか、崖の下はバリアが近いから
魔物が強くなっちゃうんだったっけ?
「キャメッションー
全部避けれるよな?
反撃して怪我させるなよー。」
一応キャメッションに注意しておく。
「はぁ、遅すぎて残念なくらいよ…。
で、この中に居るの?」
「この9体は違うみたいだな〜。」
「じゃあ、しばらく
大人しくしてもらうわよ。」
残りの8体が一斉に
キャメッションに襲いかかった。
私が最初の1体の拳を
片手で受け止めたから
私より弱そうなキャメッションを
狙おうと判断したんだろう…
まぁ、それで合ってるけど
どっちを狙っても
彼らの運命は変わらない。
「ウガァァァァァァァ!!」
8体のミノタウロスが
四方八方からキャメッションを
囲みながら連続でパンチを繰り出す。
ヒュンッ!ヒュンッ!ヒュンッ!
ヒュンッ!ヒュンッ!ヒュンッ!
キャメッションは、表情一つ変えずに
全ての攻撃を最小限の動きで避ける。
ダッ!
キャメッションがパンチをかわし、
高速回転しながら上に飛び上がる。
パシュ!パシュ!パシュ!パシュ!
パシュ!パシュ!パシュ!パシュ!
空気中で回転したまま
円を描く様にマグネットアンカーを
地面に発射する。
スタッ……
そして、襲いかかってきた
ミノタウロス1体の頭の上に
美しく着地する。
「私は自分より
身長高いのが好みなんだけど…
乱暴な男は好みじゃないの。」
キャメッションがドヤ顔をしながら
魔法を発動する。
ヒュウゥゥゥゥゥゥゥン!!
ドンッ!ドンッ!ドドドッドン!!
円を描く様に配置した
マグネットアンカーに大量の岩が
飛んできて、岩の檻を作る。
あらかじめ、周りの岩に
他のマグネットアンカーを
刺していたのかな?
なかなかやるなー。
「キャメッション〜、こいつも渡すぜ!」
私はキャメッションに合図を送り、
1番最初にパンチして来た
ミノタウロスをひっつかんで
檻に向かってぶん投げる。
ベストタイミングで岩と岩の間が開き
ぶん投げたミノタウロスが檻に入る。
その瞬間、他のミノタウロスが
脱出しようとしたが
すぐに岩の間が塞がれる。
若そうなミノタウロス君たちには
しばらく、そこで
大人しくしてもらおう。
若いミノタウロスがあっという間に
捕まってしまい、他のミノタウロス達は
私達を警戒して居る。
私は警戒しているミノタウロス達の
顔を1体ずつ見回す………。
その中に1体…1番身長が高い4m程の
ミノタウロスがいた…
右手には、2.5m程の
巨大な鉄の斧を持っている。
多分この群れのボスだろう。
「あ、居た。」
ビュンッ!
私はボスに向かって走り…
ズザァァァァッ!!
ボスの手前で砂埃を
上げながらストップする。
他のミノタウロス達は
驚いてるみたいだが、ボスは
私の走っている姿を目で追っていた。
一呼吸置いて、私はボスに頭を下げる。
「お初にお目にかかります。お義父様。」
間違いない、このボスは
みのたんのお父さんだ。
顔がそっくりだから、私にはわかる。
もし、みのたんのお父さんが
生きてるならちゃんと会って
挨拶をしておきたかった。
まぁ、敬語は苦手なんだけど…頑張るぜ!
多分伝わらないけどね!
「私はルヴィネと申します。
あなたの息子さんと3年前に
結婚しました。
彼は元気にやってます
子宝に恵まれ、
娘も1人生まれました。」
お義父様は黙って私を見つめる。
「これは彼が焼いたクッキーと
言うものです。
良かったら食べてみてください。」
私は、みのたんが
焼いたクッキーが
何個か入った袋を手渡す。
お義父様は黙って受け取り、
クッキーを1個だけ食べて
一旦、袋を仲間に渡す。
そのあと何も言わずに右手を差し出す。
お義父様は話がわかる方みたいだ。
私はお義父様の手を握り、握手する。
そして、お義父様はゆっくり手を離し、
私から少し距離を取る……
ブンッ!!
お義父様は
キレのある動きで鉄の斧を構える。
そのまま左手で私に向かって
くいっくいっと手招きする…。
多分かかって来いって言うジェスチャーだ。
こんなにカッコよく
喧嘩を売られたのは初めて…
しかも、結婚相手のお父様にね…。
お前なんかに息子はやらんぞ!的な展開?
もう、もらっちゃったけどね!




