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4話告白

わけがわからない。

「駆け出しの森」に

突然ミノタウロスが現れ、

しかも告白された。

ミノタウロスが私に向けて、

本を見せながら、

ある文章に指を差している。

これだけでも、

わけがわからない出来事だが、

その指を差しているところに

書いてある事は、

もっとわけがわからない……。


「僕と結婚してください。」


ミノタウロスの突然の告白にも、

びっくりだが

ミノタウロスの趣味にもびっくりだ。

ミノタウロスが持っている本は、

数年前にヒットした純愛物の

恋愛小説。

ちなみに、主人公が鼻からパスタを

垂らしながらヒロインに告白する、

シーンのセリフだ。


ミノタウロス君…あんた……

見た目イカツイのに心の中、

めちゃくちゃ乙女だな……。

でも、今会ったばかりの

女の子に告白する辺り、

村にいたナンパ男子達と変わらないな…


だが、しかし!

その肉体美と勇気は気に入った!

いきなり恋人からは、アレだから…


「じゃ…じゃあ、友達からで…」


私は顔を赤くしながら言った。

だ、だって恥ずかしいんだもん!


「ウォォォォォォ!!!」


するとミノタウロス君は、

とてつもなく嬉しそうな雄叫びを

上げた。

可哀想に…「友達から」と

言われただけで

この喜びよう…。

今まで何人の女の子にアタックして、

玉砕を繰り返して来たんだ…。

何だか、こっちまで泣けてきた。

よかったね…ミノタウロス君…。


そのあとミノタウロス君は、

本のページをめくり、

また、指を差してきた。


「一緒に幸せな家庭を作りましょう!」


こ、こいつ気が早すぎだぜ!

だから女子にドン引きされて、

何度も玉砕するんだよ!

ちなみに小説では、

主人公が鼻からパスタを垂らしながら、

告白した後に、

ヒロインが耳からパスタを

垂らしながらこたえる、

感動のラストシーンのセリフだ。

私も数年前にハマっていたから

覚えてる。


……………………。


とりあえず、私はミノタウロス君を

しばらく、ドン引きの目で見つめた。

でも、このミノタウロス君、

気が早すぎるところには引いたが、

私的には、OK

マジで変な性癖を開花した気分だが…。

だってイケメンなんだもん。

あ、間違えた牛メンなんだもん。


どうやら喋れないみたいだから、

これから会話するのに、

恋愛小説のセリフをいちいち

使うのは、不便だ。

ちゃんと喋れるように言葉を

教えよう。

文字が読めるなら、言葉もちゃんと

喋れるようになるだろう。

まぁ、喉の構造的に喋れない可能性も

あるけど…。


「ルヴィネ」


私は自分の顔に指差して

自分の名前を言った。


「ル…ヴィ……ネ…」


おおー!ミノタウロス君!

喋れるじゃないか!


「葉っぱ」


私は地面に落ちてる葉っぱを

指差して言った。


「ハ……パ…」



「木」



「…キ……。」


それから私は周りの物に

指を差しながらミノタウロス君に

単語を教えた。

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