53話 わっひゃぁ!
もうすぐ3年…
ルヴィネちゃんをギルドで
見かけ無くなってから3年近く経つ。
嵐のように現れ、嵐のように消えた。
「あそこに可愛い巨乳娘がいるちんよー!」
相棒のデブーチは相変わらず
ゲスくてアゴがスマートなデブだ。
「いや、デブーチたん!
わたすは、その隣にいる
ぱっきんのぎゃるが
かわぇぇと思うだ!」
最近仲間になった
オレンジ色のくせっ毛な
魔法使いの少女が言った。
誰のパートナーかって?
俺じゃない…俺はまだ
6000位代のチタンだ…。
デブーチの冒険石は
鋭い銀色の光を放っている…。
順位は174位…ダイヤモンド。
ああ…どうして俺の周りの人間は
俺を置いて行くんだ…。
俺はいたって平均的な順位の上がり方だ…。
「うーん…確かにラーテアちんの
言う通り金髪の子も捨てがたいちんね…。
フォマムはどっちがいいちんか?」
「はぁ、どっちでもいいだろ…。
……?おい、あれって。」
あの2人はまさか!!
「ルヴィネちゃんと
キャメミールちゃんじゃねーか!」
「ほ、本当だちん!
よく見たらルヴィネちんだちん!
おっぱいが大きくなってたから
気がつかなかったちん!」
「え!?ルヴィネって
あのルヴィネ様でずか!?」
ギルド中の冒険達がざわざわして
ルヴィネちゃん達を見始めた。
「お、デブーチ君と
フォマムじゃないか!久しぶり!」
ルヴィネちゃんが俺たちに
気が付いて話しかけて来た。
バイ〜ンッバイ〜ンッ
3年でよくあんなに
大きくなったものだ…。
あの胸を見ると人間の可能性を感じる。
俺もめげずに依頼を頑張ろう。
「お?デブーチ君の隣の女の子は
パートナーの子?」
ルヴィネちゃんは
デブーチのパートナーの
ラーテアに向かって言った。
「ま、ま、ま、まさか!
デブーチたんとフォマムたんは
あのルヴィネ様の
お知り合いだったとですかぁ!?
わたす!ラーテアともうじまず!!
わたすルヴィネ様のファンなんだども
緊張しすぎて!わたすもう!!
わっひゃぁ!!」
「え?私のファン?
まさか〜冗談でしょ。」
「だっでぇー!だった15歳で
ウルツァイト3位になった
天才少女ですよ!わっひゃぁ!!」
ルヴィネちゃんが3年前に受けたらしい
個人依頼のついでに
ドラゴン・ヘルで異常発生した
ドラゴン討伐で一気に
ウルツァイト3位まで上がったそうだ。
当時はものすごい騒ぎになった。
「あー、そういや3年前に
更新したら3位になってたなー
忘れてたぜ。」
一瞬、その場の空気が凍った…。
自分がウルツァイトになった事を
忘れてたなんて…。
「あんた村の管理権もらってたけど
ずっとあの村放置してたわね。」
キャメミールちゃんが
衝撃的な事を言ったが、
喋った振動で揺れる胸に目が行った。
高身長だから目線を上して
見上げる形になるから
おっぱいを眺めてる事がバレにくい。
やはり体格差の影響かルヴィネちゃんの胸も
キャメミールちゃんにはまだ勝てない。
「あれ何て名前の村だっけ?
まぁ、私が口出ししなくても
村の村長が管理してるから
別にいいんじゃないか?」
「ところでルヴィネちんは
今まで3年間何してたちんか?」
確かにそれは気になるな…。
「ああ、サンキュー。」
「何がサンキューちんか?
ぼくちんサンキューなんて
言われる事したちんか?」
「デブーチたん…おそらく
そういう意味ではないかど…。」
ま、まさか?
「産休と育児休暇だぜ!」
…………………。
ギルド中の空気が凍りつく……。
「え?みんなフリーズしちゃって
どうしたんだ?
私なんかヤバい事言った?」
「まぁ、私はルヴィネと一緒に
居たから衝撃的では無いけど、
あんたが産休なんかしてたら
みんな驚くわよ…。」
キャメミールちゃんだけ
平然としている。
「ま、まさかお相手は
キャメミールちんか!??」
「デ、デブーチたん!!
ぞれは萌える展開でずね!!
わっひゃぁ!!!」
何バカな事言ってるんだ
このデブと滑舌の悪い魔女っ子は…。
「そんなわけないじゃないー
ルヴィネなんかとくっ付いたら
身が持たないわよ。」
「キャメッションは貧弱だな〜。」
俺がこの場のノリに
ついて行けないだけか?
「ルヴィネ様ぁ〜!
いぎなりこんな事
頼むのもあれでずが!
わたす!ルヴィネ様の赤ちゃん
みたいでず!!」
「OKー!じゃあ、ラーテアちゃん
今度私の家においでよ!
これから久しぶりに依頼受けるから
それが終わってからだけど
まぁ、明日の今ぐらいの時間には
ギルドに戻れると思うから。」
「ルヴィネ様の家に
お招ぎいだだけるなんて!
わたすはなんて幸せ者なんだどぉー!
それにルヴィネ様が3年ぶりに
お活躍ざれるのでずねぇ!
どんな依頼を
受けるおづもりでずが?」
「ああ、魔物の異常発生が起きた
ダーク・ヘルの魔物の討伐依頼を
受けようと思って来たぜ!」
ダーク・ヘルの依頼だって!?
あのドラゴン・ヘルと同じく
世界三大危険地域の一つ…。
それがまた、3年前のドラゴン・ヘルと
同じく魔物の異常発生で
討伐依頼が出たが、3年前の死者が
多すぎてみんなびびって
誰も受けようとしなかった依頼だ…。
「おい、ルヴィネちゃん…
3年ぶりの復帰で
しかも子供も出来たんだろ?
そんな危険なところにいきなり行って
大丈夫なのかよ?」
俺が口を出していいレベルじゃないが
あまりにも無謀すぎる…。
「私はただ育児休暇してた
だけじゃないぜ!
ちゃんと修行してたから
むしろ前より強くなったぜ!」
「さすがルヴィネちん!」
「ルヴィネ様!かっごいぃです!!」
もう、止めても無駄なようだ…。
「じゃあ、また明日ギルドで会おう!
行くぜ!キャメッション!」
「もうちょっと
ゆっくりしたいんだけど…
仕方がないわね…。」
そう言って2人がギルドから出て行く。
…………………
「わたす!やっぱりルヴィネ様のお活躍ずる
お姿!生で見たいでず!
デブーチたん!ルヴィネ様に
ついて行くだ!」
「ラ、ラーテアちん!危ないちんよ!
足手まといになるちんよ!」
デブーチ達は
ルヴィネちゃん達を追って行った。
ついて行こうとは思わない…
俺が行ったら死ぬのはほぼ確実だからな…。




