41話 主
「おい、アレって
絶滅屋のルヴィネだよな。」
「まさかあそこまで化け物とは、
噂も本当だったんだな…。」
「ジアータより、ルヴィネの方が
頼りになるんじゃないか?」
ドラゴン6匹倒しただけで
周りの冒険者達がいろいろ言ってる…。
化け物って失礼な!
「ルヴィネ、君も緊急依頼に来たのかい?」
お母さんの昔の友達
ウルツァイト10位ジアータおじさんが
聞いてきた。
「違うぜ、個人依頼が来て
ルナディナって人を
探しに来たんだ。」
「ルナディナ!?
何故ドラゴン・ヘルに
あの大賢者ルナディナが?」
「よくわかんないけど
今ドラゴン・ヘルに
ルナディナって人が
居るんだってさ。
おっさん達ルナディナ見てない?」
「残念ながら我々は今日来たばかりで
ルナディナに関する情報はないんだ…
助けてもらったのに役に立てず
すまない…。」
「いやいや、いいよ
じゃあ、探しに行くぜキャメッション。」
「えー、背筋痛いから
しばらく歩きたくないわ…。」
嫌そうな顔をする
キャメッションを無理矢理連れて行く。
「ちょっと待ってくれ!」
ジアータおじさんが引き留めた。
「もし、良かったら俺たちと
一緒に行動しないか?
集団でいる方が安全だし
仲間が居たらルナディナを
見つけやすい。」
………………。
「それもそうだな
おっさん達よろしく〜。」
ガツンッ!!
「ジアータァ!!!!」
ムキムキの冒険者が岩で出来た地面を
拳で叩き割る。
目には涙を浮かべている。
「俺はそのルヴィネって奴が仲間に
入るのには賛成だ…。
だがジアータ!お前の命令は
もう、聞く気はない!
お前のせいで俺のパートナーの
ターニタが死んだ!!」
ムキムキの冒険者は左手に
頭が潰れた魔法使いの死体を抱えてる。
「このままこの依頼を続けるなら、
俺はそのルヴィネって
奴について行く!
他にもルヴィネについて行く
やつはいるだろ!」
……………………。
「確かに…ジアータより
ルヴィネについて行った方が
安全だよな。」
「しかしルヴィネは
まだ俺たちと
同じロンズデーライトだぞ…。」
「だが、明らかにジアータより
戦闘能力は高そうだ…。」
なんか勝手に私がリーダーになりそうな
雰囲気になってる…。
「お前達の好きにしろ。
俺はしばらくギナナが
回復するまで未来視が使えない。
それにルヴィネが俺より
強いのは事実だ。」
ジアータおじさんまで私を推している。
リーダーとか自信ないからやだなぁ。
…………………
「ああ!もう!あんた達何
ルヴィネに守ってもらえると
思ってんのよ!」
キャメッションが珍しく怒った。
こんな勇気があいつにあったとは…。
「あんた達冒険者でしょ!
自分の身とパートナーは自分で
守りなさいよ!
あんたのパートナーが死んだのも
守りきれなかった、
あんたが悪いんでしょ!
何勝手に人の所為にしてんのよ!」
…………………。
しばらく沈黙が続く。
「おい、デカいねぇちゃん…。
って事は、あんたルヴィネが
リーダーになる事に
反対してるのか?」
ムキムキ冒険者がキャメッションに
喧嘩腰で言った。
「当たり前でしょ!
ルヴィネがあんた達守って
私を守りきれなかったら
どうすんのよ!」
「テメェも守ってもらう事しか
考えてねぇじゃねぇか!!」
「私はルヴィネのパートナーだもの!
ルヴィネに魔法と魔力を貸す代わりに
守ってもらわないと!」
まぁ、確かにキャメッションの
言ってる事は正しい。
自分の身を守れないような場所に来る
冒険者達が悪い。
例え、ドラゴンが想像以上に
数と力が上がっていたとしても…。
「行くわよ!ルヴィネ!
やっぱりこんな奴らに
構うことないわ!」
「お、おう…
すまんなジアータおじさん…
やっぱり別行動するわ。」
私とキャメッションは
ジアータ組と違う方向に歩いて行く。
「キャメッション…ありがとうな
私リーダーとか
絶対向いてなかったから
ちょっと助かった。」
「別にあんたの為じゃないわよ…
自分の為にやったんだから。」
バッサバッサ!バッサバッサ!
バッサバッサ!バッサバッサ!
バッサバッサ!バッサバッサ!
バッサバッサ!バッサバッサ!
私達が向かってる方向から
ドラゴンの羽ばたく音が大量に
聞こえて来た。
体長20m程のドラゴン達が
数百匹、空の向こうから
飛んでくるのが見える…。
その奥に…体長50m以上の巨大なドラゴンが
飛んでいる。
おそらくこのドラゴン・ヘルの
主だろう。
ジアータ組はまだ肉眼で
見える距離にいるが
構っていられる余裕はない。
このドラゴン達を相手に
自分達だけでもどうやって生き残るか
考えないと……。
キャメッションをおんぶして
高速で飛ぶドラゴン達から逃げるのは
不可能…。
「キャメッション…今からやる事
わかってるよな?」
「ええ、あんたの考える事は
だいたいわかるわ…仕方がないわね…。」
「全部ぶった斬る!!!」
ドラゴン達がもう、私達の目の前まで
飛んで来て攻撃して来た。
マグネットボウガンと剣で
ドラゴン達と戦い続ける。
パッシュン!!
パッシュン!!
「ギャエェェェェェェ!!」
キャメッションが意外にも
ドラゴン達の目に
マグネットアンカーを撃ち込み。
くっつけて動きを封じてくれる。
視界には、ほとんどドラゴンしか
映ってないが、私達2人なら
まだまだ戦える!!
「うぁぁぁぁ!!」
「ぎゃぁぁぁぁ!!」
ジアータ組の方から何度も悲鳴が
聞こえてくる。
「キャメッション!
やっぱり助けに行かないか?」
「あんたこの状況でよく言えるわね!
こうやってお喋りするだけでも
命取りよ!!」
「ルヴィネ!!」
遠くからジアータおじさんが
私を呼ぶ声が聞こえた。
ズシャンッ!!
ズシャンッ!!
ジアータおじさんが
ギナナさんを片手で抱えながら
もう片方の手で大剣を振り回し
ドラゴン達を斬り進みながら
私の近くに走って来た。
後ろについてきている仲間は
さっきの半分以下に減っている。
「君達と一緒じゃ無くては、
我々は生き残れない!頼む!
今だけ一緒に行動してくれ!」
バッシュン!!!
バッシュン!!!
スパパパパパッ!!!
「いいけど、こっちも
そんな余裕は無いぜ!?」
私は忙しくドラゴン達と戦いながら
返事をした。
「ありがとう!ルヴィネ!
本当にすまない!」
しばらく戦い続け、ドラゴン達の
攻撃が突然止んだ…。
「何?何で攻撃して来なくなったの?」
ヒュルルルルルルル!!!
「な、何だあれ!?矢?」
大量の矢が一斉に私達に向かって
飛んで来た。
「ぐぁっ!」
矢が他の冒険者達に刺さる。
私は矢を剣で斬り落とし、
自分とキャメッションを守るが
どんどん飛んで来てキリが無い…。
ジアータ組は、おじさん以外
数人しか生き残っていない…。
「ル、ルヴィネ!あれ見て!!」
さっき見た50m越えの巨大なドラゴンがいる
その後ろに無数の弓と矢だけが
展開され、こちらに向かって
矢を放ち続けている。
「ま、魔法!??」
何でドラゴンが魔法を!?
考えても仕方が無い!
バッシュン!!!
キンッ
150mくらいの距離から
マグネットアンカーを撃ち込んでみたが
鱗が堅すぎて、刺さらない…。
バッサンッ!!バッサンッ!!
巨大なドラゴンが大きく羽ばたき
風で体が飛ばされそうになる。
私とキャメッションは
マグネットアンカーで地面を刺し
耐えようとしたが…。
バキッ!!
私が刺していた地面が崩れた。
体が数十m上空に浮き、
キャメッションを守れない。
「ジアータおじさん!
さっき言ってた事と矛盾するが
キャメッションを頼む!!」
私は寝る時にぶら下がっていた
崖の方に落ちていった。
ビュオォォォ!!!
巨大なドラゴンが
ジアータさん達を無視して
崖に落ちてる私を追いかけて
攻撃して来た。
ギンッ!!
何とか剣で受け流した。
ヤバいな…キャメッションと
離れちゃったから魔法は
約10分しか使えないんだよな。
大ピンチだぜ…。




