47話 ぷりてぃー
「ひゅー……ひゅー………ぐはっ…
ル……ルナディナ見つけた。」
やっとルナディナを見つけたけど
目が見えなくなってきた……。
「そなた、アミネラにそっくりじゃの
もしかして、アミネラの娘かの?」
耳はまだ聞こえる。
またお母さんの名前が出て来たな…
ただの村娘なのに顔が広い…。
「…ひゅー……な…何でお母さんの…
名前を…知ってるんだ…?」
「やはり、アミネラの娘か
それにしては弱っちいの
たかがあの程度のドラゴンと
戦って相打ちか…。」
「……ひゅー…ひゅー…ドラゴンには
勝っ……た………ぐふぅっ!!」
どんどん全身から血が抜けていく。
そろそろ、マジで死にそうだ。
「そなたもこれから死ぬではないか、
それを相打ちって言うんじゃ。」
「ああ…やっぱり…
私は…死ぬのか?…」
………………。
「そうじゃな、
妾がこの場に居なければの。」
ルナディナが右手で私の頭を
左手で身体を触る。
…………………!??
「あ、あれ!??なんか治った!?
足もちゃんと生えてる!??」
気がつけば、
私の身体どころか装備まで全て
元どおりに治っていた。
さっきまでの怪我が嘘のように…
でも、さっきちぎれてた
左足は地面に転がっている。
今ある足は新しく生えてきたみたい。
その上、鎧とかも治るって
チート魔法だなー。
「あ、ありがとうルナディナちゃん?」
目の前の少女の見た目が
明らかに年下なのでちゃん付けしちゃった。
「ちゃんとは何じゃ…
妾はそなたよりかなり年上じゃよ。」
「ああ、そういえば
魔法で自分の見た目
年齢変えれるんだっけ?
何でそんな少女の見た目にしてんだ?」
「ぷりてぃーじゃろ?」
「え?」
「これ以上身体を小さくしたら
移動とかいろいろ不便じゃから
このくらいに抑えているが、
これでも充分、ぷりてぃーじゃろ?」
「あ、ああ…可愛いぜ!
ルナディナさん!
ファンになっちゃいそう!」
「それは嬉しいの、ところでそなた
アミネラの娘と言ったが、名前は?」
「ルヴィネだぜ!
ルナディナさん、
お母さんの友達か何か?」
「妾はアミネラの母じゃ。」
「へー、お母さんのお母さんかー。」
…………………?
あれ?なんかおかしいぞ…?
お母さんのお母さん??
「って事は
私のお婆ちゃんじゃねーかぁ!!?」
「そういう事になるの、
ほれ、孫よ甘えても良いぞ。」
し、信じられない…。
目の前の12歳くらいの少女が
自分のお婆ちゃんだなんて……。
しかし今は、目の前のぷりてぃーな
少女にハグできる絶好のチャンス!!
「お婆ちゃ〜ん!
会いたかったよ〜!」
ルナディナお婆ちゃんに飛びかかる。
ドスッ!!
「ぐはっ!」
「誰が抱きついていいと言った?」
ルナディナお婆ちゃんの見た目から
想像出来ないような破壊力の
腹パンが飛んで来て、
私は地面にうずくまる。
「ちょ…ちょっと、お婆ちゃん
ひどく無い?」
「この馬鹿者が、
妾の言うことを鵜呑みにして
無防備に抱きついて来るとは…
警戒心が足らんの
だから、あの程度のドラゴンと
相打ちになるんじゃよ…。」
「ま、まさか全て嘘だったのか?
本当に私のお婆ちゃんって
信じちゃったじゃねーか…。」
「いや、それは本当じゃ。」
「……マ、マジか。」
初めて会った孫との感動の再会で
いきなり、腹パンとは?
「ところで孫よ、こんなところに
何の用かの?」
「ああ、個人依頼で
ルナディナお婆ちゃんを連れて来て
欲しいだってさ。」
「個人依頼?依頼人は誰じゃ?」
「なんかウルツァイト1位の人。」
………………………。
「何故、アミネラが
自分で来ないのじゃ?」
「え?お母さんはただの主婦だぜ?」
「ウルツァイト1位はアミネラじゃよ?」
あれー?聞き間違えかな?
お母さんが1位だって?
「まさか、アミネラは
そなたに自分が最強の
冒険者である事を教えてないのかの?」
「えー!??
ちょっとちょっと!
冗談はよしてくれよ!
お母さんがウルツァイト1位!??」
「何故そなたに隠していたのかは
わからぬが、とりあえずアミネラが
妾を連れて来いと
言ってるんじゃな?」
「あ、ああ…依頼を達成するには
ルナディナお婆ちゃんを町まで
連れて行かなきゃいけないんだ。
ついて来てくれないか?」
「ダメじゃ。
妾はしばらくこの場を離れん。」
「えー!何で!??」
「このバリアの点検を
しなくてはならぬからの。」
ルナディナお婆ちゃんは
ドラゴンとの戦闘中に見つけた。
透明な壁に指を指す。
「このバリアは妾の昔の友人が張った
ものなんじゃが
そろそろガタが来ての。
まぁ、1万年以上張って
あるんじゃから仕方が無い。」
「い、1万年!??」
わけがわからなくなってきたぞ?
「昔、この世界は人間の住める
ような場所じゃなかった…。
あのバリアの外から見えてる
強力な魔物達が居たからの。
そこで妾の友人がバリアを張って
強力な魔物が来ないようにしたんじゃ
弱っちい魔物はバリア内に居るがの。」
「ちょっと待った!
ルナディナお婆ちゃんが
1万歳以上なのは置いといて、
人間が住めないくらい強い魔物が
居たのにルナディナお婆ちゃん達は
それまでどうやって
生き残っていたんだ!??」
…………………………。
「妾達はの…このバリアの外の
さらに外から来たんじゃ。」
バリアの外のさらに外??
「ルナディナお婆ちゃん…
もしかして、宇宙人?とか?」
「宇宙人とは、ちょっと違うが
まぁ、似たようなものじゃな。」
「なら1万歳以上でも
おかしくはないか……。」
「年齢にそれ以上触れるでない。
とりあえず、妾はバリア点検の為に
3年は町に行けないんじゃ。
一応サインを渡すから
それをアミネラに渡したらいい。」
「お、おう…それで
依頼達成になるのか?
てか、バリアの点検って
さっきの話を聞くと
このバリアが壊れたらヤバくないか?」
「そうじゃの、バリアが壊れて
外の魔物が襲ってきたら
バリア内の人類は滅亡するの。
孫よ、今のそなたの場合は
保って1分ってところかの。」
「え?それヤバくない?」
「安心するんじゃ、見たところ
あと30年は保つ。」
「全然安心出来ねぇ…
30年後には人類滅亡するって
事じゃねーか!?」
「それまでにそなたらが
強くなってればいい話じゃよ。」
「私ら?」
「30年も経てば、そなたにも
子が1人や2人…いや、10人くらいは
居るじゃろう。
そなたも一応弱っちくても妾と、
過去最強じゃった人間の血が
4分の1ずつ入ってるんじゃ
ちゃんと鍛えれば強くなる。
30年後には、そなたと
そなたの子供達がアミネラくらいの
強さになってれば世界を守れる。」
なんかすごい事言われてる…。
ひ孫の顔が早く見たいからとかじゃなくて
戦う戦力が欲しいから産めやと言う
お婆ちゃんが他に居るだろうか?
まぁ、世界が滅びそうだから
仕方が無いっちゃ仕方が無いか。
「3年後に妾が帰って来るまでに
最低でもそなたが、
さっきのドラゴンを余裕で倒せる
レベルに達してなかったら……」
「た、達してなかったら?」
「腹が立って、たとえ孫でも
殺してしまいそうじゃ」
殺しちゃったら意味が無い気が…。
「は、はい…頑張ります…。」
「ちなみにあの巨大なドラゴンは
このバリアが薄くなってきて
外の魔物の魔力が漏れて来て
突然変異した個体じゃ。
たかが漏れ出た魔力の影響で
出来た雑魚ドラゴンじゃ、
外の魔物はさらに強いからの。」
はぁ…さすがに
自信無くなってきたな…。
「ところで崖の方で、魔法使いの
気配がするんじゃが
そなたのパートナーかの?
ドラゴンと交戦中みたいじゃが。」
キャメッションに自分から崖を降りる
度胸なんかあんのかな?
「私のパートナーかはわかんないけど
とりあえず行ってくる。
またな!ルナディナお婆ちゃん!」
私はルナディナお婆ちゃんから
サインを受け取り、走って崖に向かった。




